「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」が終了へ。結局コンテンツ次第という当たり前の結果に

ヤフーは6月23日、提供していた「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」のサービスを、9月23日14:00をもって終了すると発表しました。

Yahoo!ゲーム ゲームプラス終了のお知らせ(Yahoo! JAPAN)

サービス開始から3年、脱アプリストア、クラウドゲーム展開の試みはなぜ失敗に終わってしまったのでしょうか。


引用:Yahoo!ゲーム ゲームプラス

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結局はラインナップの問題

厳しい言葉で言ってしまえば、「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」のピークは発表された時だったのかもしれません。その後はほとんど話題にのぼることはありませんでした。

同サービスについておさらいしておくと、ブラウザベースでゲームを提供することで、PCやスマホなどの端末を選ばずプレイできることを売りとしていました。

HTML5のリッチなブラウザゲームと、ゲーム機品質のゲームを楽しめる「クラウドゲーム」が二本立てで、少なくともメディアでは、それなりの期待感をもって受け止められた記憶があります。

それでもこのような結果に終わったのはやはり、圧倒的なコンテンツ不足でしょう。

提供される作品のほとんどがカジュアルゲーム。印象としては、「そこらにあるブラウザゲームと何が違うのかな」という感じでした。

クラウドゲームでは、スクウェア・エニックスが「ファイナルファンタジー」旧作などを展開してはいたものの、ゲームプラスでそれらをプレイすることに、ユーザーはメリットを見出すことはできませんでした。

魅力的な作品が十分提供されなかった理由については、アプリストアの圧力説もささやかれていましたが、本当のところはよく分かりません。

以下はサービス開始当初に書いた記事です。私は当時から懐疑的だったようで、ここに書いていた懸念はほとんど当たってますね。我ながら感心します。文章は若干読みにくいけど…

クラウドゲームはいまだ花開かず

クラウドゲームといえば、2019年にGoogleのStadiaが華々しくデビューしました。発表会ではゲームの未来を感じさせてくれましたが、そのほとんどの機能は現時点で体感することができません。

Googleにしてみれば、サービス開始当初は「β版」みたいな感覚で、徐々に機能を追加したり、コンテンツを充実させたりすればいいと考えていたのかもしれません。

しかしある程度信用できるプラットフォームならともかく、Googleはゲームの世界では新参です。ローンチタイトルの重要性を、少し甘く見ていたのではないでしょうか。

もちろん今後、Googleの圧倒的な財力をもって独占タイトルをバンバン取り、機能の拡張が急速に進み、欧米以外の地域でもサービスを開始して覇権を握る可能性もあるでしょう。5%くらいは。

勝負をするならPS5やXbox Series Xになるかと思いますが、SIEやマイクロソフトが自社スタジオを強化してコンテンツの充実を図り、これまでの実績からサードパーティとの信頼関係も十分であることを考えると、厳しい戦いになることは間違いありません。

大作を作れるゲーム会社との独占契約が難しければ、中小の有望なスタジオに資金提供して共同制作に取り組むなどの戦略も必要になってくるかと思います。そこから大きく育つこともありますしね。

Amazonがクラウドゲームに参戦するとの噂も流れたものの、これまでのところ具体的な動きはなし。自社開発タイトルが苦戦している現状では、慎重にならざるを得ないでしょう。

引用:Googleブログ

【終わりに】魅力的なコンテンツは必須

「Yahoo!ゲーム ゲームプラス」の話からクラウドゲームの話まで広がってしまいましたが、結局のところはコンテンツ不足問題に行き着くんですよね。

ゲームの遊び方だけ未来になっても、提供されるゲーム自体から感じるのは未来でも今でもなく「過去」です。それではユーザーは集まりません。なぜそこを充実させないまま見切り発車してしまうのか、私にはよく分かりません。

なんらかの事情があるにせよ、それはユーザーにとって関係のない話ですから。

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