有機ELモデルのNintendo Switchが発表に。「Switch2周目」でも任天堂の姿勢は変わらず

以前から噂に上がっていた「新型Switch」が、ついに公式発表されました。正式名称は「Nintendo Switch(有機ELモデル)」で、発売日は2021年10月8日、価格は37,980円(税込)です。

一部に期待があった大幅なスペックアップは行われませんでしたが、Switchをめぐる状況と任天堂のスタイルを考慮すれば、それも当然だと言えるでしょう。

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有機ELディスプレイ採用でより美しく

まずは、「Nintendo Switch(有機ELモデル)」についてざっと紹介します。カラーは従来の「ネオンレッド/ネオンブルー」のほか、「ホワイト」が追加されます。

従来型からの変更点をまとめると、

  • 有機ELディスプレイ搭載(7.0インチ)
  • 背面スタンドがワイドに
  • ドックに有線LAN端子を搭載
  • 本体保存メモリーは64GB(従来の倍)
  • スピーカーが新しく

といったところです。従来より噂にあった「4K対応」「CPU/GPUの強化」はなされませんでした。

ドックやソフト、周辺機器はおおむね互換性があり、任天堂としては大幅なスペックアップよりも好調なSwitchの資産を活かす方向を重視した形になります。

大きな変更は本体モニターのみということで、普段からテレビやモニターに接続して遊んでいる方にしてみれば、どうしても買いという話にはならないでしょう。私もそうです。

一方で、テーブルモードや携帯モードが中心の方にとっては、かなり魅力的な選択肢です。携帯ゲーム機が有機ELに対応する時代が来るとは、単純に感慨深いものです。

当初から疑問があった新型Switch報道

私自身、新型Switchが高機能化するという噂話に多少の期待感があった一方、懐疑的な見方もしていました。

PS5やXbox Series Xといった次世代機が発売された以降も、Switchの販売は絶好調で、サードパーティ作品からも「桃鉄」「モンスターハンターライズ」などの大ヒット作が出ました。PS4などと併売されているタイトルでも、日本ではおおむねSwitchでの販売本数が上回ります。

その中で高機能版の発売に踏み切る理由は見当たりませんし、それ以上に「任天堂がPlayStationやXboxとスペック競争をするだろうか」という思いが常にあったからです。

ソフトメーカーとしての任天堂は、たしかに時代とともに高グラフィックにはなっているものの、リアルな描写だとか高速処理だとかに重きを置いているわけではありません。

あくまでコンテンツの質で勝負しており、コアゲーマーというよりも全世代で安心して楽しめる作品を作るという方針は変わっていないように思います。

Switchの売上が完全に落ち着いたり、任天堂自身がSwitchに限界を感じたりしないうちは、大幅なスペックアップに踏み切る可能性は低いのでしょう。
フェイクニュースやがせネタをばらまく人

コンテンツやサービスが問われる時代に

話は少し変わり、ゲーム業界でここ数年議論になっているのが、クラウドゲームの成否です。天下のGoogleさんもstadiaで大失敗をかまし、その将来性に疑問をもつ方も多いでしょう。

とはいえ、5G通信が主要国で当たり前に使われる状況になれば、クラウドゲームが普及する可能性は大いにあると思います。遅延や通信量(料)の問題が解決されることが前提であり、それは簡単な話ではないのですが。

クラウドゲームが普及するのであれば、コンテンツやサービス内容の重要性はさらに増します。昔は家庭で映画を見るのにビデオデッキが必要だったところから、今やNetflixと契約すればいつでも見られるようになったような変化が、ゲームの世界にもやってくる可能性があるのです。

MicrosoftやSIEは、2020年に発売した次世代機でスペック競争を展開する一方で、スタジオを囲い込んだり、クラウドサービスをテストしたり、どうにでも対応できるような準備を整えつつあります。

そういう意味で、「Switchの継続」を選択した任天堂は独自路線を突き進んでいるとも言えますが、すでに圧倒的なコンテンツを自社内に保有しているからこその余裕なのかもしれません。

【終わりに】Switch2周目が見せる景色は?

Switchに話を戻せば、早速「Switchはまだまだスペックアップできる余地を残した」なんて言い出す人が出てきています。物は言いようですよね。無責任なリーク報道が今後も続く可能性に、多少うんざりさせられます。

もちろんその可能性はゼロではないでしょうが、それよりゲーマーとして期待したいのは、新しいアイデアをもって楽しませてくれること。スペックよりゲームの中身が重要なことは、過去いくつかのゲーム機が証明しています。

2022年には、Switchのローンチタイトルである「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」の続編が発売されます。「スプラトゥーン3」もありますよね。

ある意味「Switchが2周目に突入した」とも言える状況で、任天堂が「まだまだSwitchでいけるんだぞ」というものを示してくれることを期待します。

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Nintendo Switch

Posted by hiro