「メタスコア」をゲーム評価の参考にすることのメリット・デメリット(特に日本人にとって)

2023年8月22日

ゲームの評価は主観的なものが多く、友だちが面白いと言って絶賛していても、自分はまったく面白さを感じられなかったなんてことは日常茶飯事です。

結局は自分で情報を集めて選ぶのが一番だとは思うのですが、それでも他人の評価を参考にしたいという需要は根強く、「メタスコア」と呼ばれるゲームの評価を数値化したものを気にするゲーマーも一定数います。

本記事では、ゲーム評価においてメタスコアを取り入れることのメリット・デメリットを、私なりの視点で解説します。

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メタスコアとは

メタスコアは、複数のゲームレビューサイトから得られたスコアを集計し、1つのスコアにまとめたものです。100点満点で表され、例えば5段階評価の4なら80点という具合に置き換えられて集計します。

各サイトのスコアを単純に平均するのではなく、メディアごとの信頼性を運営元のMetacriticが評価した加重平均によって算出されているようです。詳細は公開されていません。

数値は色分けされており、75点以上がグリーン、49点以下がレッド、それ以外がイエローとしています。グリーンが良作、レッドが問題作といった具合でしょうか。

また、レビュー件数が少ないゲームではスコアがブレやすい性質があります。スコアだけではなくレビュー件数も見るとよいでしょう。古いゲームやインディーズゲームではレビュー件数が少ない傾向にあります。

ゼルダの伝説時のオカリナ(Metacritic)

メタスコアが発売前に出る理由

ゲームの発売前にメタスコアによる評価が出回り、「どうやって数字を出しているんだろう」と疑問に思う方も多いかもしれません。

ゲーム会社は多くのメディアにレビュー目的で無料でゲームを提供しており、それをプレイした上でレビューがなされているわけです。

レビューを購入の参考にしたい需要に応える意味では大きな役割を果たしているものの、

  • 一定の期日までにレビューするという制限の中でプレイするため、実際のプレイ環境とは大きく異なる
  • ネットワーク環境のテストはほぼ不可能
  • 発売後アップデート(主に不具合修正)が適用されていないことも

といった懸念があることも理解しておく必要があります。

メタスコアを利用することのメリット

各メディアの評価がひと目で分かる

あらゆるメディアのレビュー文を読みスコアを確認することは面倒ですが、メタスコアによりざっくりとした評価が確認できます。

各ゲームのページにはレビュー評価の要約もありますので、どんな点が評価されているのかを確認したい場合にも重宝します。

ある程度客観的なスコアが算出されている

特定のメディアのレビュー記事は、ライターの主観に左右される部分が大きくなりますが、複数のメディアの評価が集積されてものであれば、ある程度の客観性が保たれます。

加重平均の仕組みにより、極端な意見を書いて目立とうとするメディアに左右されすぎないスコアが算出される点もメリットと言えるでしょう。

メタスコアを利用することのデメリット・注意点

評価基準がプレイヤーと一致しないことも

レビューはそれぞれのメディアに属するライターが自身の基準で行いますので、あなたがゲームを評価する観点と一致するとは限りません。

グラフィックが良ければ評価を高くするライターもいれば、グラフィックは二の次でもゲームの面白さを重視するライターもいます。

ゲームのジャンルにしても、90点の高評価を得たアクションゲームがあったとして、それをアクションゲームが苦手な人が楽しめるかと言われれば、それはまた別の話です。

また、メタスコアではカジュアルなゲームに厳しくハードコア向けのゲームのほうが評価が高くなる傾向にありますので、その点は加味しておく必要があるでしょう。

あくまで欧米基準である

メタスコアにレビューを掲載するのは欧米のメディアが多く、日本から参加しているのは「IGN Japan」ぐらいです。こちらも母体は海外ですが。

そもそも日本のゲームメディアは、具体的なスコアを付けてゲームを評価することがほとんどありません。そのため、メタスコアは海外、特に欧米メディアの評価に左右される傾向にあります。

海外と日本では、評価されるゲームの種類が大きく異なります。例えば「スプラトゥーン」シリーズも、日本では高く評価されますが海外ではよりリアルに近いシューターが好まれるため評価がそこまで伸びません。

日本人でも洋ゲーが好きな方であればメタスコアは大いに参考になるでしょう。しかし、カジュアルなテイストのゲームが好き、ストーリー重視のゲームが好きという人は、メタスコアを参考にする意味はそれほど大きくありません。

ユーザースコアも見るべし

Metacriticの各ゲームの個別ページには、メディア評価により算出されるメタスコアのほか、一般のユーザーが自分の評価を投稿する「ユーザースコア」もあります。

ユーザースコアはゲーム内容以外の面で低評価が付けられることもありうのみにすることはできませんが(レビュー爆撃と呼ばれます)、メタスコアよりも実感に近いスコアが出ることも多いため、侮ることはできません。

大量のゲームを薄く広くプレイするメディアの人たちと、1つのゲームに時間をかけがちな一般ゲーマーとで、評価に差が出ることは当然ですから、それ自体はやむを得ないことです。どちらが正しいとは言えません。


引用:バイオハザード4(metacritic)

終わりに

冒頭でもお話した通り、私はゲームの評価は主観的な部分が大きいという考えですので、メタスコアやメディア記事を過剰評価するべきではないと思っています。

それでも参考にしたい場合もあるでしょうから、そのときはメリット・デメリットを十分に理解して見るようにしたらいいのではないでしょうか。

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Posted by hiro