STADIAで気になる3つのこと。グラフィックや遅延、料金はどうなるの?
2019年3月20日に発表され、ゲームニュースの枠を超えて大きな話題となっているGoogleのゲームストリーミングサービス「STADIA」。
情報を追えていない方は、速報ベースでまとめた記事を書いていますので、まずはこちらをどうぞ。
期待が高まるのは当然のことですが、ゲーマー目線で気になることはたくさんあります。今回は私が特に気になる3つのことを、メディア報道を参考にしながらお話します。
やっぱり気になる遅延
ゲームストリーミングサービスが提供されるにあたり、ゲーマーが最も気にするのは遅延の問題です。
遅延についてGoogleのフィル・ハリソン氏は、TechCrunchのインタビューで
「人間が何かを知覚してから反応するまでの時間よりも短い」
引用:TechCrunch
と語っています。ただしそれは、最適な通信環境があっての数字です。googleのデータセンターからの距離が遠い場合、また通信環境が十分でない場合は、やはり遅延は大きな問題となるでしょう。
「カジュアルなユーザーであれば遅延はそんなに気にならない」という意見もありますが、そもそもカジュアルなユーザーが、このサービスにどの程度興味を示すでしょうか。
STADIAは高度なグラフィックや処理能力を売りにしています。これは明らかにコアゲーマー向けではないかなあと思うのです。
プレイ中にグラフィック(画質)が変わる?
Googleは発表会で、STADIAはサービス開始当初から4K画質に対応し、将来的には8Kかつ120fpsに対応するという、夢のような数字を我々に提示しました。
しかしこれは、「どんな状況でも常に提供されるもの」ではありません。実機プレイをしたIGNの記者によると、負荷の大きい演出があるシーンでは、解像度が低下することもあったようです。
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記者は「体験に大きな影響を及ぼすことはなかった」としていますが、もう少し長い時間をプレイするときに、画質がコロコロ変わってしまうのはどうなんだろうという気はします。
しかもこの変化は通信品質にもよります。比較的通信が安定していると思われる発表会場でこのような状況が発生したことは、実際に我々がプレイする環境を考えると、かなりの不安を感じさせます。
YouTubeでも通信環境によって画質が変わってしまうことがありますよね。あれでも結構いらっとするものですが、それがゲームプレイ中に発生したときに、落ち着いた気持ちでいられる自信はありません。
ちなみに発表会場の通信環境は、Wi-Fiだったとのことです。(通信速度、pingなどは不明)
料金はサブスクリプション?
多くのメディアでは、STADIAはサブスクリプション、つまり月額課金で遊び放題の方式を取るのではないかと言われています。
ゲームストリーミングサービスで先行する「PlayStationNOW」「GeForceNOW」でもサブスクリプション方式を採用していますし、仮にそうなったとしても大きな驚きはありません。
しかし問題は、サブスクリプション方式が定着している動画配信サービスとゲームでは、コンテンツの楽しみ方がまったく異なるということです。動画であれば1本で30分から長くて3時間程度ですが、ゲーム1本に費やす時間はその比ではありません。
ビッグタイトルであれば最低でも30時間、長ければ100時間を超えて楽しむことも、決して珍しいことではありません。特にエンドゲーム(クリア後要素)を重視する近年のゲームにおいては、そのプレイ時間は長くなりがちです。
少なくとも、一本のゲームを長く楽しむプレイヤーにとっては、サブスクリプションよりも買い切りのほうがよいでしょう。
もちろん一番の問題は、「自分が楽しめるゲームが配信されるか」です。半年、数年前のゲームばかりが占めるのであれば、どうしても盛り上がりに欠けますし、「中古で買えば安いよね」となりそうです。
【終わりに】疑問は多いが期待したい
私を含めてなのですが、日常的にゲームをプレイする人ほど、STADIAが本当にうまくいくのか疑問に思っている人が多いと思います。
とはいえGoogleの理想が100%実現すれば、ゲーム環境はより素晴らしいものになるでしょう。
半信半疑、どちらかというと疑問のほうが多い状況ではあるものの、今後の発表や欧米でのサービスの状況を見守りたいところです。