テレビがポケモンGOを叩くのは必然。かつては流行の発信源も今は…

2019年8月23日

ポケモンGOのリリースから3週間ほど。リリース時のような狂乱状態は落ち着きましたが、まだまだブームは続いていると見て間違いないでしょう。だってポケストップがいくつかある公園に行くと、50代以上のおじさんたちにたくさん出会いますからね。

そんな中、テレビを中心とするメディアによる「歩きスマホ助長」批判もなくなりません。一部まとめサイトでは、アニメポケモンを放送してするテレビ愛知が、ポケモンセンターの客を歩きスマホユーザーに仕立てて報道したと騒ぎになりました。

初めから歩きスマホをネタにしたいという制作サイドの姿勢があったために、現場でこのようなヤラセ行為が発生したと想像されます。

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テレビ関係者がポケモンGOを叩くのって結局保身でしかない

数字を取れるネタとしてのポケモンGO

ポケモンGOが歩きスマホを助長するというテンプレート的な意見に対する私の考え方は、こちらの記事にまとめてあります。

歩きスマホ、事故はポケモンGOのせい?いやいや、本人の責任です!

日本でのリリース前に海外からの情報を元にまとめた記事ですが、そう大きくは違わないでしょう。

さて、テレビがポケモンGOを過剰なまでに叩く理由は何でしょうか。

「流行っているからネタにしやすい」

これはもちろんあるでしょうね。一時期はLINEもそのターゲットになりました。「LINEで連絡をとって呼び出し」など、よく知らない人が聞いたらあたかもLINEが悪いかのような報道もたくさんありました。なんでここで特定のアプリの名前を出す必要があるんだっていう。

だって、「メールで連絡をして呼び出し」ということはあっても、「gmailで」とか「キャリアメールで」とか報道することってないですからね。もし使っていたのが「カカオトーク」であっても、ちゃんとアプリ名を報道するでしょうか?(そもそも誰も使ってないだろという批判は受け付けません。)

ポケモンGOもそれと同じようにターゲットになっている感じはあります。そもそも、歩きスマホに限定するなら地図アプリのほうがよほど危険性は高いですし、視覚どころか聴覚まで奪う動画アプリはさらに危ないのではないでしょうか。最近はテレビ局の動画配信も積極的ですが、他人の社会的責任を問う前に自分たちはその責任を果たしているのでしょうか?

歩きスマホの責任を特定のアプリに押し付けるのはたいへん愚かなことであって、基本的には自己責任であり、スマホ特有の問題であると言えます。

テレビ局にしてみれば、歩きスマホが危ないかどうかなんてどうでもいいんです。とにかくいかにポケモンGOを報道するか。ニュースとして取り上げるには、事件事故につながりやすい行為を非難した方が報道っぽくていい。そういう発想で今日も、「ポケモンGOで歩きスマホ」という、ワンパターンでつまらないニュースが量産されていくのでしょう。

テレビの敵としてのポケモンGO

そしてもうひとつ、こちらはやや穿った見方になるかもしれません。

これまでのスマホゲームは、基本的には外に出て遊ぶ必要はありません。最近はマルチ機能のあるゲームも増えていますが、遠距離通信に対応したものがほとんどです。

家で遊べるということは、実はテレビと相性が良いんです。最近はSNSの使い方としてテレビ実況が一般的になっているように、スマートフォンアプリとテレビは共存関係にあるんですよね。

もっと言えば、最近のテレビCMはソーシャルゲームのものばかり。(グラブルとかめちゃくちゃ多いよね。)ご存知のこととは思いますが、これはソーシャルゲーム会社からテレビ局に多額のお金が流れているということなんですよね。よほど儲かるのか、ソーシャルゲーム事業に自ら乗り出すテレビ局もあるほどです。

ガチャの確率問題、テレビ局はどこまで熱心に取り上げたでしょうか?スポンサーに対して激しい批判はしにくいというのは、誰もが知っている事実です。

一方、ポケモンGOはどうでしょうか。基本的にテレビを見ながらプレイすることは不可能でしょう。ポケモンは外に出現しますし、アイテムも外に出ないと取りに行けませんからね。

ポケモンGOのようなゲームが流行ってしまうと、皆が外に出てしまう。すると、テレビを見てくれなくなる。テレビ局にしてみれば、どうしてもこれは不都合なんですよね。もともとテレビ離れしていた若い世代だけではなく、50代以上のプレイヤーも多いというのは脅威でしかないでしょう。

はっきりそういう意図を持ってポケモンGOを危険視しているわけではないと信じたいところではありますが、この手のゲームの流行は、確実にテレビ離れを招きます。危機感を持っていないとしたら相当鈍感でしょうね。

【最後に】みんなが節度を保って冷静に

ポケモンGOが歩きスマホを助長しているという考え方には距離を置きたいのですが、一方でそういうプレイヤーが存在するのもまた事実です。正しく遊んでいるプレイヤーが割を食わないよう、危険なプレイはしないようにしてほしいものです。

そしてメディアの皆様には、もっと建設的にポケモンGOと向き合ってほしいものです。歩きスマホせずともポケモンGOが楽しめることを、もっと積極的に伝えてはいかがですか?それがメディアの公共性というものだと思うのですがね。煽るだけならそこらのまとめサイトでもできます。

とにかく今は、狂乱状態が収まって次の落とし所を探っている段階だと思います。自治体と連携した取り組みも発表された中で、社会はポケモンGOをどう受け入れていくのかに注目したいところです。

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ポケモンポケモンGO

Posted by hiro