なぜ人は格安でライターを受けてしまうのか。経験者が語る問題点。

2019年5月3日

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ようやく落ち着きを取り戻しつつあるWELQ炎上閉鎖騒動。引用パクリ意外に大きくクローズアップされたのが、クラウドワーキングサイトを利用して格安でライターを募集していたことです。

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格安ライターから離れられない理由が理解されていない

文字単価が0.5円という低単価で健康情報を書かせていたということで、メディア運営会社に非難が集まっていますが、中には「なんでこんな低単価で案件を請け負ってしまうのか」と、ライターに対する疑問も多く寄せられていました。

確かに、その指摘はもっともです。文字単価0.5円、あるいはそれ以下などという案件は、ライターの価値、文章の価値を低く見積もりすぎています。

ですが、なぜ格安ライターが量産されてしまうのかを正しく理解していない論調ばかりで残念に思いました。結局、当事者でない、なろうとしたことがないから、批判が上辺だけなんですよね。

まともなクライアントを探せと言うけど

まずは、「文章の価値は高い。もっとまともな金額を出してくれるクライアントを探せ」という意見。

これは、一見正論のようで、ただし人によっては非常にハードルが高いものと言えます。CrowdworksやLancersなど、クラウドワーキングのサイトを覗いてみてください。

WELQ騒動以降多少マシにはなっていますが、それでも文字単価1円未満なんていう案件がほとんどです。数少ない1円以上案件を奪い合っているのが現状であり、おそらくその枠は特定のライターで独占されています。

これらサイト以外ではどうでしょうか。クラウドワーキングサイトを介さずにライター募集をしているサイトもあるにはありますが、専門性が要求される、出勤必須(そのほとんどが東京都内)など条件が厳しく、実績のないライターには厳しいのが現状です。

ライターの仕事はしてみたいけど、高単価の案件は弾かれてしまう。そんな人達が、格安案件に流れているのです。格安案件は求められる文章力が高くなく、また要求も厳しくないことが多いため、多少安くてもそこに居ついてしまうのでしょうね。

そんな環境ですから、文章力を向上されることも難しく、ステップアップにも繋がりにくいのだと思います。

バイトのほうが高い?そんなことは知ってる!

続いて。「こんな単価で働くくらいならバイトのほうがまだ稼げるだろう」と言う意見。数字だけならそうですが、これはライターさんが置かれている現状を理解していないなあと言わざるを得ません。

バイトができるような状況なら、こんな格安単価を請け負うわけがないんですよね。子育て中の主婦を、1時間単位で雇ってくれるバイトなんてあるでしょうか?それ以外にも、例えば学生であったり、あるいは離職中の人であったり。さまざまな事情で、外で働くには大きな問題を抱えている人がたくさんいるのです。

そういう人たちの状況を慮ることが大切ですし、だからこそそういう人たちを食い物にしているところが許せないんですよね。

働き方をいい方向に変えてほしい

ありがたいことに、私自身は昔から文章力がある程度評価されてきました。現在も文字単価が1円をはるかに下回るような案件は受けていません。

ライターという仕事に興味をもったとき、ほとんどの人が最初に行き着くのがクラウドワーキングサイトでしょう。単価の安さもあいまって「現代版内職」とも表現できますが、こういったサイトが「働き方を変える」などど大層なことを言ってるのは本当におかしなことです。だって昔からある内職と変わらないのですから。

クラウドワーキングサイトが、一部の優れたスキルを持つ人達だけのものではなく、収入を得ながらスキルアップできる場として機能してほしいなあと願ってやみません。

そして、今日も文字単価0.2円とかなめた条件で依頼してきたそこのクライアント。さっさと退場してくださいね。