【ポケモンソードシールド】過去最高にシンプルな育成システムはおそらく、ポケモンをさらに愛される存在にするため【プレイレビュー】

2019年12月17日

2019年11月15日に発売され、Nintendo Switchのソフト史上最高の初週売上を記録したという「ポケットモンスター ソード・シールド」。

2バージョンあるため売上本数が伸びやすいという事情はあるにせよ、順調なスタートを切ったと言えるでしょう。

私が本作をプレイして感じたのは、シンプルさの向こうにある、ポケモンの世界をさらに愛されるものにしようとする開発者の狙いです。

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育成も冒険も驚くほど快適

いわゆる「バトルガチ勢」の方が感じた大きな変化といえば、育成システムの簡素化でしょう。

詳細な説明は省きますが、バトル用のポケモンを本気で育成しようと思うと、1匹育てきるまでにかなりの時間がかかります。

  • レベル
  • 個体値
  • 努力値
  • 性格
  • 特性

これだけの要素がありますからね。奥深いといえば聞こえはいいですが、「面倒くさい作業」と捉える人のほうが多いのではないでしょうか。

個体値や努力値などは過去作から徐々にシンプルになりつつありましたが、本作では一気にハードルが下がった感があります。

冒険からもちょっとした手間が省かれています。2016年発売の「サン・ムーン」では、ポケモンライドを採用することでフィールドで使う技全般を廃止しました。

本作ではそれをさらに先に進め、「タウンマップや図鑑から空を飛んで移動」「水上も移動できる自転車」などを導入しました。

ダンジョン(どうくつ)で迷うことはほぼなく、多くのポケモンがエリアごとに集うシームレスな空間「ワイルドエリア」も導入しました。

「レッド・グリーン」のサファリゾーンでケンタロスに苦労させられた頃を思えば、ポケモンも随分様変わりしたものです。

誰もが楽しめるポケモンに

ポケモンGO以降のファン層を意識?

ポケGOピカチュウハロウィン

こうしたシンプル化の背景にあるのは、「ポケモンの世界をもっと楽しんでほしい」という開発者の思いではないでしょうか。

2017年にリリースされたスマホ向け位置情報ゲーム「ポケモンGO」により、勢いに陰りを見せていたポケモン熱は再点火、それどころかより強力なものとなりました。

2018年発売の「Let’sGo ピカチュウ・イーブイ」では、SwitchソフトながらポケモンGOに近いゲーム性を取り入れ、ポケモンGOからポケモンの世界に入ってきたプレイヤーへの配慮を見せました。

そして2019年の本作。複雑さを極力排除した本作のつくりは、その延長線上にあるものと考えていいでしょう。

オンラインバトル参戦への障害を減らす取り組み

ポケモンバトルにしても同じことです。

ストーリークリア後のエンドコンテンツ的な位置づけであるオンラインバトルは、育成の複雑さから入りづらい世界になりつつありました。

そもそもの話、ポケモンをプレイする人のほとんどが、「個体値ってなに?」ってレベルですからね。

ストーリーをクリアし伝説のポケモンを手に入れる。そのあたりまでプレイすれば満足する人が大半でしょう。

そういうプレイヤーがポケモンバトルに関心をもったとして、これまでのような育成手順についていけるとは思えません。

仕組みを理解することはできたとしても、そこから先に進むにはかなりの勇気が必要でしょう。

本作でも一定程度複雑な要素は残っているとはいえ、比較的入っていきやすい世界になったのは間違いありません。

オンラインバトルの魅力は損なわれない

育成システムが簡略化されたからと言って、オンラインバトル自体の魅力が削がれるわけではありません。

むしろオンラインバトルに多くのプレイヤーが参加することは、ポケモンの世界を広げるのに大きな役割を果たします。

今まで「捕まえる」ものだと思っていたポケモンで「戦う」。そしてYouTubeでオンラインバトルを「見て楽しむ」。

見て楽しむことのウェイトが増しつつある昨今のゲームシーンですが、非アクションのゲームでプレイヤー同士が腕を競うコンテンツはそれほど多くありません。

元々の認知度が高いポケモンにとって、そこに食い込むことはそれほど難しくはないでしょう。

【終わりに】長く愛される存在であってほしいポケモン

過去作のポケモンを連れてこられないこと、ゲームシステムに大きな変化がないことなどに対する不満は出ていたものの、そうした声をかき消すのに十分なヒットを記録した「ポケットモンスター ソード・シールド」。

何を変え、何を変えないかの判断はいつでも難しいものですが、本作は十分に受け入れられたといっていいでしょう。

2020年初旬にリリースされる「ポケモンホーム」の概要次第では、さらなる盛り上がりも期待されます。

第一作からのポケモンファンのひとりとして、今後も愛される存在であってほしいと願うばかりです。

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