ソシャゲはなぜやめられないのか。あなたの心理に影響を及ぼす「コンコルド効果」とは。

2023年8月22日

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最初に誤解がないように書いておくと、そのソシャゲを楽しくプレイできているのであれば、何時間使おうがいくら使おうがそれは別に問題ないと思います。生活が破綻しない程度であれば。

今回のお話は、あくまで「飽きたソシャゲをやめられない理由とその対策」です。

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ソシャゲはやめづらい?

最近はゲーム機のゲームではなく、スマホでソシャゲが中心になっている人も多いようです。スマホゲームも多様化してきましたが、特に日本では依然として、ガチャ課金タイプのソシャゲのシェアが高いですよね。

ゲームは基本的に、「楽しいから続ける」「やりたいから遊ぶ」もので、飽きたらやめるのが普通です。しかしこれがソシャゲとなると、「本心ではそこまで楽しさを感じていないのに、なぜか続けてしまう」ということがあります。

その理由は人それぞれですが、

  • つい続けてしまう仕掛け。
  • フレンドに申し訳ない。
  • これまでに使った時間やお金がもったいない。

などが考えられるでしょうか。それぞれについて解説します。

理由1:つい続けてしまう仕掛け

「つい続けてしまう仕掛け」に関しては、意図的にそういう作りにしているのでしょう。長期にわたってプレイヤーをつなぎとめることで、お金をたくさん落としてもらわないといけないので。

ソシャゲはゲーム機と違い、明確なエンディングがない場合が多いですよね。「ここで終わりだよ」というポイントを作ってしまえば、そこでプレイヤーが離脱してしまうからです。

ストーリーがあったとしても、イベントで派生ストーリーを展開したりして、プレイヤーを飽きさせないような工夫をしています。

理由2:フレンドに申し訳ない

ソシャゲにおけるフレンドもいろいろあって、マルチプレイで一緒に遊ぶものもあれば、キャラクターだけ借りるみたいなものもあります。

多くのケースにおいてマルチプレイは報酬が優遇されていますので、積極的にフレンド作りをするプレイヤーも少なくないと思います。

誰かと一緒に遊ぶのは楽しさを感じる一方で、飽きというのはいつかくるものです。しかし一緒にプレイする仲間にそれを言い出すのは気まずいので、ダラダラと続けてしまうこともあるのではないでしょうか。

ゲーム内のフレンドだけに限らず、リアルフレンドだったり、SNSだったりで「共通の趣味」としてつながっていたりすると、余計に「飽きた」とは言い出しづらいかもしれません。

理由3:これまでに使った時間やお金がもったいない

長く続けてきた分だけ、そのゲームに対する愛着は高まるものです。それはやむを得ません。

私も経験上、「これははまれないな」と思えば数十分でやめてしまいますし、逆に2週間の壁を越えると長期間プレイする傾向にあります。

そこにお金が絡むと、やめづらさは何倍にもなるでしょう。ソシャゲをやめるということは、現実世界で考えれば「買ったものを捨てる」とほぼ同じ意味ですからね。

コンコルド効果、サンクコスト効果とは?

今回取り上げた3つの理由のうち、「これまでに使った時間やお金がもったいない」は経済学の用語で説明することができます。

それが「コンコルド効果」です。あるいは「サンクコスト効果」と呼ばれることもあります。

コンコルドとは超音速で飛ぶ飛行機で、プロジェクトのスタート時には大きな期待を集めていました。しかし開発が進むに連れ、

  • 製造コストがあまりにも高い
  • 一般的な旅客機より定員が少ない
  • 騒音対策が必要

などさまざまな問題が浮き彫りになります。「それならやめてしまえ」とはたから見ていると思うものですが、開発チームは「ここまでかけてきた時間とお金がもったいない」として、プロジェクトを継続します。

コンコルドは完成したのですが、時代はスピードより大容量へと移り変わっていたこともあり、大赤字のうちに終了しています。

もしこのまま続ければ大きな損失を出すことが明らかなのに、「もったいない」が先行して冷静な判断ができず、より悪い結果につながってしまう。

これがコンコルド効果です。個人レベルではもちろんのこと、無駄を指摘された公共事業を簡単にやめられないのも、これに近いものがあります。

飽きたソシャゲをやめる方法

ソシャゲの場合だと、飽きたゲームに課金し続けるケースはまれかもしれません。ただ時間を投じ続けるという意味では共通するのではないでしょうか。

今後だらだらと続けてしまうその時間をほかの行動に使うことができれば、人生はより豊かなものになるはずです。対策はいくつかあるようですが、私がおすすめするのはこの2つです。

今必要か考える

過去がどうだったかではなくて、今の時点、あるいは近い未来において続けることに意味があるのか考えることです。

「1年間続けてきた」「ガチャに10万円以上使ってきた」と考えがちですが、そこは捨てて「今自分はそのゲームを楽しめているか」を判断基準にすることです。

ただこれを自分で判断するのは、なかなか難しいことかもしれません。

誰かに相談してみる

本当に困っているなら、誰かに相談してみるのもありでしょう。先程のコンコルドの例でも、外側から見ていれば明らかにやめるべき事案なのに、「もったいない」の気持ちが働いてやめられませんでした。

もしコンコルドの開発において、外部から強い権限をもってアドバイスできる存在があれば、途中でやめることができたかもしれません。

ソシャゲの場合であれば、ソシャゲをあまりプレイしない親しい関係の人が理想でしょう。

私がやめられなかったパズドラ

私の中で今まで一番やめられなかったソシャゲと言うと、やはり「パズドラ」かなと思います。

スマホアプリがまだガラケー時代のポチポチゲームの流れを引きずっていた中で、あのゲーム性には驚かされましたね。スマホでここまでできるのかと思った人は少なくないでしょう。

マックスむらいさんの降臨チャレンジなんかも、必ず見てましたね。今思えば、YouTuberが人気を集めるようになってきたのも、あのあたりからでしょうか。

始めは無課金で遊んでいましたが、やがて課金の道へと引きずり込まれ。月平均では5000円くらい課金していたと思います。巷の課金兵のみなさんと比べると、微々たるものかもしれませんが。

それほどに夢中になったパズドラも、プレイ日数が1000日を超えてきたあたりから、そこまで楽しめなくなってきました。

あるときふと、「月に5,000円も使うくらいなら、2ヶ月に1回ゲームソフトが買えるんじゃないか」と思ったところで課金をやめました。

課金をやめたところで飽きてはいたんだと思うのですが、結局その後も半年以上続けたんですよね。まさに「もったいない」という気持ちがあったんだと思います。

【最後に】決断力と柔軟性が大切!

使った時間やお金はもう返ってきません。無意味にしがみついたところでなにかが生まれる可能性は低いので、うまく切り替えられるようになりたいものです。

今回は「飽きたソシャゲ」をテーマにしましたが、こういう場面って人生のあらゆるところでやってきますよね。

常に適切な判断ができるほど、人間は強い生き物ではありません。同じ思考の人だけと付き合っていると間違いに気づきにくいこともあるので、いろんな意見を柔軟に聞ける人でありたいなと思いました。
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