【レビュー】「マリオカートツアー」はゲーム機版とは別のゲーム。あくまでソシャゲ版と割り切る必要あり
2019年9月25日、スマホゲーム「マリオカートツアー」がリリースされました。
任天堂のスマホゲーム史上もっとも好調なスタートを切ったとの調査結果もあり、マリオカートへの高い期待をうかがい知ることができます。
『マリオカート ツアー』が配信初日で2000万ダウンロードを突破、マーケティング会社調べ。スマホアプリとして任天堂の最高記録を更新(電ファミニコゲーマー)
一方でゲーム機版マリオカートになじんできたプレイヤーからは、ゲーム性の違いに戸惑いの声も上がっています。
初代マリオカートからプレイしてきた私が、スマホ版マリオカートのゲーム性や課金要素などを、しっかりレビューしていきます。
課金はきつくないけど圧がすごい
課金要素はいくつかあります。
1つ目が「ドカン」で、これがいわゆるガチャです。ドライバーやマシン、グライダーが排出されます。
これらのアイテムは「コイン」でも獲得可能ですが、コインはとてもたまりにくいですね。
2つ目が「ゴールドパス」。月額550円でさまざまな特典を受け取ることができるのですが、きついなと感じたのがこの表示。
レースをクリアして「グランドスター」を集め、それが一定数たまると、ツアーギフトを受け取ることができます。全部で4~5の報酬が入っているのですが、そのうち2つはゴールドパスを所持していないと受け取ることができません。
「ゴールドパスがあればこの報酬が受け取れるのになあ~ もったいないなあ~」
と言わんばかりの表示になっているので、この部分に課金圧を感じてしまいました。
一応擁護しておくと、ゴールドパスは普通にガチャ課金するよりはかなりお得になっています。
1位を目指さないマリオカート
今までのマリオカートでは、1位を目指してレースをするのが当たり前でした。
本作ではポイントを稼ぐことが目的であり、ポイントに応じて「グランドスター」を獲得し、先のステージに進むことができます。
順位が高ければより多くのポイントが入ることは確かですが、例えばアイテムを敵にぶつけたり、ロケットスタートを決めたりといったテクニックでも、ポイントが入ります。
ドライバーによって得意コースが決められており、得意コースではアイテムを3つまで取得することができます。
同じアイテムが3つ揃うとフィーバーとなり、無敵状態プラスアイテム使い放題になります。これを出してしまえばかなりポイントを稼ぐことができます。
つまりより多くのドライバーを用意しておけば、各ステージで有利にポイントを稼ぐことができます。このあたりで課金者有利な感じが出てきますね。
操作は慣れ…なのかな?
続いては操作性です。
アクセルは自動的に踏みっぱなしで、プレイヤーの操作はアイテムの配置と左右の移動だけ。左右にぐっとスワイプをするとドリフトが出ます。コースアウトもほとんどありません。
コントローラーでのマリオカートに慣れていると、スワイプでドリフトをするのは非常に難しく、小さくスワイプするとドリフト判定にならないですし、大きくやりすぎるとマシンが暴れます。
微調整は困難な印象です。これは慣れればうまく操作できるようになるのかもしれませんが、現時点ではなじめませんね。コントローラーがほしい。
成長要素は面白い
全体的にネガティブなレビューになっていますが、面白なと思ったのが成長要素です。
これまでのマリオカートでは、マシンやグライダーを集める要素こそあったものの、キャラクターやマシンが成長する要素はありませんでした。
ソシャゲ化するためにこうしたのでしょうが、これはマリオカートの新しい遊び方としてありだなと思いました。
「マリオカート9(仮称)」でも、成長が楽しめるような要素が導入されないかなと期待してしまいます。
【終わりに】ゲーム機版とは別ゲーと考える
「マリオカートツアー」はあくまでソシャゲのマリオカートであり、ゲーム機版のマリオカートを期待するとがっかりします。
これはこれで楽しいのだろうとは思いますが、ゲーム機版に馴染みがある人ほど、その違和感は大きくなるような気がします。
従来のマリオカートファンをごっそり取り込むのは難しいかもしれませんが、比較的ライトなユーザーを取り込むには、これがいいのかなと思ったりもします。
マリオカート9(仮称)を期待して待ちつつ、本作をきっかけにマリオカートファンが増えることを願いたいものです。