4K対応Switch発売のBloomberg報道を任天堂が否定。任天堂のスタイルを考えれば当然では?
任天堂は9月30日、Nintendo Switch向けに4K対応ソフトを準備していること、4K対応Switchの発売を計画しているとの報道を否定しました。
投資家のみなさまや、お客さまに正しくご理解いただくためにお伝えします。2021年9月30日(日本時間)の一部報道において、当社が4K対応のNintendo Switchソフトの開発を推進し、そのための開発機材を提供しているかのような趣旨の記事が掲載されましたが、この記事の内容は事実ではありません。 [1/2]
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) September 30, 2021
なお、既に7月にお伝えしております通り、2021年10月8日に発売するNintendo Switch(有機ELモデル)以外に、新たなモデルの計画はありません。[2/2]
— 任天堂株式会社(企業広報・IR) (@NintendoCoLtd) September 30, 2021
スルーではなくきっぱり否定しているということで、これは本当にない話なのでしょう。この声明の発端となったのは以下の記事と思われます。
【参考記事】
ゲーム会社、任天堂スイッチの4K対応ソフトを開発中-キット配布で(Bloomberg)
Bloombergといえば、1年以上前から高機能版Switchの登場を主張し、先日の有機EL版Switchの発売をもってそれが否定されたのは記憶に新しいところですが、まだ諦めきれていなかったようです。
Switchを4Kに対応させる動機が薄すぎる
先程の記事では、2020年に発売されたPS5やXbox Series X|Sは4K映像の出力に対応しており、任天堂もそれに対応するのは当然だという論調で書かれていますが、私はそれに大きな違和感を覚えます。
そもそもの話が、任天堂がグラフィックを含めたスペックで競争をしていないのは周知の事実であり、有機EL版Switchが発表された際に4K対応していないことにそれほど驚きの声が上がった記憶はありません。
さらに言えば、4K8K対応機器の国内販売数は2021年8月にようやく1,000万台に達したばかり。将来的には4K8K対応機器に置き換わっていくのでしょうが、テレビの存在感が低下している昨今において、高価な4K8K対応機器が急激に伸びるのは考えづらいでしょう。
【参考記事】
国内1,000万台達成は何を意味する? 新4K8Kテレビの普及シナリオは次の段階へ(マイナビニュース)
そう考えると、以前も似たようなことを書きましたが、Bloombergの記事にあるように任天堂が急いで4Kに対応させる動機は弱く、根本の認識からずれがあると言わざるを得ません。
いずれ任天堂のゲーム機が4Kに対応する時代も来るでしょうし、準備している可能性はもちろんあるでしょう。ただしそれはおそらくSwitchではなく、数年も先に発売される別のゲーム機になる気がしています。
ちなみに、有機ELモニター搭載のNintendo Switchは2021年10月8日発売です。