マスコミこそ説明責任が大切。張本氏の中央大内紛発言に思うこと。
よくネットをざわつかせるあの人が珍しく謝罪なんていうニュースを見かけたのですが、違和感があったのは私だけではないはずです。
張本氏が中央大駅伝部で内紛があったと発言
発端はこのニュース。
張本氏は15日の箱根駅伝予選会で11位となり箱根駅伝連続出場が87回で途切れた中大に“喝”を与えた際、「内紛もあるらしいじゃないですか」と発言。これに対し、中大の野村修也法科大学院教授(54)が「事実無根である」とTBSに対し訂正と謝罪を要求したことをツイッターで明かした。(スポーツ報知)
これに対し、張本氏の発言に対して番組が謝罪を行ないました。
当番組の10月16日放送のスポーツコーナーで、中央大学が来年の箱根駅伝の出場を逃した結果を放送した際、スタジオトークの中で「内紛があるそうだから」との発言があり、中央大学から事実と異なるという指摘を受けました。この表現により誤解を招きましたことを、視聴者および選手をはじめとする関係者の方々にお詫び申し上げます。(サンデーモーニングHP)
誰の発言かも触れないいい加減な文章に、張本氏本人のコメントもないお粗末ぶり。当然本日放送の「サンデーモーニング」が注目されましたが・・・
野球評論家の張本勲氏(76)が23日、TBS系「サンデーモーニング」(日曜・前8時)に群馬県太田市から“バーチャル出演”、スタジオ収録には参加しなかった。16日の同番組で箱根駅伝予選会の中大について発言した内容をめぐり、謝罪するか否かが注目されていたが、一言も言及しなかった。(スポーツ報知)
結局本人謝罪はなし。なお、この放送以前に、中央大学陸上部部長でありテレビ出演も多い野村氏が本人による謝罪を申し入れたところ、番組側に拒否されたという出来事も明らかになっています。
#サンデーモーニング から、明日の放送中に番組として謝罪するのは難しいとの連絡がありました。テロップ対応もお願いしましたが無理でした。後は、張本さん個人のスポーツマン精神に期待するだけです。選手の名誉回復のため、コーナー冒頭に「自分に喝!」と言ってくださるものと信じています。
— 野村修也 (@NomuraShuya) October 21, 2016
一番説明責任を果たせていないマスコミ
このような事例はよくある話です。テレビ番組内で流された誤報に対してホームページ謝罪で済ませたり、ネット配信記事をこっそり訂正・削除してなかったことにしたり。
ソースが2chで申し訳ないのですが、この記事は私も確認しました。該当の記事では、書いた当人が男女のハンマーの重さに違いがあることを認識していなかったと思われます。
【一流紙】産経が「ハンマー投げで女子が男子の飛距離を上回る」の記事を削除した理由は? [無断転載禁止]©2ch.net
記事自体は削除されていますが、ネット上にはその残骸が残されていますので、「リオ 女子 ハンマー投げ 産経」などで検索してみてください。いやー多くのメディアに記事を配信するってこういうメリットがあるんですね。
「説明責任」と言えば、マスコミの決めゼリフ。政治家や企業、不祥事を起こした人に対して説明責任を求める声は毎日のように聞きます。
ところが、とうのマスコミ自身が説明責任を果たすことは極めてまれ。「取材方針についてはお話できません」なんてコメントもよく見かけます。
マスコミの報道に関しては「報道の自由」の名のもとに広くその権利が尊重されています。これは主に、健全な民主主義社会の発展には、国民があらゆる情報に自由にアクセスできることが前提とされているからです。
しかし、それも報じる側に対する信頼感があってこそ。ネットメディアの伸長を嘆く前に、なぜここまで既存メディアに対する信頼感が失われてしまったのか、よく考えるべきではないでしょうか。
マスコミも監視される時代
かつて新聞やテレビの取材が政治家や企業の不正を暴いてきたように、今やネットが新聞やテレビの不誠実さを暴く時代になっています。時代の変化をもっと敏感に感じてほしいと思う次第です。
また、SNSが発達した現代では、ひとりひとりがニュースの拡散役ともなります。その情報が信頼に値するメディアから発せられたものなのか見分ける能力も大切ですね。