ゲームの2020年を振り返りつつ2021年を展望する。新年はまだ見ぬ新作に期待!

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いつもの年以上にいろいろあった、ありすぎた2020年も終わりを迎えようとしています。

ゲーム業界は全体として恩恵を受けたと言われていますが、開発体制の維持や部品調達などで苦労した部分もあったことでしょう。

2020年をざっと振り返りつつ、2021年はどんな年になるのか、トピックスごとに見ていきたいと思います。

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PS5は期待薄。Switch一強に拍車か

2020年11月、大きな期待をもって発売されたPlayStation5(と、Xbox Series X・S)。2020年一番のビッグニュースになるはずでした。

しかしふたを開けてみると、PS5は年末商戦期に週2万台に届かない国内出荷数にとどまるなど、SIEはやる気の無さを見せつけてくれました。

いくら「日本が大事な市場だ」と言い続けても数がそれに伴っていないわけで、「PlayStationの日本離れ」はいよいよ具体化してきたと言わざるを得ません。

この件に関して日本経済新聞に興味深い記事が出ていました。「Xboxとの対抗上、北米市場を重視している」とのこと。

【関連記事】PS5、国内販売はPS4の半分以下 品薄に透けるXbox対抗(日本経済新聞)

その戦略は分からないでもないのですが、今の日本にはNintendo Switchという強力なゲーム機があり、コアゲーマー層ではゲーミングPCが伸びていることを考えると、「日本はほっといても大丈夫」というのはあまりに楽観的でしょう。

PS5の国内販売が伸びないままであれば、海外売上の割合が多くない国内ソフトメーカーは開発に手を出しづらい状況になります。国産タイトルの不足は長期間続くことになるかもしれません。

12月に伝わってきた、SIEから大物が立て続けに離脱しているというニュースも気になるところではあります。

【関連記事】『Bloodborne』や『Déraciné』の開発に携わったSIE WWS JAPANスタジオプロデューサーの鳥山晃之氏同スタジオを12月末に退職。新天地で新規ゲームIP創出へ(電ファミ)

そんなPS5を尻目に好調なのが、販売4年目を迎えているNintendo Switchです。

今年は新型コロナウイルスの影響があったのか、リリース作品がやや控えめだった印象ですが、「あつまれ どうぶつの森」がビッグヒットを記録したほか、新規タイトルも既存タイトルも手堅く売上を伸ばして本体売上に貢献しました。

「PS5に対抗して高機能Switchを出すのではないか」という噂もありましたが、この好調ぶりを考えるとその可能性はかなり低くなったのではないでしょうか。マイナーチェンジくらいならあるかもしれませんが。

2021年も引き続き、日本のゲームはNintendo Switchが牽引する展開となりそうです。

控えめだった新作。2021年はドバっと出る?

新型コロナウイルスの影響により、開発体制に大きな影響が出たと言われているゲーム業界。

2020年冬現在でも感染の勢いは収まることはなく、依然として厳しい状況に置かれていることは間違いありません。

とはいえ、2020年始めの流行開始当初と比べれば、経済活動が活発になってきているのは事実。

2020年にリリース予定だったけど遅れてしまった作品が、2021年後半にかけてにどばっと出てくるのではないでしょうか。

任天堂で言えば、「スプラトゥーン」あたりの続編はそろそろ出てもおかしくない頃でしょう。あわよくば「マリオカート」や「スーパーマリオ」も。「ゼルダの伝説」はまだ早いかな。

ポケモンは完全新作なのか、リメイクなのかは分かりませんが、なんらかの作品が発売されるのは間違いないでしょう。そういえばMOBAの「ポケモンユナイト」もありますね。

スクエニでも、発表以来情報がほとんど出ていない「ドラゴンクエストモンスターズ最新作」も気になります。(ドラクエ関係は元々、発表から時間がかかるけど)

PS5の新作に関しては、国内で大きな注目を集めそうなタイトルは現状なさそう。というより、本体が普及していない今の段階でリリースするのは得策ではないでしょうね。

フルプライス作品だけではなく、まだ見ぬ多くのインディーズゲームも楽しみにしたいと思います。

とはいえ、2020年内に無理やり間に合わせ、バグ多発や最適化不足で返金騒動にまで発展した「サイバーパンク2077」の過ちは繰り返さないでほしいものです。

期待感を煽る過剰な宣伝と、スケジュールを急かす経営判断に振り回されたのは、開発陣にとって不幸な出来事だったことでしょう。

日本では存在感が薄いクラウドゲーミング。2021年も発展途上か

2019年秋に華々しくローンチされたGoogleのクラウドゲーミングサービス「Stadia」。2020年には欧米以外の地域への拡大も予想されましたが、それはありませんでした。

