王道RPGとかいう、ソシャゲで乱用されすぎて飽きたフレーズ
ソシャゲの定番フレーズと言えば、「無料で最後までプレイできる」「単純ながら奥深い」「豪華声優陣」などありますが、そんな錚々たるラインナップの中でも乱用されまくっているフレーズが、「王道RPG」ではないでしょうか。
ソシャゲと王道RPGは両立しないのでは
そもそも王道RPGとはなんでしょうか。話を日本に限れば、「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」がそれに当たるでしょう。世界を滅ぼしかねない凶悪な敵に立ち向かうため、幾多の試練を乗り越えて強くなってボスを倒し、世界を平和に導く。ざっくり言えばこんな感じです。そこにしっかりストーリーがあることが王道RPGの第一条件となるでしょう。
ただし、それだけで王道RPGの条件を満たしているとは思いません。一時間なり二時間なりじっくり腰を据えて、キャラクターを強化しながら先へと進んでいく。それが王道RPGの重要な条件になると思うのです。
だからこそ、数分単位で細切れになるような、あるいはガチャで手っ取り早く強くなれてしまうソシャゲのRPGに、王道RPGという表現は似つかわしくないと考えています。
それはそれでソシャゲのやり方ですし、魅力を感じる人も多いでしょう。それを否定する気はないのですが、別に王道RPGという言葉を使う必要はないと思うのです。
王道RPGは無個性の象徴に
おそらく多くのメーカーは、「ユーザーを集められるフレーズ」だと思って王道RPGと称しているのでしょう。ただし多くのユーザーは、「スマホ 基本無料 王道RPG」というフレーズを聞けば、「ああ、だいたいこういう感じね」という像ができてしまっているのではないでしょうか。
王道RPGは、明確な定義のある言葉ではありません。ですから、だれがどう使おうと自由です。ただし、自分たちのゲームを表現するときに、このありふれたフレーズしか使えないっていうのは相当やばいなと思うのです。現状では、「他に特徴が思い当たらないから使う言葉」になってしまっているような気がします。
パズドラならパズル、モンストならマルチ、白猫ならスタミナフリーの協力プレイと、ヒットしたタイトルにはこれという特徴があります。そういうものを打ち出さないと、すでに飽和し始めているスマホアプリの世界では勝負にならないのではないでしょうか。
ストーリーは雰囲気は「どこかで見たことある」でも構いませんが、ゲームシステムまで「どこかで見たことある」では、まずやる気は起こりませんからね。新しい軸を見つけていかないと、いよいよソシャゲ限界説が語られる一年になりかねません。