「ガチャ離れはキャラクターのクオリティのせい」との主張への疑問。大事なのはゲームのクオリティでは?

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アメリカの有名経済メディア、Bloombergさんにこんな記事が載っていました。

ガチャモデル見直し迫られるゲーム会社、開発費増加-「稼ぐ力弱い」(Bloomberg)

ガチャ限界説は、ここ数年の日本のソシャゲ会社の決算を見ていれば明らかな事実です。私もそのような視点から何本かの記事を書いています。

ただし、このBloombergの記事で関係者や記者がガチャ離れの原因と指摘している内容に関してかなり疑問がありますので、私なりの意見を述べておこうと思います。

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キャラのクオリティのせいでガチャを引かなくなったとの主張

私が気になったのは、記事中の以下の箇所です。

ガチャが導入された2010年以前は、スマートフォンは今ほど普及しておらず、キャラクターやアイテムの質はそれほど求められなかった。ゲーム会社は毎月、供給する新たなアイテムで収益を増やしてきた。しかし、スマホの普及と進化によって消費者は、高品質なアニメーションや、声が一緒になったキャラクターやアイテムを求めるようになってきている。

開発の現場では、大規模なチームを率いることができるマネージャーが不足。キャラクターの立体的なモデルや動きについては外部発注が増え、委託先とのやり取りなどに手間や時間かかっている。納品されたキャラクターをゲームに実装するための人材も足りていない。

ざっくりまとめると、

「ガチャが低迷するのは、ユーザーが求める品質に達したキャラクターやアイテムが提供できていないから。」

との主張になっています。

キャラのクオリティよりゲームのクオリティが大切

しかしガチャ離れが進行している原因は本当に、キャラクターやアイテムのクオリティの問題でしょうか?

キャラクターやアイテムのクオリティが高ければ、ユーザーはまたガチャを引いてくれるのでしょうか?

私はそうは思いません。

いくらキャラクターが素晴らしくても、大切なのはそのキャラクターの良さを活かすゲームシステムがあってのもの。

ガチャで楽に儲けることに慣れすぎて、肝心のゲーム内容のほうがおろそかになってしまっている気がします。

何年も代わり映えしないソシャゲばかりが出るような現状では、興味をもってくれと言われても無理な話でしょう。

この10年ほどで、日本のモバイルゲーマーは「ガチャはこういうもんだ」というのを理解しました。

ネットの話題を見ていても、数年前と比べて過剰なガチャ課金をアピールするようなユーザーは減っているように思います。

ガチャで目的のキャラクターを引き当てても、うれしいのはその時だけ。そんな経験を積み重ねるうちに、ガチャに浪費することの虚しさを感じる人が増えてきたのではないでしょうか。

私の現状認識は、ガチャを引くこと自体が目的化していた異常な状態が終わりつつあり、ゲームそのもののクオリティをしっかり見始めたといったところです。

【終わりに】バトロワの次の流行は日本から!

この手の話をするといつも同じ結論になるのですが、結局大切なのはゲーム内容です。

いくらキャラクターがヌルヌル動いたって、かわいいボイスがついていたって、それで課金してくれるほど甘くはありません。

他国と比べてガチャに寛容であったお国柄に甘えてしまったのは、否定しようのない事実でしょう。

幸いなことに、家庭用ゲーム機市場における日本企業の競争力は、依然として高いものがあります。

ガチャを引いてもらうために使っている労力や資金を、少しでもゲーム開発に振り分けてくれれば、モバイルゲーム市場でも存在感を示すことができると信じています。

バトロワ系の次の流行が日本発のものであることを願ってやみません。