「バックパックバトルズ」レビュー。時間が溶けるデッキ構築系ゲーム
私はシミュレーションゲームが好きですが、その次くらいに好きなジャンルがデッキ構築系のゲームです。
限られたコストの中で最大限のパフォーマンスを発揮するにはどうしたらいいのか考えて戦うという意味では、両者は似通った部分があるのかもしれません。
今回紹介する「バックパックバトルズ」は、体験版の時点で大きな話題となっており、早期アクセスで販売が始まった後も好調なセールスを記録しているデッキ構築ゲームです。PC専用タイトルで日本語対応済み。
この記事では、ゲームの概要や感想をまとめました。なお、執筆時点で40時間ほどプレイしています。
バックパックバトルズはこんなゲーム
アイテム購入・バッグ整理とバトルの繰り返し
バックパックバトルズにストーリーはありません。
流れとしては、アイテムを購入して配置し、戦ってアイテムを購入して配置しを繰り返します。負けたら残機が減り、ゼロになったらそこで終了。残機が無くなる前に10勝すればひとまずクリアで、そこで終わるかサバイバルモードに突入するか判断します。
結果に応じてランクポイントが増加、または減少し、ブロンズからシルバー、ゴールド、プラチナ…とランクアップを目指していくことになります。
非同期オンライン対戦
対戦する相手は、同ランク帯で同程度のバトル数をこなした、世界のどこかにいるプレイヤーです。リアルタイムではなく非同期のオンライン対戦ですので、待ち時間が生じたり、対戦がぶち切られたりすることもありません。
これがデッキさえ組めば後は自動で戦ってくれるオートバトラータイプの強みでしょう。大人線でありがちなストレスがないため、勝負がサクサク進んでもう一回もう一回となってしまうのは、本作の沼ポイントとなっています。
バックパックバトルズはここが面白い
アイテム同士のシナジー
バックパックバトルズの肝は、購入したアイテムをバッグの中にどう配置するかです。特定の種類のアイテムと隣接させたり、効果の及ぶ範囲に置いたりすることで、その効果は大きく変わります。
例えばベニテングタケなら、☆の位置に食べ物系アイテムを配置することで、発動速度が10%上がるといった具合です。
バッグの形状自体も変えられるのが面白いところ。バッグもアイテムの1つですので、初期バッグ以外は購入する必要があります。
ついバッグの拡張を優先しがちにはなりますが、ちゃんと攻撃や防御も意識してアイテムを揃えないと、準備が整う前に5敗して終了なんてこともあります。
セールにも惑わされます。低い確率でアイテムが半額で売られるのですが、セールに振り回されて狙いがぶれてしまうこともよくあります。
アイテムは元値の半額で売却できるため、セールで買ったアイテムはただで使えるも同然です。使わず売っても損にはならないのですが、使わないともったいない気がしてしまうのが人間の心理でしょうか。
職業やアイテムの引きで変わる戦い方
職業は現時点で4種類。職業によって初期バッグやアイテムの種類が変わります。職業によって戦い方がガラリと変わるのはもちろんのこと、同じ職業でもショップのアイテムの出方によって戦い方を柔軟に組み立てていくのも大切です。
狙った戦い方にこだわった挙げ句、アイテムの引きが悪くちぐはぐになってしまうこともザラ。自分なりに戦い方のバリエーションをいくつか用意しておくことで、安定して戦えるようになります。
特定のアイテムを隣接させてバトルに出すことで、次のターンで合成が行われます。基本的には効果が高まるので、合成も見据えながらアイテムを揃えていきます。
振り返りと学びが大切
一度合成したアイテムは、レシピから組み合わせが見えます。アイテム一覧のほか公式Wikiも用意されており、そのあたりはどんどんオープンにして、バッグ整理(ビルド構築)を楽しんでほしいという狙いが見えます。
敵のビルドが見えるのも面白いところ。バトル中は介入要素がないので、どう組み立てたのかで勝負が決まります。強いビルドはどんどん真似をしていけばいいですし、アイテムの合成も見えたりするので、今後の参考になります。
バトルのログも確認でき、アイテムが狙ったとおりに発動しているかもチェックできます。
バランス調整が早い
バックパックバトルズは、ほぼ週ごとのレベルで頻繁にバランス調整が行われます。そのため、強いビルドは存在しますが、いわゆる「最強ビルド」は存在しないと言っていいでしょう。
クールダウンやダメージの数値をわずかに調整しただけで環境がガラッと変わってしまうのは面白いですし、開発者がそれだけプレイヤーをよく観察しているということでもありますので、このゲームのやりがいにもつながる部分です。
終わりに
バックパックバトルズは、もう一回が癖になるデッキ構築ゲームです。非同期対戦のため余計なストレスがかからないのも良い点です。
時間をかけて構築したビルドがはまったときの喜びはとても大きく、本当に気持ちの良いものでした。バトルそのものよりも準備が楽しくなっちゃう人にはたまらないゲームではないでしょうか。
早期アクセスということで、今後も進化していくであろうバックパックバトルズから目を離すことができません。