リフォームシミュレーター「House Flipper」レビュー。ペンキ塗りや壁壊しで思い通りの家づくり

2023年9月4日

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ここ数年、特定の職業になりきったり、アクティビティを楽しんだりする「シミュレーターゲーム」が人気を集めているような気がします。警察だったり泥棒だったり、解体業者だったり農家だったり。

レベルを上げて魔王を倒すという非現実も味わえる中、現実的なものが人気を集めるのはなぜかと考えたのですが、「現実だけど現実じゃない」みたいなアンビバレントがいいのかもしれません。

さて、今回紹介するのはそんなシミュレーターゲームのひとつ、「House Flipper」です。リフォーム業者のお仕事を、リアルかつ手軽に楽しませてくれる一作でした。

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依頼に沿って作業をこなし報酬を得る

プレイヤーへの依頼はノートPCに届きます。(画像はクリア済みのためアーカイブのものです。)

早速現場に出向いてみると、これまたやりがいのあるおうちが待っています。どうしたらここまで汚れるのかと。むしろ外壁が崩れていないことが奇跡なレベルですが、まあそのあたりはゲームですし。

ゴミを拾ったり、モップで磨いたり、ペンキで壁を塗ったりして家をきれいにしていきます。家具を設置することもあります。やるべきことは依頼主から指示されていますので、それにそってやるだけ。難しいことはまったくありません。

はじめは基本的な作業ばかりですが、やがて壁を壊して間取りを変えたり、お風呂にタイルを貼ったりといった作業もできるようになります。ハンマーでぶっ壊していく作業はなかなかに爽快感があります。

作業内容ごとにスキルが設定されており、一定回数をこなすとレベルアップし作業が効率よくできるようになります。スキルアップするとペンキがまとめて塗れたり、掃除スピードがアップしたりして、より大きな家でも快適に作業できます。

一定量の作業が終わると引き渡しが可能になります。100%完了させる必要はないのですが、その場合は工賃が減額されてしまうので、基本的には100%に限りなく近づけたほうがいいでしょう。

最後はお城!物件を購入しリフォーム

届いた依頼に応えるだけではなく、自分で物件を購入してリフォームし、それをオークションにかけて売り渡すということも可能です。

こちらは依頼案件のようにやるべきことが示されないため、自分が考えて作業を進める必要があります。このときポイントとなるのが、買い主候補たちがどんな家を望んでいるか。その要望にあったリフォームに取り組むことで購入価格が跳ね上がっていきます。

ファミリーならベッドルームが複数ほしいとか、ビジネスマンなら書類や本を置く棚がほしいとか。タブレットを見ると要望が出ていますので、家の間取りを見ながら応えられそうなものを定めて取り組んでいくのがいいと思います。

このゲームはポーランドのスタジオの制作なのですが、やはりヨーロッパのおうちが基準になってるんだなと思うところが多々あります。例えば、やたらと設置を求められるラジエーター。私は車とかコンピューターの冷却に使うものという認識だったのですが、ヨーロッパでは暖房器具として一般的に設置されているものなのだそうです。

それ以外にも、ファミリーなど家族の人数が多いとバスルームを複数用意するように言われるんですよね。日本だとお金持ちの家くらいしかイメージできないことですし、やはり家が大きいからというのはあるんだろうなと思いました。

さて、このゲームにも一応の最終目標みたいなものがあって、それが「城」の購入です。城。ストラテジーゲームでもないのに城です。さすがヨーロッパ、スケールが違いますな。あまりに高額で簡単に買えるものでもないのですが、一国一城の主を目指して、リフォームという名の下積みをこなしていきましょう。

リアルとフェイクのバランスがシミュレーターの肝

「House Flipper」の紹介でした。作業を淡々とこなす系のゲームが好きな方であれば、きっと楽しめるのではないでしょうか。

ボロボロの家が自分の手できれいになっていくさまを見届けるのはなんともうれしいものです。リアルでペンキ塗ったり壁破壊したりといった作業をするなら苦労もありますけど、ゲームならお手軽ですし。でもなんだかリフォーム業者になったかのような気分にもなれて、シミュレーターって不思議な魅力があるジャンルだなとつくづく思います。

とはいえシミュレーターならなんでも面白いかと言われるとそうでもなくて、プレイしてみて爽快感や達成感があるのはすごく大切な要素です。本作でもし、汚れを落とすためにモップで何十回もこすったり、ゴミを一つ一つ拾うような作業があったりしたら、きっと途中で放り投げていたことでしょう。かと言って、ワンクリックで色が変わったらそれはそれで萎えます。

ある程度のリアルさと、快適さを味わわせてくれるフェイク。それらがバランスよく存在しているとき、面白いシミュレーターゲームは誕生するのかもしれません。

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Posted by hiro