任天堂、Switch2の初年度販売台数をSwitch並みの1500万台と見積もっている理由を決算説明会で回答

任天堂は5月9日、「2025年3月期 決算説明会 質疑応答(pdf)」を公開しました。

この中で、前日に公表された「2025年3月期 決算説明資料」において、Switch2の初年度販売台数の予想がSwitch並みの1500万台であったことに関する質問が出ていましたので、社長の回答と合わせて解説します。

慎重なのは「Switchより高いから」

任天堂が、Switch2の初年度販売台数の予想を1500万台としたことは、「2025年3月期 決算説明資料(pdf)」で明らかにされています。

これがSwitchの初年度とほぼ同等ということで、日本のマイニンテンドーストアの初回抽選に220万人が殺到したことを考えると、弱気の数字ではないのかという声が挙がりました。このニュースに接したとき、同じ感想を持った人も多いのではないでしょうか。

それに対して任天堂の古川社長は、1500万台の予想が、Switchの3月から12月末の約10か月の販売台数と同等の水準を目指して設定したものであることを認めました。

その理由として古川社長が挙げたのが、「Switchと比べて販売価格が高いため、早期普及にはハードルがある」と任天堂側では見ているという点です。抽選販売の状況や体験会のポジティブな反応を受けても、その考えは変わらないとのことです。

初動の勢いだけではなく、年末商戦以降も勢いを維持していくことが大切だとも述べており、目先の状況だけに振り回されないという考え方が示された形です。

私たちはどうしても日本を基準に考えがちですが、例えはSwitchにおいては、日本国内のシェアは約25%であり、それ以外はアメリカ大陸やヨーロッパを中心とした国々で占められています。(任天堂「連結販売実績数量推移表」より)

Switch2は、日本語専用版と多言語版で2万円の価格差があります。ソフトも値上がり傾向にあります。そう考えると、特に海外での販売に対して慎重にならざるを得ないという任天堂の考え方も、ある程度は理解できるように思います。

1500万台が限界というわけではない

そのうえで、1500万台という数字は、生産能力の制約によって決められたものではないという点も、繰り返し述べています。

直近の大きな需要に応えるため、生産体制の強化を進め、販売促進に注力し、業績予想を上回ることを目指すとの考えも示されており、「1500万台以上は作れません」と言っているわけではない点は留意する必要があるでしょう。

もちろん、私も含めてSwitch2の抽選に当選していない任天堂ファンからすれば、「どんどん増産して早く購入させてくれ」と思うところではありますが、アメリカの関税政策を中心とする世界経済の不透明さがある中では、リスクを抱えすぎることができないのはやむを得ないのかもしれません。

社長が明言している生産体制の強化に期待しつつ、着実な転売対策の実施によって欲しい人により早く届く状況になることを望みます。

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Posted by hiro