【レビュー】生態系パズルゲーム「PRESERVE : 自然の守護者」。頭を悩ませるのもよし、雰囲気を楽しむのもよし
5月15日に日本語対応で正式リリースされたパズルゲーム「PRESERVE : 自然の守護者」。PC(Steam)のほか、Nintendo SwitchやPlayStation、Xboxでも発売されています。
自然をテーマにした本作は、全体的な雰囲気から「チル系のパズルゲーム」の一種と言えますが、実際にプレイしてみると、しっかりパズルをさせてくれる作品でした。
その一方で、パズルなしに自由な生態系の構築を楽しめるモードもあり、本作の雰囲気が気に入っただけの人でも十分に楽しめる設計になっています。それでは、レビューをどうぞ。
植物や動物を配置して生態系を作り上げる
「PRESERVE : 自然の守護者」の基本的な遊び方「クラシックモード」を紹介します。
4つのバイオームから一つを選んでスタート。バイオームごとにルールにも微妙な違いがあります。今回は最初の「大陸バイオーム」でプレイします。他のバイオームは、一度プレイしたところで開放されました。
ゲームを開始すると、六角形のタイルが敷き詰められたフィールドが出現します。タイルには高さが設定されています。
手元にはカードがあります。このカードを使ってタイルに変化を与え、ポイントを稼いでいくのが基本的な流れとなります。
植物のカードを使うには、まずタイルを湿った状態にする必要があります。雨を降らせるカードを使いましょう。
タイルが湿って緑になると、木、花畑や草原といった環境カードを使えるようになります。同じ環境を3つ以上並べると、「生息地」になり、その環境に対応した動物が住めるようになります。生息地が6、12と広がるごとに、住める動物の数も増えていきます。
環境は高さ、動物は高さと生息地によって置けるかどうかが決まります。水がなくても置ける「岩」のような環境カードもあります。
カードを配置するごとにポイントが加算されます。同じ生息地に同じ動物を3匹配置すると10ポイント、違う動物3種なら60ポイントといった具合に、より多くのポイントを稼げる配置を考えていきます。
ある程度のポイントを貯めると、新たなフィールドを追加できたり、カードが手に入ったりします。フィールドやカードの配置を工夫し、ポイントを稼ぎながら生態系を作り上げていきましょう。
「PRESERVE : 自然の守護者」おすすめポイント
チルだが高ポイント狙いなら頭を使う
ポイントを追求しないのであれば、どんどん広がっていく自然、そこに住まう動物たちを眺めつつ、心地よいサウンドとビジュアルに癒やされるチル系ゲームとして楽しめるのは本作の魅力のひとつです。
ただし、最上位のランクに相当するポイントを獲得しようと思うと、途端にパネルやカードの配置に頭を悩ませるパズルゲームに化けるのもまた、本作の魅力なのです。
広げられるフィールド、手持ちカードには制限があります。カードを適当に配置していると、終盤で1マスだけ孤立して生息地にできないパネルが出てきたりして、ポイント的に大きなロスになります。高さなどの制約も厄介なところ。
限られた再配置カードも有効に使いつつ、この後にどんなカードが出てくるのかも考えながら序盤から歩みを進めていくのは、なかなか楽しい作業でした。効果をじっくり確認できる「図鑑」も用意されていますので、こちらも活用しましょう。
とはいえ、まったく自由がないかと言われるとそういうわけでもないので、ある程度自分のこだわりをもって生態系を作り上げていき、完成したものを眺める癒やしのひとときもよいものでした。
最初に選ぶバイオームによっても、考えるべきことや出来上がる生態系がガラッと変わってくるので、よい気分転換になります。
パズル特化モードやクリエイティブモードもある
基本的な遊び方ができるクラシックモードのほか、パズルモードも用意されています。
パズルモードでは、フィールドやカードが新たに追加されることはなく、最初に与えられた状況のみで目標スコアの達成を目指します。
クラシックモード以上にシビアな、一手のミスも許されない問題がたくさん用意されていますので、そういうのが好みの人はこちらがおすすめです。
逆に、「パズルとかいらないから好きなように生態系作らせて」という人向けなのが、カードを自由に配置できるクリエイティブモードです。
こちらは本当にスコアやルールを無視してカードを配置できますので、まさに雰囲気を楽しみたい人向けのモードとなっています。
まとめ
「PRESERVE : 自然の守護者」のレビューでした。
チル系の雰囲気を持ちつつも、パズルゲームとしても結構しっかりした出来栄えで、遊んでいて楽しいゲームでした。
同ジャンルでは圧倒的高評価ゲームの「Dorfromantik」がありますが、タイルにカードを使う点や高低差の概念など異なる要素も多く、しっかり違うものとして遊ぶことができました。
個人的には、まったり過ごしたい夜にプレイしたくなるゲームのひとつに加わりそうです。