野球ゲームの9VS9オンラインマルチプレイが難しい理由。現実的に実現できる形を考える
最近はオンラインマルチプレイのゲームが増えてきましたね。遠く離れた人と協力プレイすることも普通になっています。
しかしよく考えてみると、スポーツゲームのオンライン協力プレイって、ほとんどないですよね。
なぜそれが実現できないのか、実現するとしたらどのような形が現実的なのか、野球を例にとって考えてみました。
ローカルでは4人程度が限界。でもオンラインなら…
2019年発売予定のNintendo Switch版「実況パワフルプロ野球」では、最大4人での協力プレイが実装されます。
私は学生時代、友達と「ウイニングイレブン」をよくプレイしていたのですが、そのときは同じチームを4人で協力して動かしたりしていました。
ローカル環境の協力プレイは、ゲーム画面の制約もあり4人くらいが限界です。
しかしオンラインであれば、野球なら9人、サッカーなら11人でも遊べるはずです。100人が同じフィールドで戦うバトルロイヤルができる今の時代なら、技術的にはそれが可能でしょう。
ではなぜ実現しないのでしょうか。私なりに考えた結果、2つの理由が思い浮かびました。
大人数チームのオンラインマルチが難しい理由
プレイ時間に差が出る
野球では打順は9回に1回平等に回ってきますが、それ以外は特にやることがありません。
守備ではもっと問題があり、ピッチャーはすべてのプレイに関与しますが、それ以外のポジション、特に外野は何もせずに過ごす時間が長くなってしまいます。
アクションを要求されない時間が長すぎるのは、ゲームとしては退屈です。
プレイに関与したがり、チーム崩壊
小学校時代のサッカーを思い出してみましょう。ボールに子どもたちが群がる光景は、どこの学校でも見られたかと思います。
オンラインプレイにおいては、やはり基本的に、ボールを触りにいきたくなるプレイヤーが多くなると予想されます。
野球の場合でも、声を掛け合っての連携が難しいため、ボールに集まってしまいベースがら空きみたいな現象が多発する予感がします。
e-sportsなら可能ではあるけど
純粋にチームの勝敗を競うe-sportsであれば、実現の可能性は高まります。
唯一の目的はチームの勝利ですから、ボールに必要以上に集まってしまうこともありません。
声を掛け合いながらプレイすることもできますので、連携プレイもある程度スムーズにいくでしょう。
ただしチームを作るハードルは上がります。10人前後のプレイヤーの予定を合わせて大会に参加したり、それに向けて練習したりするのは、けっこう大変ですよね。
現実的なラインで野球のマルチプレイを構想してみる
マルチは4人がちょうどいい?
現実のスポーツをそのままオンライン上で実現するのは、やはり困難だろうと思います。
マルチプレイでうまく連携が取れるのは、せいぜい4人が限界ではないでしょうか。
考えてみると、バトルロイヤルのスクワッドも4人ですし、スプラトゥーンも4人。おそらくさまざまなバランスを考慮した上で、4人に収まっているのだと思います。
4人くらいであれば、その中にひとり手を抜くプレイヤーがいたときに、チームの勝敗を大きく左右することになります。
1チームに10人くらいいるシステムにしてしまうと、1人2人が暴走しても、ある程度はカバーすることができます。
一人ひとりの責任感を高め、プレイヤーの実力を適切に評価する上でも、4人くらいが適切なのかもしれません。
4人チームにおける役割分担
4人がちょうどいいという結論になったところで、野球のオンラインマルチを4人チームで考えてみましょう。
- 投手(1キャラを操作)
- 内野1(3キャラを操作)
- 内野2(3キャラを操作)
- 外野(3キャラを操作)
くらいの分担になるのでしょうか。守備時には投手の出番が多くなりますが、打席数で差が付きますので、悪くないと思います。
それでも投手とそれ以外ではプレイ内容が大きく異なりますので、マッチングの時点で自分が担当したい役割を選択する方式がよさそうです。
評価項目は、チームの勝利、打撃成績、投球成績を重視し、個々の守備はそこまで重視しないシステムにします。
守備を機械的に評価することは、現実の野球でも難しいことです。チームの勝敗にウエイトをもたせることで、守備も適切にこなすよう促します。
野球の場合は打者としての出番が確実に回ってきますから、その意味では評価の機会はある程度平等に与えられます。
イニングは9回だと長いので5回まで。15分以内に収めたいところです。
【終わりに】プレイヤーが集まるかという大きな課題
今回は野球のオンラインマルチプレイが実現する可能性について考えました。
システム上はいけそうなのですが、いちばん大切なのはプレイヤーが集まるかどうか。
「ひとりで全部操作したほうが楽しいやん」となりそうな気がするのは、大きな課題です。
でも一度は遊んでみたいな。