「初耳学」で全否定。鶏ささみがダイエットに効果ない理由とは

2023年8月22日

※当サイトの商品リンクには、アフィリエイトプログラムを利用しているものがあります。

2017年5月15日に放送された「林先生が驚く初耳学」。毎回さまざまな雑学知識が飛び出すのですが、この日の放送はダイエットの常識を覆す知識が公開されました。

ダイエット目的で鶏ささみやサラダチキンを食べている人、それ意味ないみたいですよ。

スポンサーリンク

ビタミンB1・B2なくしてダイエットなし!

ここで放送内容をおさらい。

ダイエットをするときに考えなければいけないのは、「いかに脂肪や糖を分解するか」です。

これらを分解するのに作用する栄養素は、ビタミンB1やビタミンB2。分解してエネルギーに変える栄養素なのですが、鶏ささみにはそれらがほとんど含まれていません。

だから、鶏ささみはダイエットに効果がないどころか、ほかの食品の代用として食べることでビタミンB1やB2が不足し、かえって太りやすい体質になるのだそうです。

とりささみにはビタミンBが少ない!

その観点から、鶏ささみの栄養価を確認してみましょう。今回は一般的な用途である「にわとり/ささ身/ゆで」を基準にします。

鶏ささみがダイエットにいいとされる理由は、脂質や炭水化物が極めて少ないことですよね。いずれも可食部100gあたり、

エネルギー:125kcal
脂質:1.0g
炭水化物:0g

特に、炭水化物ゼロという点から、糖質制限ダイエットでもてはやされる食品となっています。一方で、今回のテーマであるビタミンB1・B2で見てみると、

ビタミンB1:0.09g
ビタミンB2:0.12g

となっています。こう書かれてもピンとこないかもしれませんね。では、同じお肉で比較してみます。生姜焼きなどに用いられる、「ぶた/中型種肉/ロース/脂身つき、生」と比較してみましょう。

エネルギー:291kcal
脂質:22.6g
炭水化物:0.2g
ビタミンB1:0.77g
ビタミンB2:0.13g

このように、ビタミンB1についてはかなりの差が出ました。脂身付きを採用していることもあり脂質が多めですが、これは「ロース/赤肉」にすることで8割ほどカットすることができます。

豚肉はビタミンB1が多い食品の代表格。ロース以外の部位にもたっぷり含まれています。ほかにビタミンB1の多い食品には「たらこ」「うなぎ」などもありますが、豚肉と同じだけ食べるにはちょっと懐が痛みますよね。

カロリーの観点から豚肉を敬遠する人も多いようですが、必要なのは脂質や糖質を取らないことではなく、脂質や糖質を分解すること。分解さえしっかりできていれば、過剰な糖質制限なんて必要はないのです。

ちなみに、ビタミンB2はレバーに多く含まれています。とは言っても、レバーは苦手な人も多い食材ですよね。現実的なところでいくと、「まいたけ」「しいたけ」「納豆」あたりにもそれなりの量が含まれています。

なお、これらの数値は「食品成分データベース(文部科学省)」を参考にしました。テレビで「○○を摂るにはあれがいい!」などと紹介されても、自分が食べられない食材なことって結構ありますよね。そんなときは、このサイトで検索してみるといいと思います。「検索」からの「食品成分ランキング」がおすすめ。

糖質制限すれば関係ない?

ここまで書いてきて、見出しのような反論が頭に浮かんだ人もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、理屈としては分解すべき脂質や糖質がなければ、その必要はないということになりますね。

糖質制限がもたらすものに関しては、ダイエット効果については確かにあるのでしょう。増加傾向にある糖尿病を減らす観点からも、糖質制限が推奨されているような風潮があります。

同番組では、「糖質制限ダイエットでは2人に1人がリバウンドしている」という調査結果が紹介されました。そう言えば、ライザップCMに出演していた人の多くも、元の体型に戻っているような・・・

その理由としては、「脳が糖質を欲しがるから」という点が挙げられていました。脳が主要な栄養素としているのはブドウ糖ですから、もはやこれは単なる欲求ではなくて、本能なのですね。

ただし、最近では「ブドウ糖を取らなくても体内で生成されるケトン体があるから大丈夫」という研究も。ただしケトン体についても諸手を挙げて歓迎できるというものでもないようで、早い話が、糖質制限は研究途上ということなのでしょう。

ここからは個人的な見解なのですが、そもそも適度な食事、適度な運動を心がけていれば、過度な糖質制限ダイエットを実施する必要なんてありません。それは、皆さんの回りにいる高齢者が証明しているなによりの事実ではないでしょうか。

それに、糖質制限ダイエットによってご飯やパンの摂取を控えたとき、必要なカロリーをほかの食品で補うのは、主に費用面でなかなか大変なことです。カロリー不足に関しては、その危険性を糖質制限ダイエットの第一人者も警告していることですから、ここは議論する余地はありません。

【おわりに】変わりつつあるダイエットの常識

ダイエットと言えばとりささみ。ここ数年ダイエット界隈では当たり前のように語られてきた知識ですが、これを覆す放送内容に衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。

このような知識を最新の栄養学をもとにまとめた「太らない間食」は、鶏ささみ以外にも数々の常識を打ち破る著書として話題になっています。いろんなダイエットを試してみたけどどうもうまくいかないという人は、手にとって読んでみるといいのかもしれません。

ちなみに私は、ダイエットとか関係なく鶏ささみが大好きです。