【レビュー】パチンコ台ローグライク「Ballionaire」。跳ね回るボール、膨れ上がるマネーの爽快感がすごい!
12月11日に発売を迎えたPCゲーム「Ballionaire」。パチンコ台を構築しながら高得点を目指すローグライクゲームで、Steamのユーザーレビューでは早速の高評価を獲得しています。
今年は個人的にかなり多くのデッキ構築ゲーム、あるいはローグライクゲームに触れてきた1年でしたが、このゲームと出会えたことでまだまだ可能性のあるジャンルだなと認識することができました。それではレビューです。
トリガーを刺す、玉を落とす、稼ぐ。
上納金を納めて勝利を目指そう
ゲームを起動すると、原色系のカラフルな色使いと独特の世界観に圧倒されます。すでにただならぬゲームの予感が漂いますね。
パチンコ台と難易度を選択してゲームスタート。まずは盤面に1つのトリガーを設置します。ボールを落とすと、トリガーやピンに当たりながら落ちていき、お金を獲得します。
下まで落ちてボールをロストすると、ランダムに表示された3つから新たなトリガーを1つ選んで設置しボールを落とす。これをステージごとに決められたボールのドロップ数がなくなるまで繰り返し、その時点で獲得金額が上納金を超えていれば先に進むことができます。
ゲームごとに、「守護者」「熟練者」「長老」の3人に3回の上納金を納め、すべてで納めることに成功すれば勝利です。
トリガーや恩恵のシナジーが大切
より多くのお金を獲得するのに重要なことは、トリガーの特性を理解してどう配置していくか、あるいは取捨選択の判断です。
トリガーにはさまざまなタイプがあり、単純にお金を獲得するものから、新たなボールを生み出したり、ボールを飲み込む代わりに獲得金額を増やしたりします。ムーバーと呼ばれるタイプのトリガーは、ボールを弾いたりワープさせたり、ボールの挙動に大きく影響します。
例えば「トマト」なら、近くにトマトを配置することで獲得金額にボーナスがかかりますし、「テレポーター」なら自身より上にあるテレポーターにボールを移動させます。
すべてを特性を把握するのは大変ですが、シナジーがあるトリガーの組み合わせはトリガー獲得時に教えてくれるので、初めのうちはそれを参考にして進めていくとよいでしょう。リロールで選び直すこともできます(回数制限あり)。
ゲーム開始時や上納金を納めるたびに、恩恵と呼ばれる効果を獲得します。これは常時発動するパッシブスキルで、盤面全体に効果を及ぼします。効果が高いものもあるので、トリガーとのシナジーを考慮して選びましょう。
一度設置したトリガーは、回数限定で取り除くことはできますが、再配置はできません。序盤からある程度計画的にトリガーを配置しないと、終盤で獲得金額が伸び悩むことになります。
スコアが伸びる快感
ボールが射出される方向はランダムで、狙ったとおり動いてくれることはほとんどありません。ただその挙動があるからこそ、決まった正解がない楽しさが生まれているように思います。
盤面の種類は、基本のピラミッドからスロット、釣り、円形、ピンボールの5種類。単に盤面の形が異なるのではなく、例えばスロットならドロップごとにリールが回ってランダムな効果が発生するなど、難しさもありつつその盤面ならではのコンボが起きたりするのが面白いところ。
難易度を上げると、ステージごとに「試練」という形でさまざまな制約が課されます。特に最高難易度は、どうやってクリアすればいいのか分からないほどの試練で、これはこれでゲーマーとしての血が騒ぎます。
トリガーの少ない序盤は運要素が大きいものの、ちゃんとシナジーが出るように組んでいくことで、後半に向けてどんどん獲得金額が伸びていくのは快感そのもの。訳が分からないほどたくさんのボールが盤面を飛び回る光景は、ぜひ一度見てほしいと思いました。
この感覚は、ポーカーローグライクゲームの「Balatro」をプレイしているときと似ています。「Ballionaire」のほうがよりランダム性が高い一方、ボールが跳ね回る視覚的な楽しさがあって、本作ならではの魅力を生み出しています。
開発者は、スロット台ローグライク「幸運の大家様」にインスピレーションを受けたと語っており、同作を楽しんだプレイヤーからもレビューなどで好評の声が寄せられています。
終わりに
現状では、クリア状況が分からなかったり、アンロックに必要なポイントがどんどん貯まる割に使い道がすぐなくなるといった、改善を期待したい部分もあります。
とはいえ、ゲームシステムや演出、デザインといった部分での完成度は高く、ハマったときの爽快感、繰り返しプレイしたくなる中毒性もお見事。
「Balatro」登場以降、多くの開発者が「ローグライク+〇〇」なゲームを模索する中で、パチンコ台と組み合わせてここまで仕上げた開発者の構想力は素晴らしいものがあると感じました。