【レビュー】「shapez 2」はパズル好きのための工場自動化ゲーム。ライン構築が楽しくなるこだわりが随所に見られる名作!
「Factorio」の登場以降、シミュレーションゲームにおける工場自動化は、大きな成長を遂げたジャンルの一つと言えるのではないでしょうか。
一定程度面白い作品は定期的にリリースされているのですが、プレイするたびに「あれ、この流れどこかで…」となってしまい、最近は以前ほど夢中になれていないことが多くなってきました。
ただ、そんな中で他にはない色を出してきている工場自動化ゲームが「shapez 2」です。シリーズ2作目で2024年8月に早期アクセスがスタートしたのですが、ひと目でわかる独自性で、強い存在感を示しています。
この記事では、「shapez 2」のチュートリアル部分を3時間ほどプレイした時点でのゲーム内容や感想をまとめています。
シンプルながら美しい、パズル&工場自動化ゲーム
部品ではなく図形を加工
一般的な工場自動化ゲームでは、採掘した鉄鉱石を鉄インゴットに精錬し、それをネジや鉄板に加工しみたいな流れが定番です。ゲームの進行とともに銅や石、石炭といった鉱物を入手し、さまざまな製品を組み立てていきますね。
しかしこの「shapez 2」で組み立てるのは図形。次々と湧き出てくる丸や四角といった図形には4分割可能な切れ目が入っており、切ったり重ねたり色を塗ったりして指定された形に加工し、「渦」の中に納品していきます。
この渦がなんなのか、そしてなんのために図形を加工しているのか、少なくともチュートリアル段階で明かされることはありませんでした。
徹底したストレスフリー仕様
資源(図形)に限りはなく、一定間隔で湧き出てきます。電力や機械製造コストといった概念もないため、思いのままにライン構築を進められるのが本作の魅力です。敵も出ません。
コンベアをドラックで伸ばせば自動的に複数の機械に接続されますし、ラインごとコピペして使い回したり、不要になったら範囲指定でまるっと削除もできます。
工場自動化のジャンルではあるものの、リソース管理の手間がいらないことや、図形をどういう順番で加工して重ねるかみたいな部分を考える時間が多く、どちらかといえばパズル的な要素が強い作品と言えます。
工場ゲームにおいて、ライン構築や効率化の模索自体がパズルを解いているときの感覚と非常に似ていますので、両者はもともと親和性の高いジャンルだと言えます。戦闘要素を入れるか、冒険要素を入れるかなどがまさに作品の個性が出る部分なのでしょう。
もちろん、工場自動化ゲームに求めるものは人それぞれ。リソース管理こそ楽しいという面は大いにありますので、ここがはまれるかどうかのポイントになってくるかなと思います。
ビジュアルの美しさ
そして印象的なのがグラフィックで、前作の2Dから3Dになったこともあり、美しく加工した図形たちが、整然としたラインを流れていくのは見ていて気持ちいいいものです。作ったものが滞りなく流れていくさまを眺める時間は、工場ゲーにとって重要な要素だとは思いませんか?
この機械を通すとどんな図形ができるのか、コンベアがつながっていないときの注意、納品状況などさまざまな情報がビジュアル化されており、開発者のこだわりをうかがい知ることができます。
効率化のための作業が楽しい
メインミッションとは別に、指定した図形を納品するサブミッションをこなすことで研究ポイントがもらえ、機械をグレードアップしたり、新しい機械を導入できるようになったりします。
研究を進めなかったとしても、おそらくメインミッションの進行には影響しないのですが、基本的にはラインがより効率のよいものになっていくので、組み替える大変さはありつつも新たなモチベーションに繋がります。
こういうゲームをプレイする人っておそらく、効率化をするために面倒くさい作業をすることを厭わない人が多いのではないかと思っています。私もそうですけど。
このゲームは、納品する図形に応じてどんどんラインを組み替えていく必要があって、そのスピードは他の工場ゲームよりもかなり早いテンポで進んでいきます。とはいえ、先ほど紹介したように作ったり壊したりが簡単なシステムになっていますので、そのあたりのストレスはほとんどありません。
数時間のチュートリアルを終えたらいよいよ本番。そのまま引き継いでプレイすることもできますし、1からスタートすることもできます。ラインを構築できる範囲は大きく広がり、いよいよ図形工場が本格的に始動していきます、
正式リリースは2025年春以降の見込み
Steam上の記載によると、「shapez 2」は早期アクセス中で、正式リリースに向けてさらなるアップデートが予定されています。
早期アクセス期間は最低6か月を予定しているとのことですので、正式リリースは2025年の春以降という感じになるでしょう。
正式リリースのタイミングでは値上げを予定しているようですので、すぐプレイするかどうかは別として、気になるなら今のうちに購入しておいてもよいでしょう。
まとめ
「shapez 2」は工場自動化の要素を持ちつつ、リソースが無限であることや、手順を考える時間が多くなる特徴から、パズルゲームの色合いがより濃い作品と言えます。
その点では、リソース管理が好きな工場ゲームプレイヤーには刺さらない可能性がありますが、逆にパズルゲーム好きが夢中になれて、これをきっかけに工場自動化の面白さに気づけるポテンシャルがあると思っています。
今一番の悩みは、「shapez 2」を正式リリースまでにどこまで進めるか。早期リリースの段階でやりすぎてしまって、正式リリース時に熱を保てていなかった経験は多々ありますので、程よいところで切り上げたいのですが…