クラス替えの基準ってなんなの?元公立学校教員が語る学級編制の仕組み

2019年8月5日

クラス分けの基準とやらがTwitterで話題になっていました。そういえばそんな時期ですねえ。

学校のクラス替えはいったいどんな基準で行われているのか、疑問に思ったことのある人はたくさんいるでしょう。「クラス替え 基準」で検索すると、そこにはNAVERまとめが・・・ これはアカン。

確かな情報をということで、実は公立学校勤務経験がありクラス替えも実際にやったことのある私が、クラス替えの一例をお伝えしたいと思います。

もちろん学校によって多少の違いはあると思いますが、参考にしていただければと思います。

スポンサーリンク

まずは学力で分ける


まずは、現行クラスを男女ごと学力順に並べ、それをクラス数に分割します。平均学力がだいたい一緒になるよう、Aに1番の子、Bに2番の子、Cに3番の子と分けたら、次にCに4番の子、Bに5番の子、Aに6番の子といった具合にやってました。

野球に詳しい人なら、ドラフトのウェーバー方式といえば分かりやすいでしょうか。

人間関係も重視


学力と同じか、それ以上に重要なのは人間関係です。特に配慮がなされるのは、人間関係の形成が苦手な子です。

担任などがこれまでの学校生活を観察してきた中で、その子に心を許せる子がいる場合は、同じクラスにすることが多くなります。

特別仲のいい子がいないケースでは、同性で面倒見がいい子を一緒にすることもあります。

続いては、いじめ・いじめられなど、上下関係がはっきりしてしまっている子たち。この場合は極力分けるようにします。

1人ではそれほどでもなくとも、何人かで集まるとろくなことをしないグループも、解体される可能性が大。

特別悪いことをするわけでもないものの仲が良すぎる子たちも、新たな人間関係を作ってもらうために分けられることもあります。ただし、他と比べると優先度は高くありません。

このあたりで現行クラスの分割が終わり、他クラスと合体して素案が作られます。

運動・特技・性格

学力や人間関係ほどではありませんが、運動能力も大切な問題です。体育祭などの行事で特定のクラスが圧倒的に強いことが分かっていたら、やる気も出ませんからね。

小学校高学年や中学校では、ピアノができるかどうかが重視されることもあります。ピアノのできる子が特定のクラスに固まっていると、合唱コンクールなどの場面で困りますから。

ほかには学級運営を考え、リーダーシップの取れる子はできるだけ各クラスに配置されるようにしています。

学級編制の希望は聞いてもらえるの?

学級編制に対して保護者から要望が寄せられることもありますが、特別配慮が必要な場合を除いては、考慮されることはありません。特定の児童生徒の要望だけ反映することは、不平等につながりますからね。

どうしても配慮の必要な状況があるときは、学級編成が始まる2月中旬あたりまでに担任等に連絡しておくとよいでしょう。

【終わりに】学級編制は大変

学級編制では、学力と人間関係を中心にさまざまなことが考慮されます。

現行クラスだけではうまく分けられたものが、ほかのクラスと合体させたことで思わぬ不具合が見つかることもあります。

「この子とあの子は組み合わせたらあかん」「このクラスうるさすぎるから調整しよう」など、微調整を繰り返しながら学級編制は進んでいきます。

はっきり言って、学校サイドとしても100%満足のいく学級編制ができることはありません。まさに「机上の空論」で作業をしているわけですから、いざふたを開けてみると思わぬ状況が発生してしまうこともあります。

その時点ではベストだと思って組んだ学級であっても、子供の成長は早いですから、何ヶ月かすると学力や運動で差が出てきてしまうこともよくあります。

もう現場の人間じゃないのであれですが、一応このような事を考えながら学級編制は行われているということを知っておくと、何かの参考にはなるかもしれません。

スポンサーリンク