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ゲームデータ(ガチャゲー)のRMTが賭博罪にあたる可能性を、国が指摘しているという話

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ねとらぼさんで、「メルカリがゲームデータの売買を解禁して非難を浴びる」というニュースがありました。

フリマアプリ「メルカリ」突然の規約変更で非難 ゲームのアカウント売買をひっそり解禁(メルカリ)

ポケモンGOに合わせたとの指摘もありますが、実はガチャを導入しているゲームデータのRMT(リアルマネートレード)が流行ってしまうと、いろいろ大変なことになるということをご存知でしょうか。

現時点でのRMTの取扱い

monstrmt
▲メルカリに出回るモンスターストライクのゲームデータ。

現在、多くのオンラインゲーム(PC、携帯問わず)において、そのデータを売買するRMTは規約によって禁止されています。RMTを禁止する理由として考えられるのは、

  • ゲームデータは運営会社の著作物であり、それを利用して利益を得るのは著作権法違反である。
  • ゲーム内通貨やアイテムなどをユーザー同士でやり取りすると、運営に本来入るべき収益が損なわれる。
  • BOTプログラムの稼働により大量のアクセスが発生し、サーバーに多大な負荷をかける。

などがあります。運営会社の不利益は一般ユーザーにとっての不利益でもありますから、これは重大な問題です。

一方で、RMTに関する明確な法規制はなく、仮にオークションなどでデータの売買が行われたとしても、それを罪に問うことができるかは極めて微妙な問題であり、長年グレーゾーンの中をさまよっていました。

上述のとおり著作権法違反の疑いはあるものの、現時点で逮捕者が出たという話はありません(おそらく)。運営が対策を取るにも、機種変更によるデータ引っ越しは普通の行為ですから、それとどう区別するのかという難しい問題があります。

ヤフオクやメルカリなどのサイトが、ゲーム運営会社が規約違反としているRMTを許容しているのは、なんとなくこのへんと雰囲気が似ていますね。

【ポケモンGO】お台場ラプラス騒動はゲームを変えるか。「不正ツール」を紹介する攻略サイトの姿勢にも疑問

しかし、ここでとあるお達しが出ていたことを思い出した方もいらっしゃると思います。私も以前記事にしていました。

RMTは賭博罪にあたるのか

それがこちらの記事。

スマホのガチャ問題について消費者委員会が議論。確率や推定金額の表示を要求

こちらの主題は「消費者委員会がガチャ確率や推定金額の表示を要求した」という話ですが、今回関連してくるのは、消費者委員会が指摘したこの部分です。

③ スマホゲームの電子くじと賭博罪との関係 (賭博について) 刑法における「賭博」とは、「偶然の勝敗により財物や財産上の利益の得喪を争う行為」であ り、「財産上の利益」とは、財物以外の財産的利益の一切をいい、債権の取得、サービスを提供 させる等の積極的利得のほか、債務免除等の消極的利得も含むと考えられている。また、一般に 刑法上の財物や財産上の利益該当性については、客観的価値に加え、主観的な使用価値等も含 まれると解されている。なお、「賭博」に当たる場合であっても「一時の娯楽に供する物16を賭 けたにとどまるとき」は、違法性は阻却される(刑法第 185 条但書17)。

(電子くじの賭博罪該当可能性) 以上を踏まえると、一般論として、スマホゲームで見られる電子くじは、専らゲームのプログ ラムによって排出されるアイテム等が決定されることからすれば、上記「賭博」にいう「偶然 性」の要因を満たしていると考えられる。また、上記「財産上の利益」の解釈に加え、有償で入 手したオンラインゲーム内のアイテムを詐取した事案につき詐欺罪の成立を認めた下級審判決 18があることなどからすれば、アイテム等については「財産上の利益」に当たる場合もあり得る ところである。 実際に電子くじが賭博罪に該当するか否かについては、上記「財産上の利益」該当性に加え、 「一時の娯楽に供する物」該当性等も含め、事案ごとに判断されるものである。電子くじで得ら れたアイテム等を換金するシステムを事業者が提供しているような場合や利用者が換金を目的 としてゲームを利用する場合は、「財産上の利益」に該当する可能性があり、ひいては賭博罪に 該当する可能性が高くなると考えられる。 スマホゲームに関わる事業者は、アイテム等の転売等の換金を規約等において禁止している ものも見られるが、引き続き、事業者、消費者ともにこうした観点を踏まえて行動することが望 ましい。

16 一時の娯楽に供する物とは、関係者が即時娯楽のために消費するような物をいい、例えばジュース、菓子等 が考えられる。
17 刑法第 185 条 賭博をした者は、50 万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を 賭けたにとどまるときは、この限りでない。
18 高松地判平成 18 年11 月17 日

原文はこちら。【資料2】の11ページ下あたり)

長いのでざっくりまとめると、
「スマホゲームのガチャが賭博罪に該当するかはケースバイケースだけど、そのアイテムを換金できるシステムにしたり、RMT目的でゲームをプレイしたりしている場合は賭博罪に該当する可能性が高くなるよ」
と書いてあります。

個人でプレイしているゲームデータを売る場合に「換金を目的としてゲームを利用」の対象になるかは微妙ですが、複数のアカウントを会社や個人が売買している場合は、換金目的でのゲーム利用とみなされる可能性が高いのでしょう。

また、販売を仲介しているサイトも、違法性のあるものを販売しているということになりますから、ただでは済まない可能性もあります。

ガチャゲーのRMTが賭博罪に該当するかどうか自体は、一般ユーザーにはそれほどピンとくる話ではないかもしれません。
とはいえ、スマホのガチャについて国としてこれだけ議論しているという事実は、よく知っておいたほうがよいでしょう。

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