許される転売と許されない転売。私が思う許容ラインはここ。〜ヒカキンさん紹介商品の爆売れから考える〜
トップYouTuberであるHIKAKINさんの動画をきっかけに、セブンイレブンの商品が爆売れしているというニュースがありました。
この商品は東京など限定のものであり、多くの視聴者にとって入手困難なものであることから、動画公開直後からメルカリなどで転売される状況が発生しました。
HIKAKINさんがその後、転売はやむなしとする動画を公開したことも、一部で議論を呼んでいます。(ただし高額転売については批判しています。)
転売はたびたび話題になりますが、私の見解としては、「転売が容認されるかは状況による」です。その理由を説明します。
あくまで私個人の考えであり、法的な善悪を示したものではない点はご了承ください。
転売は経済活動の基本
まず転売という行為について。安く買って高く売るというのは、経済活動の基本です。
例えばアメリカでしか売られていないものを輸入して、本来の価格に必要経費や利益を上乗せして日本で販売する。
個人で購入するのが難しい場合に、その間に入って購入しやすいように手はずを整える。そのかわりに一定の手数料を受け取る。これが転売です。
これが国内であっても、例えば買い物が困難な客に対して買い物を代行して手数料を受け取るのも、同じことが言えます。
転売によって流通が活発になる
転売はものの流通をスムーズにする働きがあります。また生産者、消費者それぞれにメリットがあります。
生産者
- 転売者が購入することで商品代金は受け取れる。
- 自分では手が届かない消費者にも届き、売上のアップに貢献。
購入者
- 自分で買いに行く場合のコストに比べてはるかに安く済む。(海外商品など)
- 知らない商品を知るきっかけになる。
コンサートチケットなどの高額転売は容認できない
ただしどんな場合でも容認されるかと言えば、そうとは言い切れません。コンサートチケットがその代表的な例です。
コンサートは会場のキャパシティがあるので、販売枚数は明確に決まっています。
開催回数を増やすことは可能でしょうが、アーティストの都合もありますし、特定の日の公演が見たいという需要もあるので、やはり限界があります。
また最近では、インターネットもしくはコンビニで多くの人が購入可能な状況にあります。
通常の販売手段で多くの人が入手可能な状況が用意されているのに、特定の人物が買い占めることでそれが困難になっているという状況が発生しているわけですね。
こうした転売は主に業者によって行われており、彼らは大量に買い占めるためのツールを利用し、普通のファンが購入することを妨げている点も悪質です。
チケットなど数量限定商品は転売の際に高額が設定されやすいという事情も合わせると、これは消費者の利益にならない転売と言えるでしょう。
今回のケースはどう見るか
それでは今回の事例を分析してみましょう。
- 該当商品は東京などごく限られた地域でしか購入できない。
- 数量限定ではなく定期的に生産されるものである。
この2点から、転売については比較的容認されやすい事例ではないかと思います。
とはいえ東京などで品薄状態が発生していることは事実としてあるので、本来の100円ほどで買うことが難しくなっている人は、当然不満に思うでしょう。
また「コンビニで買ってメルカリで送るだけ」で大きな利益を得るのは、その手軽さを考えると批判が大きくなっても仕方がないかなと思います。
容認される転売の条件として、多くの人が妥当と考えるラインであることも欠かすことはできません。
NintendoSwitchの事例
NintendoSwitchの発売時、あまりの人気の高さに生産体制が追いつかず、なかなか手に入れられない状況が発生しました。
その際にも転売屋が暗躍し、通常より1万も2万も高い価格で販売していました。
インターネットであったりゲーム量販店であったり、多くの人にとって入手できる条件が整っているにも関わらず、それを買い占めて高価転売を図る業者がたくさんいたのです。
これは先ほどから私がお話ししている基準で言えば、容認できない転売になります。
これに関しては任天堂が増産に踏み切ったこと、需要が一段落したことで事態は落ち着きました。
一部には高額転売に失敗した業者も出たようですが、需要の変動を読むのは商売の基本ですから、これは自己責任ですよね。
もっとも仕入れは経費ですし、それを例えば定価の-1000円くらいにすれば十分にさばけますから、大きな損失にはなっていないと予想されます。
【終わりに】そして今日もどこかでブームが発生する
最近ではテレビでマツコ・デラックスさんが紹介したものは、次の日スーパーから消えるなんて話も聞きます。
ダイエットにいい、健康にいいと紹介された場合も同じ現象がおきますよね。
今回はそれがHIKAKINさんだったということで、YouTuberの影響力が大きくなった事例の一つとして、注目を浴びることになったんだろうと推測されます。
ブームはいつどこで起きるか分かりませんし、そうである以上、転売がなくなることはおそらくないでしょう。
それはそうと、「静かなブーム」ってブームじゃないですよね。今度静かに考えてみようと思います。