月給5万円騒動に見る芸能界の特殊性。鎖国体制はいつまで続く?

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鎖国という言葉が教科書から消え、聖徳太子も厩戸王に。学習指導要領の改定で小中学校の教科書が変わるようですが、歴史好きの自分としては「ようやくか」と感じてしまいました。

鎖国という言葉が実態を表していないことなんて、ずっと言われていましたし、聖徳太子についても、世間一般で語られるような人物である可能性は極めて低いという意見が、ここ数年勢いを増していました。

しかし、ネット上の反応を見るに、このニュースに驚いている人がたくさんいました。いかに人々が細心の歴史に触れていないかという点で愕然としたのですが、それもそうですよね。好きでもなければ、学校を卒業した後に歴史に触れる機会なんてそうありませんから。

私がファッションのトレンドについて何も知らないし興味もないのと同じことです。

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芸能界と一般社会の情報格差

これだけ情報があふれる時代になっても、自分に関係ない情報は目にも耳にも入ってきません。テレビの影響力がもっと強かった時代であれば、何気なく目に触れることもあったのでしょう。しかし、ネットの時代ではみんな自然と情報を選別しています。

さらには、テレビ番組の内容にも厳しい視線が向けられるようになっています。某タレントさんが仕事のストレスから精神的に追い込まれて休業に至るニュース。メディアを連日騒がれていますが、いわゆる「成功者」の芸能人たちは総じて厳しめ。大人の責任だの義理だの、月給5万は当たり前だの・・・

ただし、ネット上の反応を見ると、視聴者はそうした論調に否定的な人も多いようです。折しも、電通社員の過剰労働の末の自殺が大きなニュースになったばかり。安倍政権が働き方改革として残業時間を厳しく規制しようと動くさなかでのこの事件です。「芸能界のブラックさ」に眉をひそめた人も多かったことでしょう。

この件によって、芸能界という隔離された世界で生きている人たちが、世の中の動きについてきていないことを改めて露呈してしまったのです。もちろん、それはそれで結構。芸能人は雲の上の存在であって欲しい、常識人である必要はないという意見もあるでしょう。私もある程度そう考える部分もあります。

しかし、芸能人とはいえ労働の一つ。そこで働く人々の権利は守られなければいけません。ぜひ彼らには、「売れればたくさんもらえるからいいじゃないか」ではなくて、過酷な環境に耐えかねて消えていった多くのタマゴたちにも、思いを致してほしいなと考えるわけです。芸能人になる前は、みんな「普通の人」なんですから。

もちろん、そんなこと気にしないからあの世界でやっていけるのかもしれませんけど、芸能人自体のハードルが下がってきている今、そういう考え方は通用しなくなってきている気もします。大御所だって普通にバッシングの対象になる時代ですからね。

芸能界の開国はいつか

もうみんな気づいているんですよね。事務所の力でニュースの扱いが変わることを。ときには事実が隠蔽されることを。芸能人の方でも、一般人がそれに気づいていることを察し、ギリギリのところで発言している人もいます。

教科書で鎖国という言葉が使われなくなったのは、江戸時代においても長崎の出島や薩摩などで貿易が行われていた事実にそぐわないという意見が大勢になったからです。

もし現状に異を唱える芸能人の方が増えることになれば、そのとき芸能界は開国の時を迎えるのかもしれませんね。もっとも、戊辰戦争のごとく旧体制をむりやり葬り去ることはできませんが。今待ち望まれるのは西郷隆盛や坂本龍馬のような改革者なのでしょう。