テレビ出演はそんなに大事?乃木坂46の分析記事を読んで思うこと
「国民的スーパースター」が生まれにくい時代です。でもいい時代。
乃木坂のテレビ出演が少ない?
今朝はこんな記事を見かけました。
ブレイクもTV出演増えぬ乃木坂46 優等生キャラ故のジレンマ(ポストセブン)
読んでみると、
- 優等生キャラは目の前のファンにとってはいいけど、多くの人に覚えてもらうことが難しい。
- 個々のキャラが明確でない分、グループとしてのオファーが中心になる。
- ライブや握手会などには強くても、バライティやドラマなどエンタメには弱い。
- テレビに出ないから全世代的知名度が上がらない。
そんなところ。
うーんなるほど。たしかにAKB全盛期ほど、個々のテレビ出演は少ない印象ですよね。私はクイズ番組をよく見ますから、秋元真夏さんはよく見かけますけども。頑張ってますよね彼女。
でも、それが絶対的な尺度であった時代はとうに終わっているのではないでしょうか。
今の時代、ビジネスの重点は「広く薄く稼ぐ」から、「狭く深く稼ぐ」方向に変わってきているのだと思います。そういう時代において、テレビになど出なくとも、ファンはしっかり見ていてくれますし、お金も落としてくれるんですよね。
視聴率は落ちつつも観客動員が増える野球
このような例はいくらでもあります。例えば野球。
地上波中継が少なくなって久しいですよね。その原因は言うまでもなく、視聴率の低迷にあります。小中学生が取り組むスポーツとしてもサッカーに抜かれつつあるなど、その現状は危機的だと言われることがあります。
その反面、実際に球場に足を運んだ人の数は確実に増えています。詳しいデータはこちら。
プロ野球観客動員リポート ファンを惹き付ける5つの要素(BASEBALL LAB)
要因を一つに絞ることは難しいでしょうが、少なくとも「テレビ露出=人気」という図式が成り立たなくなっていることはお分かりいただけるかと思います。
「とりあえず野球」だった時代は終わりを告げ、全然興味が無いか、お金を使ってでも楽しむかの二極化が始まっているのでしょう。これは野球に限らずあらゆる娯楽に共通する現象だと思います。
他人と共通の話題が作りづらいデメリットはよく言われます。ただ、私自身はコアなファンが増えることは決してマイナスではなくて、本職でしっかり活躍すればそれをしっかり見てくれる、プレイヤーにとってはいい時代なんじゃないかと思うんですよね。
流行はテレビだけから発信される時代じゃない
世間の流れをテレビだけがつくる時代は、とっくに終わりました。Youtubeからは自分の力でのし上がった有名人が次々と誕生していますし、グルメやファッションの火付け役も、いまやSNSが主流になっています。
そんな時代に、テレビに出て全世代的な人気を獲得してなんて戦略は、かえって難易度を増しているように感じます。
先ほどの記事を書かれた方はAKBを引き合いに出しておられました。確かにグループ在籍中のソロでのテレビ出演はかなり多かった印象があります。
しかし、卒業後はどうでしょうか。もちろんしっかり活躍している人もたくさんいますが、「あれっあの人どこ行ったの?」状態の人も少なくありません。グループ在籍時のテレビ出演量は、必ずしも現在の人気に比例していません。
一部のファンを除いては、ソロで出ていたとしても結局、「AKBの◯◯ちゃん」としか見ていないんですよね。テレビの視聴時間が落ちた今、テレビが与える影響なんてそんなもんなんです。
指原さんクラスになると別格ですけども、あの子は芸能界全体を見渡しても稀有な存在でしょう。
だから、例えテレビ出演が少ないとしても、それが卒業後の活躍を制限するとは考えません。固定ファンさえしっかりつかみ続ければ、その舞台がテレビであれネットであれ雑誌であれ、なんら問題はないと私は思います。スキルアップの場だって、テレビに限定する必要はないでしょう。
あのジャニーズですら、ネットの台頭で従来のメディア統制が通用しない時代ですよ?いい加減、テレビがすべての中心にあるという発想からは卒業するべきでしょう。
乃木坂らしさもいいじゃない
乃木坂の魅力って結局、AKBにはないものを持っているところなんですよ。その空気感というか。だからこそ、ファンの中でもしっかり差別化ができて、ここまでの人気を獲得するに至っているのだと思います。
私自身、乃木坂ができた当初は「AKBの公式ライバル」という設定もあり、なんとなく企画物といった印象しかありませんでした。たまにCDを買う程度にはAKBグループが好きだった私が、数年の時を経て今さら乃木坂にハマりつつあるのは、そこにAKBとは違う何かを感じたからでしょう。
もちろん彼女たちの活躍の場が広がるのはうれしいことですが、テレビに出るかどうかを絶対的な尺度とするのは、ちょっと時代遅れなのかなと思いました。
無理してキャラクターを打ち出していくよりも、よく分かっている人が見ていてくれる場面で確実に活躍していくほうが、彼女たちにとってもやりやすいんじゃないかなと思います。
[amazonjs asin="B06ZY33PF9″ locale="JP" title="生まれてから初めて見た夢(初回生産限定盤)(DVD付)"]