【レビュー】「ツーポイントミュージアム」はヘンテコだが丁寧な、プレイしやすい経営シミュレーションゲーム
ほどよくリアリティを追求しつつも、どこかヘンテコな要素を持ち合わせた経営シミュレーションゲームの「ツーポイントシリーズ」。
これまでに病院、学校をテーマにした作品が発売されてきましたが、2025年3月に新たに発売されたのが、博物館をテーマにした「ツーポイントミュージアム」です。
PC(Steam)では先行リリース時点から高い評価を得ており、執筆時点では「圧倒的好評」を獲得しています。PC版のほか、Xbox SeriesX|Sで発売中で、PlayStation5版は4月17日発売です。
この記事では、10時間ほどプレイした時点でのレビューを掲載しています。
来場者やスタッフの満足度を上げて最高の博物館へ
「ツーポイントミュージアム」の開発はセガ子会社のツーポイントスタジオで、パブリッシングはセガが担当しています。
基本的な流れとしては、展示物や装飾品、さまざまな施設で博物館を充実させ、来場者の満足度を上げて収益を増やしながら、博物館としてのランクを高めていくことになります。
展示物は研究員などを探索に派遣して見つけ出します。派遣場所によって見つかるものは異なり、またそれぞれにレアリティが設定されているため、完璧を目指すなら何度も探索する必要があります。
博物館を運営するにはスタッフが必要です。展示物の管理や館内の清掃、チケット販売などなど。仕事をすることでスタッフのレベルは上がり、新たなスキルを研修で身につけてより働いてくれるようになります。その分、要求する給料は上がりますが…
来場者やスタッフの満足度をしっかりコントロールしつつ、展示物を質・量の両面から充実させてよりよい博物館を目指します。
最初は化石などの先史時代から始まり、ミッションに従ってある程度進むと、海や幽霊などテーマの異なる博物館づくりを進めることになります。
ヘンテコなのに正統派な経営シミュレーション
丁寧なUI・ゲーム進行
シミュレーションゲームは、メニューを開いて設置して情報を確認してみたいな時間が多くなる分、それらをなるべくスムーズにこなすための明快なUIが求められます。
「ツーポイントミュージアム」は、さまざまなメニューにアクセスしやすく作られており、施設や展示物、装飾のコピーや移動、削除などが手軽で分かりやすく感じました。初見のシミュレーションゲームなのにここまで戸惑いなくプレイできたのは、ほとんど記憶にありません。
やるべきことは常に表示されており、特に序盤はかなり丁寧に進んでいくので、そのとおりやればゲームの流れは理解できます。翻訳も丁寧で、海外産シミュレーションゲームでありがちな、指示の通りやってもクリアにならないということはありません。
やりごたえも十分
丁寧と言ってもガチガチに制限されているということはなく、序盤を過ぎると十分な自由度も出てきますので、このジャンルをやり慣れている人も楽しめるでしょう。
序盤は金銭的援助もありつまづきにくく、そこから博物館のランクが上がってくると、援助がなくなったり泥棒が現れたり、その他イベントも発生したり。乗り越えるべき課題が増えて、どんどんやりごたえが出てきます。
上でも言及しましたが、展示物にレアリティがあるとなると、人によってはやはり、最高レアリティで揃えたいという欲望も出てしまうのではないでしょうか。
ヘンテコだがそれだけじゃない遊びやすさ
「ツーポイントミュージアム」は、テーマとしては「ヘンテコ博物館づくり」であり、展示物や来場者の動きなどを見ているとツーポイント作品らしさが現れています。展示物に普通に乗りかかったりしているのは、さすがに驚きますが。
そんなコミカルな側面もありつつ、システムやゲームの流れは正統派の経営シミュレーションゲームそのもので、奇をてらうことなく誠実に作られている印象を受けました。
他作品を例に出すと、カイロソフトのシミュレーションゲームをプレイした人が、次にもう少し本格的なものを遊んでみたいなと思ったときにおすすめしたい作品と言えます。
終わりに
「ツーポイントミュージアム」のレビューでした。まだまだプレイ途中ですが、久々にちゃんと経営シミュレーションゲームを遊んでいるなという感じになっています。
デッキ構築ゲームなどの、30分くらいでもサクッと楽しめるゲームにも良さはありつつ、こうやって止め時が分からず、あっという間に時間が溶けていいくゲームもいいものです。
なお、日本語音声は4月12日のアップデートで追加されます。ゲーム中に挟まるラジオ部分やナレーションなので進行に支障はありませんが、せっかくですから追加を待ってからプレイしてもよいでしょう。