Facebookもクラウドゲーミングサービスに参戦!Googleのstadiaとは異なる現実的なアプローチを採用

Facebookは10月27日、「Facebook Gaming」内でクラウドゲーミングサービスを展開すると発表し、アメリカの一部エリアを対象にベータサービスを開始しました。利用料は現時点で無料です。

ラインナップの先頭にモバイルでプレイできる「Asphalt 9:Legends」を挙げている時点でどうなのと思わないでもないですが、そこには明確な理由があるようです。

クラウドゲーミングサービスの現状をよく理解し、現実的なアプローチでサービスをスタートしたFacebookのサービスについて解説します。

引用:Facebook Gaming

Googleのstadiaは盛大にこける

Facebookの参入により、クラウドゲーミングサービスにGoogle、Amazon、Facebookといった巨大IT企業が揃いました。

しかし、現状は御存知の通りで、NintendoSwitchが品薄で、PlayStation5やXbox Series X/Sのスペックが称賛され、高性能GPUにも注目が集まるなど、既存のゲーム市場を脅かす気配はありません。

記憶に新しいところでは、Googleはstadiaの発表にあたり、「将来は4Kや8Kに対応するし、120fpsもできちゃうし、大人数バトロワもできるよ!」なんて発表していました。

ところが現実は、一部シーンで解像度が低下したり、遅延があったりといった予想通りの問題が解決できていませんでした。

月額料金を取った上にさらに個別タイトルの購入にもお金を取るというビジネスプランにも疑問の声が相次ぎました。

肝心のラインナップにしても、そこに並べられたのは他のプラットフォームで発売されて随分時間の経過したタイトルばかり。

ゲーム機やPCのシェアをごっそり奪うかのような宣言をして盛大に滑ってしまい、クラウドゲーミングサービスへの期待を見事に打ち砕きました。

当初は日本がローンチ国に含まれないことを「おま国」なんて残念がる声もありましたが、今となってはどこへやらといった感じてす。

引用:Googleブログ

現実的なスタートを切ったFacebook

そんなstadiaの反省を生かしてか、Facebookのクラウドゲーミングサービスはスタートにあたり、極めて控えめな声明を発表しています。

現時点でクラウドゲーミングサービスにおいて安定した環境を提供するのは困難であり、ゲーム機やPCのゲームを置き換えるものでもないとしているのです。

モバイルでプレイできるゲームをラインナップに並べたのもその現れでしょう。すぐに果たせない約束をするのではなく、まずは安定した環境を整備していくという狙いが見えます。

念を押すように「ゲームの選択肢を増やすもの」と書いているのは、stadiaが既存プラットフォームとの対決姿勢を前面に出したことで、かえって弱点が浮き彫りにされたことを意識しているのかもしれません。

ちなみにこの声明を発表したのは、Facebookのゲーム担当副社長のJason Rubin氏。NaughtyDogの創設者であり、クラッシュ・バンディクー初期3作品のディレクターでもあります。

AppleやGoogleをチクチクと批判しつつ、今後の方針を明らかにしている声明の全文は以下のリンクからどうぞ。

Cloud Gaming, Meet Facebook Gaming(Facebook)

今回は詳しく触れませんが、AmazonのLunaも、これに近いアプローチを採用しています。

懸念はFacebookのあの仕様

ただやはり、Facebookのサービスであるという時点で警戒されるのが「実名」の公開ではないでしょうか。

このサービスでは、Facebookでは初めて、フルネームとプロフィール写真の代わりにプレイヤー名とアバターを使用できると発表しています。

ただし、ゲームの友達や仲間のプレイヤーとつながることを選択したとき、本名と一緒に表示されるとのことです。

もし協力プレイ程度で公開されてしまうならきついなあと思いますし、Facebookでつながっている人にプレイヤー名が分かってしまうのではと心配する方もいらっしゃることでしょう。

そのあたりの仕様がどうなっているのかは今後見極めたい部分です。

【終わりに】不要になるのはゲーム機ではなく…

クラウドゲーミングサービスの現状をよく理解した上で、既存のゲーム市場とぶつかり合うことなく静かなスタートを切ったFacebookのサービス。

モバイルゲームをあえてクラウドで?と思われるかもしれませんが、これが現時点でのクラウドゲーミングサービスの実力なのだと理解する必要があるでしょう。

そもそもの話をしてしまうと、ゲームコントローラーを用意してまでゲームをプレイするような人たちは、すでにゲーム機を持っていると思うんですよね。まずターゲットにすべきなのはモバイルゲーマーです。

メディアはクラウドゲーミングサービスをゲーミングPCやゲーム機を置き換えるものだと煽ってきましたが、むしろ先に対決相手となるのは、高性能なモバイル端末やアプリストアのほうかもしれません。