【レビュー】「STARIO:バベルの塔」はシビアすぎない街作りシム。空へと成長していく街を見るのが楽しい
9月26日に早期アクセスでリリースされた「STARIO:バベルの塔」。塔を高く積み上げながら一つの街として発展させていく、垂直高層都市建築シミュレーションです。
この記事では、「STARIO:バベルの塔」を20時間ほどプレイしたところで感じたことをまとめていきます。プレイしたのは通常難易度です。
のんびり楽しめる街作りシム
横に広がらない街作り
一般的な街づくり系のシミュレーションゲームは、まず横方向に広がっていくのが基本です。部分的に高層建築がある場合もありますが、それでも基本は横です。
「STARIO:バベルの塔」は、塔がモチーフになっているところからも分かるように、縦方向に発展されていくのが基本。中央の「塔身」を中心に、その周りに住居や畑、加工場などを建設していきます。
施設の建設には安定性の概念があり、横方向に建設できる施設は限られています。それゆえ、人口を増やして街を発展させるには、塔を高くしていくしかないのです。
輸送網の効率化
このゲームでは、同じ階層では資源が共有されていますが、違う階層で使うには輸送する必要があります。基本的には、施設で働いていない住民たちが「ポーター」となって運び屋をやるわけですが、これはどうしても時間がかかります。
住民の適切な配置はもちろんのこと、ポーターを使うにしてもなるべく近い範囲の移動で済むような施設配置が、効率的な発展の鍵となります。技術の研究でパイプや気球などが使えるようになると、資源の運搬も一気にはかどります。
塔身はそれぞれ特性があり、水や作物、加工物などの産出量にボーナスがかかります。輸送がある程度効率的にできるようになれば、得意分野に特化した施設を固めるのが基本になっていくでしょう。
試練もプラスに変える
塔の高さによって世界が変わり、その世界ごとの天災が定期的に襲いかかってきます。砂嵐や暴風雪、大雨など。施設が壊れたり、人々の士気が下がったりと、耐える時間が続きます。
とはいえ、天災はマイナスばかりではありません。天災の後には砂塵や水などの資源が塔に残されていきますし、試練を乗り越えたことで人々の士気が上がるため、さらなる発展を促すきっかけにすらなります。
まずは水と食料、世界ごとに異なる要求物さえ用意しておけば、最低限の生活は成り立ちます。縦方向への街作りと言われると難しく感じるかもしれませんが、少なくとも通常難易度でプレイする範囲内では、リラックスした雰囲気で楽しめる作品です。最悪、どんなに遠くてもポーターが運んでくれますしね。
塔が高くなっていくにつれ、外では輸送用の気球が、中ではポーターが階段を登り降りする様子など、人々の営みを感じることができます。効率化を追求しつつも、そういった様子をのんびり眺める時間も本作の良さなのだろうと思いました。
終わりに
「STARIO:バベルの塔」は早期アクセス中ですが、メインストーリーや技術ツリーなど、基本的な部分はすでに完成しています。日本語翻訳もほぼ問題なく、バグなども順次修正されており、快適にプレイすることができています。
ゆったりとしたシミュレーションゲームを楽しみたい、でもなんの制限もないのは面白くないという人におすすめできそうな作品です。縦方向への街作りというのも面白い体験なので、それを味わってみたい人もぜひどうぞ。