フリーランス(ライター)で働く上で知っておくべきことや心構えを伝えたい。
最近は働き方もずいぶん自由になってきました。
朝通勤して夜帰宅するスタイルが、必ずしも「普通」ではなくなりつつあります。
そんな中で在宅ワークも有力な選択肢になっており、その中で比較的気軽に取り組めるのがライターのお仕事です。
かれこれ5年近くフリーライターを軸に活動し、まあそれなりに生計を立てられるようになってきた私が、フリーライターについてあれこれお話したいと思います。
フリーライターになるには
ライターに限らないのですが、フリーランスになるのに資格は必要ありません。
クラウドワークスやランサーズなど仲介サイトで仕事を見つけ、企業や個人とやり取りして仕事を完成させる。
たったそれだけのことです。
フリーランスでできる仕事はたくさんあります。
プログラミングにデザイン、秘書業務なんてのもあります。
その中でも、始めるためのハードルが低いのはライターでしょう。
文章を書いたことがない人ってほとんどいないですからね。
それでもよりよいお仕事を受けるには、文章のスキルをアップさせることが大切です。
数をこなすことはもちろんのこと、文章の書き方の基本は学んでおいたほうが良いでしょう。
フリーライターのお給料
会社勤めとフリーランスで決定的に違うのは給料です。
仕事内容にかかわらず一定の給料がもらえる会社勤めに対し、フリーランスはやった分しか収入になりません。(もちろん会社であっても、あまりにひどい仕事をしていれば減ることはあるでしょうが。)
フリーライターを例にとると、
- ◯字/1,000円
- 時給◯円
といった形がスタンダードで、特に多いのが記事の文字数に対して支払いが行われるパターンです。
ここで使われるのが「文字単価」という言葉。
例えば「2,000文字で1,000円」の記事だったとすると、1文字あたり0.5円が文字単価となります。
フリーライターの相場は?
フリーライターの相場は、記事の内容や依頼主によって大きく異なります。
基本的には、必要とする知識や文章スキルでより高いレベルが要求される案件のほうが、文字単価は高くなります。
仲介サイトをのぞいてみると、スキルがそれほどなくてもできる案件は、文字単価0.5円かそれ以下のレベルです。
例えば時給1,000円稼ごうと思えば、1時間に2,000字相当の記事を仕上げる必要があります。
もちろん内容にもよるとは思いますが、これはそこそこ大変なことですね。
驚くべきことに、ヤフーニュースに配信しているようなメディアですら、低単価で募集していることも珍しくはありません。
低単価案件は早く卒業しよう
文字単価0.5円以下の仕事をずっと続けていても、これだけで生計を立てるのはなかなか厳しいものがあります。
ある程度感覚がつかめたら、すぐにより高い単価の仕事に移りましょう。
はっきり言って、文字単価が0.5円にも満たない仕事は、文章の価値を低く見積もりすぎています。
そんな仕事で時間を浪費するのはバカバカしい話です。
とは言え単価の高い仕事では、過去の実績を求められることもあります。
最初は低単価の案件でいくつかの実績を作りつつ、高単価の案件にアプローチしていきましょう。
成果報酬にだまされない
「初めは単価が安いですが、実績に応じて上がる仕組みになっています!」
というお仕事があります。
こういうのをうのみにするのは、あまり賢い選択ではありません。
私の経験上、初めの単価が安い仕事では、実績に応じて上がることはほとんどありません。
そもそも単価の低い仕事では、ライターの価値を低く見ています。
やめられてもまた次を見つければいいと考えているので、単価を見直すことはまずありません。
むしろ始めからそこそこいい単価のお仕事ほど、しっかり信頼関係を築くことで単価が上がりやすい傾向にあります。
仲介サイトも早めに卒業しよう
クラウドワークスやランサーズなどの仲介サイトは、フリーランスが仕事を見つける上でとても便利です。
ただ問題点としてあるのは、
- 単価の低い仕事が多い
- 2割程度の手数料を取られる
この2点です。
ただでさえ低い単価のお仕事で、さらに2割も持っていかれてばたまったもんではありません。
もちろん商売としてそうせざるを得ないのは理解できますが、こちらも生活がありますしね。
ある程度実績を作ったら、直接契約してくれるクライアントを探しましょう。
サイト上で募集していることもありますし、直接契約を持ちかけられることもあります。
ただ直接契約に関しては、ある程度身元がしっかりしている人、サイトに限ったほうがいいでしょう。
仲介サイト上で契約すれば未払いは防げますが、直接契約の場合は保証はありません。
なお仲介サイトの規約で、「このサイトの案件で知り合った人と直接契約をしてはいけない」みたいな条項を設けているところもあります。
この規約の是非はともかくとして、一応そういうルールがあることを理解した上で取り組んでいただければと思います。
税金関係はしっかりと
一定以上の収入を得た場合、それを申告する必要があります。
その水準については、
- 給与所得があるかないか
- 所得控除の額
などによっても異なってきますので、ここではお話しできません。
一年間のうちに誰からどれだけの収入を受け取ったのかは、確実に把握しておくようにしましょう。
また支出面でも、内容によっては経費として計上できるケースもあるので、そのあたりはよく勉強しておくことをおすすめします。
フリーランスは自由が利く?
