e-sportsの賞金規制も気になるけど、そもそもガチャが絡むe-sportsはありなのか

2019年8月5日

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ゲームの実力を極限まで競ったものとして「e-sports」(賞金制ゲーム大会)があります。以前はストリートファイターなどアーケードゲームを中心に行われてきたゲーム大会ですが、最近ではスマホアプリでの参加も目立ちます。

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スマホゲーでも増えるe-sports

スマホゲームがゲーム市場で存在感を高める中で、e-sportsの世界に参入してくるのも自然な流れではあります。

例えば日本のAppstore売り上げランキング1位の「モンスターストライク(モンスト)」では、ステージを攻略するタイムを競うチームバトル形式で大会が行われます。優勝賞金はなんと2000万。4人チームとはいえすごいですねえ・・・
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で、モンストの大会規約を読むと、「自分の端末のデータを大会側で用意した端末に同期して戦う」という内容を示す一文があります。

つまり、大会にあたって各プレイヤーに与えられている条件は平等ではなく、「大会に勝ちたければ、日常プレイでしっかり課金して適正キャラクターを集めなさい(pay-to-win)」ということなんですよね。

あくまで個人的な見解ですが、ガチャの結果が大会の結果を左右するのはどうなのかと思うわけです。例えば大会をやるにしても、使用モンスターを固定することで対等な条件で戦うことができるはずです。なんでそれをやらないんでしょうか?

モンストをe-sportsとして育てるというのは建前で、結局はガチャを引かせるためのツールとしか考えていないのではと思ってしまいます。
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先日4gamerさんで、「ガチャでない」スマホゲームとして大会も開催しているVaingloryの関係者へのインタビューをもとに、そうしたあり方に苦言を呈す記事が掲載されました。

[TGS 2016]e-Sportsの文化はスマホでも拡大している? 「Vainglory」開発会社のCEO,Bo Daly氏にインタビュー(4gamer)

そしてこのモンストの大会が、日本におけるe-sportsの推進役を担う「e-sports促進機構」のもとで行われるというのも、とてつもない違和感を感じるのです。なんか違うよなあと感じるのは、私だけではないでしょう。

e-sportsに賞金規制の流れ?

さらに追い打ちをかけているのが消費者庁の見解です。カジノ専門家として著名な木曽崇さんの問い合わせに対して答えたところによると、

有料プレイヤーが有利になるようなタイプの大会においては、最高賞金額が10万円に制限される可能性が高い(第三者スポンサーが主催する場合を除く)

とのこと。より詳細な内容については木曽さんのブログを呼んでいただければと思うのですが(総括:賞金制ゲーム大会を巡る法的論争)、ツイッターではこのようにまとめていらっしゃいます。

家庭用ゲーム機のタイトルまで規制の対象になりかねないのは驚きですが、基本無料のガチャ課金モデルはもともと世間の風当たりが強いこともあり、さらなる逆風にさらされることになりそうですね。

そういえば、パズドラの大会でもらえる商品は、限定盤3DSとか低額な商品でした。前は「稼いでるくせにせこいな」とか思っていましたが、今思えばガンホーはこのへんを熟知していたということなのでしょうかね。

まあパズドラの場合は本編とは独立したアプリを使用していますから、モンストとは大きな違いがあるのですが。

それにしても、モンストというアプリは常に逆風に晒されている印象があります。

  • イベントで熱中症騒ぎ。メディアにも大きく取り上げられる
  • リワード広告が問題視されAppStoreから一時排除
  • 中の人のガチャ優遇疑惑
  • 高額賞金大会に法令違反の可能性が持ち上がる

上記はごく一部ですが、それでも売上トップを守る商売を構築しているのは、会員制SNSで一時代を築いたmixiのたくましさでしょうか。

なお、モンストリワードの共犯とも言えるAppBankは、億単位の収益が吹っ飛ぶダメージを受けたみたいですけどね。公式イベントなどでAppBankの人たちを厚遇するのはその罪滅ぼしなのかと思ったり、思わなかったり。

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【最後に】e-sports発展のために

盛り上がるe-sports市場ですが、ガチャの影響が強いのスマホゲームの大会をe-sportsと呼ぶべきなのか、しっかり議論したほうがよいのではないでしょうか。

また、今回は触れませんでしたが、世界的なゲーム大会「EVO」の日本版である「EVO JAPAN」計画が進行中です。日本でe-sportsがどう育っていくのか、しっかり見守っていきたいと思います。