「風来のシレン6」初心者レビュー。いい意味でローグライクの洗礼を受けました
2024年1月に発売された「不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録」。日本におけるローグライクRPGの本流と言っても過言ではない風来のシレンシリーズの最新作です。
年初めにプレイしてからレビュー記事をだいぶ寝かせてしまいましたが、夏休みに没頭できるゲームということで参考にしていただければと思います。
シビアさが求められるローグライク
一般的なRPGでは、戦闘を繰り返してキャラクターを強くしながら先に進んでいくわけですが、ローグライクは一度死ねばレベルもアイテムも持ち金もリセット。残るのはプレイヤーの経験のみで、その経験を積み重ねてクリアを目指すわけです。
そのシビアさ故に避ける人もいれば、一つひとつの行動が重要になるひりひり感がたまらないというローグライク好きも少なくはありません。近年では、バトルロイヤルなどのシューターやカジュアル系のゲームでも、ローグライクやローグライトの要素を取り入れたものが増えています。
私はというと、ローグライクに触れたことはあるものの、そこまで積極的に遊んできたわけではありません。風来のシレンに代表される「不思議のダンジョン」シリーズも、「チョコボの不思議なダンジョン」しかプレイしたことがありませんでした。
ただ、ローグライクって動画や配信で見るとすごく楽しんですよね。うまくいっている展開なのにわずかなミスで負けてしまったり、アイテムの引きは悪いのに圧倒的にうまい立ち回りでどんどん先に進んだり。
そんなプレイを見ているうちに、不思議のダンジョンはほぼ初心者の私もプレイしてみたくなり、偶然この時期に発売された風来のシレン最新作を購入するに至ったというわけです。
これがローグライクの面白さ
1ターンの重要性
風来のシレン6でも、もちろんレベルはダンジョンに入るたびに1からスタートしますし、手持ちアイテムもお金もなし。ダンジョンの構造もバラバラです。
本作では、一度見つけたアイテムや敵の効果は記録され、いつでも確認できるようになります。とはいえ大切なのはプレイヤーの感覚で、さまざまな特徴をもった敵と手持ちアイテムでどう戦うか、先のダンジョンのためにアイテムは温存すべきかどんどん使うか、シンプルなゲーム性ながら考えることは山ほどあります。
昨今では少なくなりつつあるターンベースでゲームが進行するため、移動速度が速い一部の敵を除けば、こちらが行動するまで相手が動くことはありません。その分、1ターンの使い方に重みがあり、間違えた方向に1歩動いただけで戦局が大きく傾くこともあります。
道中の敵を倒すと経験値を獲得し、レベルが上がるとHPが上がって戦いやすくなります。しっかりレベリングしたほうがいいのですが、一方で満腹度の制約があって、ときには不十分な強さのまま先に進まなければならないこともあります。
ランダム性の一方で重要なプレイスキル
アイテムの配置もランダムで、序盤から強武器を手に入れたのに遠距離攻撃に対応できなかったり、巻物はたくさんあるのに武器が初期装備レベルに弱かったり。
どれだけうまいプレイヤーでもだめなときはだめなのがシビアなところ。それでも完全に運に依存するわけでもなく、熟練プレイヤーほど適切な状況判断によりピンチを乗り越えていきます。
腕輪や壺は、入手した時点では仮の名前が付いており、そのものの正体は分かりません。識別の巻物を使えばすぐ分かりますがそう都合よく手に入るものでもなく。ひとまず使ってみて効果を確かめるのも重要です。
これはアイテムを出し入れできるから保存の壺だなとか、敵やNPCの位置が分かるから気配察知の腕輪だなとか。知識が付けば判別も早くなり、アイテムも効率的に活用できます。
死亡すれば本当に最初の町からやり直し。アイテムもレベルもなくなっているのを見ると悲しくはなりますが、それでもまたダンジョンに向かいたくなるのがローグライクの魔力。
「本編がチュートリアル」は本当だった
アイテムやレベルはリセットされますが、ストーリー進行で道中アイテムの種類が増えたり、仲間キャラのサポートがあったりするので、やり込むことで本編クリア自体はしやすくなっていきます。
不思議のダンジョンシリーズでは、プレイヤーの間で「本編がチュートリアル」と言われます。本編をクリアした後にもっと難しいダンジョンが用意されているという意味ですが、本作でも趣向を凝らしたさまざまなダンジョンがプレイヤーを待ち受けます。
クリア後のダンジョンでは、草や杖も鑑定されていない状態で落ちていますし、敵の強さも一段上がります。本格的に心が折れるのはむしろここからでしょう。
終わりに
以上、「風来のシレン6 」レビューでした。
ローグライクRPGの中でも難易度は高いものの、何度もやられながら知識をつけていくことで、確実に先に進めるようになります。
ジャンル的に、合う人と合わない人の差が大きく出るゲームだとは思いますが、真のローグライクを知りたいならぜひ触れておいてほしいゲームと言えます。