楽天ゲームズがひっそりと終了。HTML5は将来的にくるだろうけど、まだ課題も多い
あまり注目されなかったのですが、こんなニュースがありました。
楽天ゲームズ,サービス中の「Rakuten Games」のポータルサイトを2019年7月22日に終了と発表(4Gamers)
このニュースをテーマに、HTML5の現状と未来について考えてみます。
華々しくスタートしたHTML5だけど
引用:楽天ゲームズ
楽天ゲームズは、「アプリストアを通さない画期的なゲーム!」「PCでもスマホでも同じゲームを!」なんてうたい文句がメディアをにぎわせました。同じ時期にはYahooゲームプラスなどもスタートしたのですが、HTML5ゲームはまだまだ普及レベルには至っていません。
LINEアプリ上から楽しめる「LINEクイックゲーム」なんてサービスも展開されていますが、iOS版では課金機能の実装が問題視され、無料展開を余儀なくされています。Yahooゲームプラスでも、ゲームの配信に関してAppleから圧力があったのではないかと話題になりました。(真偽は不明)
楽天ゲームズも、サービス開始当初はメディアのインタビューで、ラインナップの充実に意欲を示していました。しかしご存知の通り、多くの人が注目するようなタイトルが提供されることはありませんでした。
4Gamerさんの楽天ゲームズ関連記事が6本しかないという現実が、それをよく表しています。当ブログでもリリース当初に、ラインナップ不足には大きな懸念を示していました。
HTML5が抱える課題と楽観的な未来予測
技術的な問題はいずれ解決?
HTML5にいまいち感が漂っているのは、まだそこまでの技術が確立されていないことがあるでしょう。現状のHTM5ゲームで見られるのは、せいぜいフラッシュゲームの延長線上にあるレベルのものばかりです。ですから本格的なゲームというよりは、カジュアルなゲームが多くなっているのです。
とは言えWebブラウザ側の準備も着々と進んでおり、特に積極的なのはゲームストリーミングサービス「STADIA」を発表しているGoogleです。従来は消極的とみられていたAppleも、徐々にその対応を変化させつつあるようです。
ネイティブアプリの時代が終わる? Appleが「PWA」対応を決めたわけ(ITmedia)
通信の安定性の問題。チート対策には有効だけど…
カジュアルなゲームが多いのは、いわゆる「ギガ不足」にも原因があるかもしれません。常時データを通信するという都合上、本格的なゲームをやろうと思うと通信量が多くなってしまいます。
Wi-Fiならともかく、4G回線では満足に遊べないシチュエーションも多くなってくることでしょう。このあたりは5Gの普及が待たれるところです。料金は心配ですけどね。
この方式には、「チートを防げる」という運営側からしたら大きなメリットがあります。チート対策に費やされる時間や費用が、本来あるべきゲーム運営や機能改善に使われるのであれば、それはユーザーにとってもメリットになることでしょう。
チーターがいなくなれば、より公正なゲーム環境が整います。イベントなんかも実施しやすくなり、ゲームがより魅力的なものに変わっていく可能性はあるでしょう。
今のところ国産スマホゲームのイベントは、課金額の多い人が勝つものがほとんどです。技術を競えるイベントが増えてくれば、そちらのほうがゲーム本来の魅力を引き出すことになるでしょう。
ただ繰り返し言及しますが、通信が安定するということのハードルは極めて高いものがあります。GoogleのSTADIAで心配されているのもその部分ですよね。
ストア手数料の問題
アプリストアで買い切りアプリを配信したり、アプリ内課金を取り入れたりする際には、ストア側に一定の手数料が支払われます。AppStoreの場合、初年度は30%、2年目以降は15%とされています。
HTML5で開発し自社のストアで配布すれば、その手数料はスキップできるわけですから、これはゲーム会社にとって大きなことです。
とはいえユーザーの利便性を考えると、結局はいくつかのポータルサイトに集約されていくことになると思います。それでもストア手数料よりは安いのかもしれませんが。
【終わりに】結局はゲームの質だよね
楽天ゲームズのサービス終了から、HTML5ゲームの現状を考えてみました。
将来的には主流になるであろう技術ではあるものの、現時点ではアプリストアが圧倒的過ぎて、利用者側から見たメリットはほとんど感じられません。
HTML5がアプリストアに肩を並べるのは、5Gの通信環境が整ってくるであろう5年後以降(2024年以降)のことになるのではないかと思います。
とはいえ覇権を握るには準備が必要ですから、今HTML5ゲームの界隈で起きているのは、その前哨戦といったところでしょうか。
アプリストアの初期も、カジュアルゲームであったり、ガラケー時代のポチポチゲーの延長線上のソシャゲであったりが目立つ環境でしたし、HTML5ゲームは今その段階なんだろうなと思います。
乗り越えるべき課題はまだまだ多いのでしょうが、よりよいゲームが出現してくれることを願うばかりです。
ディスカッション
コメント一覧
HTML5が将来くることがあっても
楽天のゲームは将来にわたってくることはないと思います
何年前のフラッシュゲームだよみたいなラインナップを
揃えてなにがしたかったのか・・・