キュレーションメディアが批判されがちだけど、引用メディアの元祖はJ-CASTだよね
WELQ問題に端を発し、日々延焼を続けるキュレーションメディア界隈ですが、ある種インターネット時代の新メディアとも言える「J-CAST」的なメディアも忘れてはいけません。
テンプレートを作ったJ-CAST
私の定義するJ-CAST的メディアとは、
- 他メディアの記事、あるいはテレビ、雑誌などから引用
- それに対するネットコメントをピックアップ
この2点が記事の大半を占め、独自の記述がほとんどないメディアのことを指します。それに刺激的な見出しをつけることでSNSを中心に拡散され、元記事よりも広がってしまっているケースはもはや見慣れた光景ですね。
こういったメディアで問題なのは、見出しとピックアップするコメント次第で、元記事の意図とはまったく違うものが仕上がってしまう可能性がある点です。メディアによっては、元記事を歪める悪意ある引用をしているところもありますね。
また、こういうメディアに掲載される「ネットの声」が本当に存在するのかという疑問もあります。極端な話、執筆者がでっち上げることだって可能でしょうね。(新聞などに掲載される「街の声」にも同じ問題はありますが。)ほんとうに便利な言葉です。
あまり知られていない、Twitterの引用ルール
例えばTwitterでは、引用に関して以下のようなルールがあります。
ユーザーは、本サービスまたは本サービス上のコンテンツの複製、修正、これに基づいた二次的著作物の作成、配信、販売、移転、公の展示、公の実演、送信、または他の形での使用を望む場合には、Twitterサービス、本規約またはdev.twitter.comに定める条件により認められる場合を除いて、当社が提供するインターフェースおよび手順を使用しなければなりません。(サービス利用規約)
「当社が提供するインターフェースおよび手順」とは、分かりやすく言うとこうやって引用することを指します。
もうね、流行語大賞にあれこれ言っても無駄だよね。
— hiro (@talegames) December 1, 2016
そして、
ツイッター上では
「もうね、流行語大賞にあれこれ言っても無駄だよね。」
などといった厳しい声が上がった
こういう引用方法は手順外であり規約的にアウトとされています。これ普通に見かけますよね。でもアウトなんですよ。
広がり続けるJ-CAST的メディア
J-CASTだけで収まっているうちはまだよかったのですが、最近ではJ-CASTテンプレートメディアとでも言うべき媒体が本当に増えてきている印象があります。
オリジナリティのある文章を書くにはある程度の腕が必要ですが、引用&引用ならそれは不要。こうしてネットは駄文で溢れていくのです。
もっと第一次ソースが大切にされる工夫が必要なのではないかと思います。Googleの検索順位もそうですが、各種ニュースアプリでも、J-CASTではなく元記事が目立つようなアルゴリズムの改善を望みたいところです。
それにしても、J-CASTがWELQのモラルについてあれこれ言うとは、偉くなったもんです・・・