「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」の売り上げが250万本を突破!空前の好セールスを記録した理由をファン歴20年ゲーマーが分析する

株式会社コナミデジタルエンタテインメントは、 「桃鉄」シリーズ最新作「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」(Nintendo Switch)が累計販売本数250万本(ダウンロードを含む)を突破したことを発表しました。

目下のNintendo Switchの好調さを考えれば、100万本はあるかもと期待していましたが、ここまでの売り上げはまったくの想定外。現在の勢いを考えれば、300万本という数字も現実的なものとなってきました。

桃鉄ファンとしては、これだけ売れてしまえば次回作があるかないかの心配をする必要はなく一安心といったところです。(近年はいろいろあったから…)

さすがにここまで売れてしまうと、その理由をちゃんと分析するのがファンの務め。ということで、書きます。

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Nintendo Switchの好セールス

2020年4月~12月の9ヵ月間で、Nintendo Switch本体は2410万台を売り上げたことが先日明らかになりました。発売から3年が経過してなお、前年を上回る売上を記録し続けています。

特に2020年は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で巣ごもり需要が発生。世代末期のPS4と比較しても有利な立場にあったこと、2台目、3台目需要で携帯モード専用の「Switch Lite」が売れたこともあり、大きな伸びを見せています。

ソフトでは、2020年3月発売ながら、12月までに2,000万本弱の売上を記録した「あつまれ どうぶつの森」をはじめ、既存タイトルの「マリオカート8デラックス」「リングフィットアドベンチャー」なども着実に売上を伸ばしました。

ハードの売上がソフトを引っ張り、良いソフトがハードを引き上げる。そんな好循環が発生しているのが、今のSwitchではないでしょうか。

もちろん、Switchで発売されたゲームのすべてが売れているわけではありません。ソフト自体に魅力があってこその数字でしょう。

【関連リンク】
2021年3月期第3四半期 決算説明資料(任天堂)

パーティゲーム需要の高さ

年末年始は例年、帰省をしたり、旅行に行ったり、あるいは初詣や初売りに出かけたりと、外出をして過ごす人も多い時期です。

今年は不要不急の外出が呼びかけられたこともあり、ほとんどの時間を家で過ごした方も多かったのではないでしょうか。

在宅で仕事をしている私などは感じたことないのですが、普段から出かける習慣がついている方は、家でどう過ごしたらいいか迷うこともあるそうですね。

さらに家族がいたりすると、子供たちをどう鎮めるか苦労していることと思います。そんなときに白羽の矢が立つのは、やはりゲームなのでしょう。

パーティゲームはアクション的なテクニックを必要としないため、誰でもすぐにプレイすることができます。ゲームに慣れてない人も含めて楽しむのには最適ですよね。

年末年始は例年でもパーティゲームが伸びやすいのですが、今年は特にその傾向が強く出たような気がします。桃鉄以外にも、「世界のアソビ大全51」が好セールスを記録しました。

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学習用途として「親受け」する

このブログでも何度かお話したと思いますが、私は桃鉄きっかけで日本の地理が好きになりました。

多くの子供たちが苦戦する都道府県の位置暗記なんて楽勝でしたし、物件駅で売られているもので産業を覚えましたし、最高の素材だと今でも思います。

多くの学校では、日本地図の白地図をひたすら埋めることで暗記をさせる手段をとっていると思いますが、まあ正直言ってこのやり方は、ほとんどの子にとって苦痛ですよね。

元社会科教師としては、このようなやり方がまかり通っている現状は申し訳なく思います。覚えることはできるかもしれませんが、これで「社会を好きになれ」と言われても、そりゃあ無理な話でしょう。

都道府県の暗記に限らず、勉強の中に楽しみを取り入れることで学習効果が上がることは、多くの方がなんとなく理解しているのではないでしょうか。

今の親世代はゲームにそれほど抵抗がないでしょうし、とはいえただ遊ばせるだけよりも勉強につながったほうがいいだろうということで、桃鉄が注目されたのかなと思ったりもします。

なにより、私がずっと主張してきた「桃鉄学習教材説」が浸透していたことには感慨を覚えます。(もちろん、そこに私は貢献していないでしょうけど。)

動画投稿との相性の良さ

最近のゲームのヒット傾向のひとつとして、動画投稿の盛り上がりを欠かすことはできません。2020年であれば「Fall Guys」や「Among Us」が記憶に新しいところです。

ゲーム実況動画を視聴する上で、ゲームが上手い人のプレイを見て感心するのも一つの楽しみ方ではあります。でもどちらかというと、「思わぬハプニング」で笑いを誘うほうが、より視聴者受けしやすい側面はあるでしょう。

桃鉄は運ゲーと思われがちですが、私からすると立派な戦略性のあるゲームなんですよね。

ただ、動画投稿で扱われやすい3年プレイでは、プラス駅やマイナス駅の増減額が多めに設定されていたり、大きな損害をもたらすキングボンビーが最初から登場する可能性があったり、短期間で資産が上下しやすい設計になっています。

それゆえ、一発勝負レベルでは初心者が上級者に勝ってしまうこともあって、その意外性が動画投稿にマッチしている感はあります。トップを走っているプレイヤーがキングボンビーで転落したり、宝くじ駅で一発逆転があったりするシーンはやっぱり面白いですし。

KONAMIは基本的に、個人による動画の収益化を容認していませんが、本作では異例の対応としてそれを許可。それどころか、動画投稿キャンペーンで積極的に推進しました。(パワプロやウイイレもやってほしいなあ…)

ジャンル的にも、銃を撃ち合うFPSゲームはどうしても人を選びますが、パーティ系のゲームは世代や趣味趣向を問わず見られますからね。

「すごろく+日本地理」ということで、ゲームにそれほど詳しくない人でも親しみをもちやすいのは、桃鉄の大きな魅力でしょう。

【終わりに】桃鉄で日本を元気に

「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」がここまでのヒットを記録したのにはさまざまな理由があるでしょう。

とはいえ、桃鉄というゲームにそれだけの魅力があったからこそ、チャンスを掴むことができたのは間違いありません。

シリーズの長年の積み重ねに敬意を表するとともに、今後も多くの人々に愛されるゲームとして存在し続けてくれることを願っています。

あちこち出かけるのが難しい昨今ではありますが、桃鉄のプレイを通して「日本」に興味をもつ人が増えてくれれば、こんなに素晴らしいことはありません。

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