【Ancestors: The Humankind Odyssey】サルからヒトへ。進化の手探り感をプレイヤー自身も味わうアクションアドベンチャー【レビュー】
2019年8月27日にPC版が発売され、PS4/XboxOne版の発売が2019年12月6日に控える「Ancestors: The Humankind Odyssey」。
サルからヒトへの進化の歴史をたどる、オープンワールドアクションアドベンチャーゲームです。
私自身は発売日にプレイして進めてきたのですが、これまでこのブログで紹介することはありませんでした。
なぜなら多くを語ることは、Ancestorsというゲームの魅力を損ねることにつながってしまうと考えたからです。
すべてが新発見。それがAncestors
何が食料かすら説明がない
Ancestorsの魅力は、ひとつひとつのアクションが新発見であり、「こんな行動もサルにとっては初めてなのか」という部分が感動につながることです。
例えば、木になっているきのみ。普通のゲームであれば、「これを食べるとお腹がいっぱいになって体力が回復するよ。」といった解説が入ることでしょう。
しかしAncestorsでは、きのみに近づいても特に何も起こりません。画面の表示から、おそらくお腹が空いているんだろうなということは判断できるものの、だからどうしましょうということは教えてくれないのです。
考えてみれば、生物の進化の過程で、「これが食べ物ですよ。食べるとおなかがいっぱいになって元気に動けますよ。」なんて教えてくれる神様みたいな人がいたわけではありません。
まずなにかを食べると元気に動けることを学び、そしてどういうものなら食べても大丈夫なのかを学びます。
さすがに本作では、サルからのスタートですから、何かを食べなきゃ生きていけないことくらいは理解しています。
ただ何を食べればいいのかは分からないですから、とりあえず取って口にしてみるアクションが必要となるのです。
素直に食べられるものもあれば、中にはお腹を下してしまう食べ物もあります。しかしそれを口にすることで、代謝に関する機能が次世代に受け継がれ、食べられるものの幅が広がり、種の繁栄へとつながっていくのです。
ニューロンの導くままに
道具にしても同じことです。そのへんに落ちている石、木の枝、葉っぱ。投げたり叩いたりちぎったりしながら、その使いみちを考えるところからがスタートなのです。
もちろんなんの道標もないわけではありません。さまざまなアクションをこなすことでニューロン(他のゲームで言うところのスキルツリーのようなもの)が発達し、生物として進化します。
ニューロンの発達により可能になるアクションが増えていきますので、それと道具を組み合わせ、できることを増やしていくのです。
ときには、生存を争うほかの生き物たちと戦うこともあるでしょう。集団が大きくなれば、食料の確保に苦労することもあるでしょう。
最近の丁寧なゲームをプレイしていると、Ancestorsのゲームシステムは不親切に感じてしまうこともあるでしょう。
しかしそれは意図して設計されたものであり、進化のリアリティを感じるのにはこれがベストなのではないかと、徐々に理解できてくるはずです。
とはいえあまりに与えられる情報は少ないため、それを好まない人がいるであろうことも、十分に理解できます。
【終わりに】冒頭部分を動画にしました
情報が少ないほうがいいとはいえ、さすがにまったくどんなゲームか分からなければ、購入するという決断も難しいかもしれません。
ゲーム開始から1時間程度のあたりまでをまとめた動画を作成していますので、よろしければご覧ください。