会社員やアルバイトであれば、決まった時間は必ず働かなければいけません。
フリーランスであれば、「明日は忙しいから今日のうちに2日分やっておこう」なんてことも可能です。
そういう意味では、会社勤めよりは時間の融通は利くと思います。
ただ文字単価の低い仕事で生活を成り立たせようと思うと、自由は少なくなります。
文字単価の高い仕事に早く移ることが、自由な時間を増やすコツです。
また厄介なのは、周りの人が「あの人はフリーだからいつ声かけても大丈夫」という誤解です。
自分のペースで調整するのはいいとしても、いざ仕事をやろうとしているときにいろんな用事が入ってしまうと、どんどん予定がずれ込んでしまいます。
家族にしろ友人にしろ、仕事の時間はきっちり確保しましょう。
文字単価だけで評価しない
案件の良し悪しは文字単価が重要な要素になってきます。
ただ文字単価が高くても、おいしくない仕事はたくさんあります。
ひとつ私の経験談を挙げておきます。
その仕事は1,500文字で5,000円という、比較的好条件のものでした。
これはおいしいと飛びついたのは良かったものの、修正要求がやたらと厳しかったんですよね。
結局トータルでかなりの時間を要してしまい、時給換算にすると決しておいしい仕事ではありませんでした。
修正要求は仕方ないにしても、その際にかけられる言葉だとか、意味の分からない要求は苦痛です。
またそのクライアントは、深夜とかにも平然とチャットワークにメッセージを送ってくるんですよね。
これはありえないと思い、数回受けただけでやめました。
間にいくつかの会社を挟むお仕事は、それぞれに納期がありチェックがあり、なにかと面倒になりがちです。
高報酬に見えても、クライアント応対の手間を考えると見合わないことも多いので、受ける際にはよく考えましょう。
ひとつのクライアントに依存しすぎない
私のフリーランス生活では、多くのクライアントとお仕事をしてきました。
ある程度長く続いたクライアントであっても、唐突に終了のときが訪れることもあります。
そんなときに「次があればまた依頼させていただきます」みたいに言われることもあるのですが、次があった試しはありません。
ひとつのクライアントに依存しすぎると、契約終了となったときに収入源がばっさり断たれることになります。
できれば複数のクライアントとお仕事できる状況にしておくことが大切です。
【まとめ】万人におすすめできる仕事ではないけど
フリーランスの仕事には、いいことも悪いこともあります。
ただ病気がきっかけで前の仕事をやめてフリーライターに転じた私としては、良い決断だったと胸を張って言えます。
収入は少なくなりましたが、心も体もすり減らしながら働くよりは、余裕をもって生きていけるのはありがたいことです。
どんなお仕事が合うのかは人それぞれですし、すべての人にフリーランスを勧められるかと言われれば、そんなことはありません。
ただいろんな形の働き方が認められる時代になってきたということは、間違いなく言えるでしょう。