今週話しておきたいゲームなどのこと(2020年10月24日号)~人気の裏にあるもの~
一週間で気になったゲームニュースと、それ以外で日々私が感じていることを書き連ねていく連載コーナーです。
フルプライスゲームに邪魔な広告。あなたはどう思いますか?
2Kから発売された「NBA 2K21」において、ロード中に広告が流れるアップデートが行われ、プレイヤーから批判の声が挙がっているようです。
スマホ向けの無料ゲームであれば、ステージの合間などに広告が入るのは当たり前のことです。無料で遊んでいることもあり、プレイヤーも仕方ないと受け入れている部分はあるでしょう。(その頻度や内容はともかくとして。)
しかし「NBA 2K21」はフルプライスのゲームです。そこに回避できない広告が入るのは異例であり、批判されるのも仕方ない部分があるでしょう。
無料だから広告が入っても仕方がないと思うのであって、フルプライスをすでに支払っているのになぜ広告を見なければいけないのかというのは、ごく当たり前の主張でしょう。
もう一つの問題は、「アップデートにより広告が入るようになった」ということ。
メディアのレビューで広告について指摘されるのを回避するために、発売から時間をおいて実装したのではないかともささやかれています。
もしそうであれば、騙し討ちの意図がより強くなりますから、プレイヤーとしてはより強い不満を抱くことになるでしょう。
フルプライスゲームに広告が入ることについて、私は全面的に反対というわけではありません。開発費を回収することは大切ですし。
例えばですが、試合会場の一部に商品の広告を配置するとか、その程度であれば批判するプレイヤーもほとんどいないでしょう。
次世代機はロード時間の短縮をそのウリとしています。もしそこに回避できない広告をぶち込むなんてことがあるならば、批判は今回の比ではないでしょうね。
フルプライスのゲームを購入するようなゲーマー層であれば、「こんなことするなら初めから料金上げてくれ」と思うような気がします。
この問題が報じられた後に2Kは、「意図しない問題だった」として修正する意向を示しています。
2K Community 🗣 pic.twitter.com/rvMC9z0Wft
— NBA 2K (@NBA2K) October 20, 2020
しかし、「だったらしょうがないね」と納得するゲーマーはどれだけいるでしょうか。前作も同じことやってるのに。
広告を見て不快な思いをしてしまっては、広告主にとってもマイナスです。特に有料コンテンツにおいてはシビアさが求められると、改めて認識させられる事例となりました。
フォートナイトに熱中していているのはどの世代?
「フォートナイトは子どもたちに人気」というのは、比較的共通する認識かと思います。それを当て込んだ実況者も多いですよね。
ただその年齢層は、私が思っていた以上に低いところに限られるようです。LINEリサーチからこんな調査結果が出ました。
高校生に人気のゲームランキング、3位スプラトゥーン2、2位スマブラSP、1位は?(DIME)
あくまでゲーム機でのプレイに限られるものの、フォートナイトは男子高校生で5位なんですよね。
フォートナイトはスマホのiOS版でアップデートを停止していること、高校生のPC保有率はそこまで高くないと推測されることを考えると、ゲーム機に限定しなくてもこのランキング位置はそれなりに意味があるのではないでしょうか。
調査方法や時期は異なるものの、小学生を対象としたアンケートでは、一番遊んでいるタイトルとして22%がフォートナイトを挙げており、プレイ人口はさらに多いと推測されます。
「ゲムトレ」が、ゲームに関するアンケート調査を小学生375人に実施!小学生に一番人気のゲーム実況者&ゲームタイトルは?(PRTIMES)
この傾向に影響を与えていそうなのが、記事にも掲載されている人気ゲーム実況者ランキング。1位となっているHIKAKINさんは、最近フォートナイト実況が多いですよね。(それもあって、私自身は視聴頻度が落ちていますが。)
「小学生に人気があるからしばらく安泰」と見るのか、「年齢を重ねたら興味が薄れる」と見るのか、今後もデータを注視していきたいところではあります。
人気があろうがなかろうが、自分が遊びたいゲームをするのが一番ですけどね。
【今週のコラム】Vtuberの労働環境
私は持論として、「アニメをよく見る人ほどVtuberにはまりやすい」と思っているのですが、みなさんはどうですか?
いまや人気Vtuberのほとんどはなんらかの事務所に所属しており、もちろんそのキャラクターの権利は事務所が保有しています。
一般Youtuberと違い、「事務所のやり方が合わないから独立しよう」と思っても、そのキャラクターを連れていくことはできないでしょうから、また1からやり直す必要があるわけですね。
そう考えるとVtuberは、一昔前の芸能界とよく似ています。最近は変わりつつありますが、芸能人が事務所をやめるとしばらくの間はテレビに出にくくなるみたいな暗黙の了解がありますよね。
もっとも、事務所に所属すればキャラクターは用意してもらえますし、宣伝もしてもらえますし、ほかのVtuberとの絡みで知名度を上げやすいといったメリットがあります。
事務所に所属するメリットを無視して一方的に批判するのは間違っていますが、昨今頻発するトラブルを見ていると、事務所がどこまで「中の人」を守っているのか疑問に思うこともあります。
建前は「中の人などいない」でもいいですが、中の人をどう守っていくかをちゃんと考えていかないと、Vtuber絡みのトラブルはさらに増えていきそうな気がします。