これに関しては、新型コロナウイルスの影響というよりも単純に、先行リリース地域で流行らなかったからでしょう。

通信環境の不安定さというクラウドゲーミング特有の課題に加え、ラインナップの貧弱さ、さらには定額課金+買い切りというお得感のなさが、普及へのブレーキとなっています。

AmazonやFacebookがカジュアル層をターゲットにしてクラウドゲーミングに参戦する中で、Googleはこの路線で突っ走るのか気になるところです。

その中で2021年に注目されるのが、Microsoftの「Project X cloud」です。すでにゲーム事業を展開しているMicrosoftですから、ラインナップは他とは段違いのものです。

非ゲームメディアは「ゲーム機がいらない!」「どこでもできる!」ばかり注目しますけど、結局大切なのはラインナップですので。

ただ私の中にずっとあるのは、大きなモニター用に作られたゲームをスマホの画面でどこまで楽しめるのかという疑問です。

そのままなら目にすごい負担がかかりそうですし、スマホ用に最適化すれば魅力が大きく削がれるでしょうし、どのような形に落ち着くのかは気になるところですね。

少なくとも言えることは、2021年においてクラウドゲーミングが一般的になる可能性は極めて低く、それを理由にゲーム機を買い控える必要はないということでしょう。

転売屋対策は多少改善も、抜本的な解決には至らず

ネットショッピングが発達した現代の宿命というべきか、人気商品を買い占めて高値で転売する「転売屋」が後を絶ちません。

今年は新型コロナウイルスの流行に伴うマスクや消毒液の不足が深刻化し、転売屋に対する非難の声が強まった年になりました。

ゲーム関連商品も相変わらず多く狙われ、Nintendo Switchやリングフィットアドベンチャーは希望小売価格の何倍もの価格で取引されました。

PS5はただでさえ供給量が少ない中で転売屋が暗躍し、カオス具合に拍車がかかっています。

PS5では、ヤフオクやメルカリで「対策しますよ」的な話は出ていたものの、結局それもうやむやなままで高値転売が続いている状況です。

転売を規制する明確な法律がない以上、メーカーや小売店でできることには限りがあります。

小売店が取り入れている予約抽選販売はひとつの方法ですし、例えば人気商品の高額転売は自動的に弾くような仕組みを構築するなどの対策も、サイト側には求められるのでしょう。

Twitterなどで「仕入れの成果」を悪びれることなく報告する転売屋の様子を見ていても、彼らに自制を促すのはほとんど不可能。法律の範囲内でできる対策をとっていくしかなさそうです。

転売屋の暗躍で一番割りを食うのは末端の消費者ですからね。本来なら「消費者保護」の観点から、国が動いてほしいところなのですが…

現状では、需要と供給のバランスが取れることくらいしか解決法が思い当たりません。この話になると、またPS5の出荷数少なすぎ問題に行き当たるんですけどね。

スマホゲームは良くも悪くも変わらない

ここ数年は停滞気味と言わざるをえない日本のスマホゲーム。

局所的に流行した作品はありましたが、「誰もが注目する期待の新作」みたいなのはなくなってきていますよね。

国内メーカーは明らかにリリース数を絞っており、新作ソシャゲをめぐる状況が厳しいことをうかがわせます。

各社がソシャゲ部門にそれほど力を入れていないように見えることを考えても、2021年になって状況が大きく変わる可能性は低いでしょう。

良くも悪くも、「スマホゲームはこれくらいがちょうどいい」というラインが見えてきたのかなと。だからこそ「ハイパーカジュアル」と言われるゲームが隆盛を極めているのでしょう。

既存アプリがコラボガチャで稼ぎ、中国から三国志ゲームが押し寄せ、謎のブラウザゲームが広告を占拠する。2021年もそんな一年になると思います。

【終わりに】2021年は良い年に

社会的には本当にきつい年になった2020年。ただそんな中で、「あつまれどうぶつの森」の大ヒットに象徴されるように、ゲームが人々に癒やしを与える一年でもありました。

まだまだ厳しい状況が続くかもしれませんが、ゲームをしているときくらいはいろいろ忘れて、楽しんだり、笑ったりしたいものです。

「来年は良い年に」という言葉が今年ほど切実である年も、そうはないですよね。