「サカつく2025」は無料で遊べるゲーム機版ライクな「サカつくモード」も搭載。現時点の情報整理と個人的な期待値
セガは、2025年5月31日放送の「サカつくSHOWCASE」において、「プロサッカークラブをつくろう!2025(サカつく2025)」を発表しました。
対応プラットフォームは、PlayStation、PC、スマートフォンです。クロスプレイやクロスセーブにも対応予定です。
サカつく最新作に期待する声も一定数ありつつも、多くのファンが引っかかったのはやはり、「基本プレイ無料」の部分です。
この記事では、ゲーム機版的な遊び方ができるという「サカつくモード」の内容紹介と、個人的な期待値をお話します。なお、筆者のサカつくプレイ歴は、初代を含め数百時間です。
サカつく2025について分かっていること
サカつくモードは無料で完結
「サカつく2025」には、サカつくモードとドリームチームモードが用意されています。
ドリームチームは、ガチャをガンガン引いてチームを作っていくモードです。選手カードとトレーニングカードの2種類がガチャの対象です。他のプレイヤーやCPUと対戦する要素もあります。
サカつくモードでガチャで引いた選手カードを鍛え、それをドリームモードに戻して対戦を楽しむというサイクルが検討されているようです。
サカつくモードに関しては、これまでの家庭用ゲーム機版をベースにしており、ガチャ要素はありません。ただし、1シーズンにつき2名、ドリームチームモードのガチャで引いた選手を使用できます。
とはいえ、ガチャで引いたカードの選手のほうが少し強く設定されていたり、トレーニングカードを使うと特別な能力が付与されたりと、このあたりはしっかり「Pay to Win」になっています。
なお、サカつくモードに制限時間やスタミナといった、ソシャゲでよく見かけるようなシステムはありません。好きなタイミングで好きなだけ遊ぶことができます。
ライセンスは多い。経営はかなり簡素化
チーム経営では、ライセンスを取得したチーム、またはオリジナルチームでプレイ可能です。
ライセンスは、Jリーグ60クラブの1,600名のほか、FIFPROやKリーグなど世界のリーグと契約し、10,000人を超える実名選手が登場します。また、マンチェスター・シティはクラブ単位で公式ライセンスを獲得しています。
ホームタウンは国内のほか、各地域から選択可能です。ヨーロッパは、監督として成長したところで移籍可能となり、オリジナルクラブを作れるようになります。
クラブ経営に関しては、初心者を意識してシンプルに設計されているとのこと。サポーターを増やしたり、資金を獲得したりといった要素は、投資コマンドに集約されています。


サカつくSHOWCASE映像
サカつくモードへの期待値低めな3つの理由
ではサカつくモードに期待していいかと言われると、過去の家庭用ゲーム機版レベルを求めているなら、あまり期待せずに見守るのが良いのではないかというのが私の見解です。理由を3つに分けてお話しましょう。
基本無料である
理由の1つ目は、そもそも無料で家庭用ゲーム機レベルのものを遊ばせてくれるわけがないだろうということ。これに関しては、セガさんにいい意味で期待を裏切ってもらえればありがたいのですが。
チーフプロデューサーの久井氏は、「基本プレイ無料+ガチャにアレルギーがあることは想定している。」と語っています。この発言が出ること自体は割と驚きではあるものの、一方で「ガチャがあることで楽しくなる」との発言もあり、そうじゃないんだよと思ってしまう部分でした。
【関連記事】サカつく最新作「プロサッカークラブをつくろう!2025」発表会レポート。開発者インタビューでは,F2Pスタイルや課金要素にも言及(4Gamers)
スマホも含めたクロスプレイである
理由の2つ目は、対応プラットフォームにスマートフォンが入っていること。本作はクロスプレイやクロスセーブにも対応しているとのことですので、スマホ版とPC・ゲーム機版はまったく同じ。スマホ版で快適に遊べるレベルでしか作られないということです。
現時点でゲーム内容に関して推測するには情報が少ないのですが、公開された部分から判断するに、全体的にメニューがあまりにシンプルすぎるように見えます。さまざまな要素を薄く網羅しているだけなのではないかという懸念が残ります。
実際、経営部分でホームタウンのマネージメントがなく、投資コマンドに集約されていることが明らかになるなど、さまざまな面でシステムが簡略化されている可能性が高まっています。それはもう、サカつくの皮を被った別ゲーでは?と思ってしまいますが…
個人的には、シミュレーションゲームの醍醐味って大量の文字や数字を見比べて頭を悩ませるところだと思っているので、初心者に迎合した結果、本来の面白みが失われてしまう事態だけは避けてほしいです。
フットボールマネージャーとの競合
理由の3つ目は、本格的なものにしすぎると、自社の別タイトル「Football Manager(フットボールマネージャー)」と競合する可能性があること。
フットボールマネージャーは、セガ傘下のスタジオ「スポーツインタラクティブ」によって開発されている作品で、育成や試合、選手スカウトなどの本格的なシミュレーション要素が人気を博しています。
実際今作では、タイトルロゴに「Powerd by FOOTBALL MANAGER」とある通り、フットボールマネージャーから選手データの面で協力を受けていることが明らかになっています。
エンジン移行にてこずったことで「フットボールマネージャー25」は開発が中止されていますが、基本的には毎年発売されています。
2006年にスポーツインタラクティブを買収した後は、一定期間は両作品が並走していましたが、サカつくは国内中心、フットボールマネージャーは欧州中心という形で棲み分けがなされていました。
ただし、「フットボールマネージャー2024」からは公式に日本語対応が行われ、ゲーム機版のサカつくが長期間発売されない中で、国内でもフットボールマネージャーをしっかり展開していこうという姿勢が明確になっています。
そんな中で、基本無料のサカつくをどこまで作り込むかと考えると、あまり期待しないほうがいいかなと思ってしまいます。
終わりに
事前に告知をしたうえでの情報公開ということで、かなり期待が高まっていた今回の発表でしたが、初動としては「そういうことじゃない」という反応が多くなりました。私も含めて。
ただこの評価は、サカつくモードの出来栄え次第で変わるものでしょう。不安多めのスタートながら、「ゲーム機時代の体験をベースに」という言葉を10%ぐらい信じて、サカつく2025の今後を見守っていこうと思います。
このブログで攻略記事を書けるぐらい夢中になれる作品だといいな。なんだかんだ、シリーズ単位で言えば一番プレイしたシミュレーションゲームですので。