2019年のゲームニュース総まとめ。ゲームの未来は次世代機かストリーミングか。オートチェスやディスガイアも
2019年もさまざまなニュースがゲームファンを賑わせました。
大小さまざまなニュースの中から、ゲームメディアでニュース記事を担当することもある私が注目したゲームニュースを厳選して紹介します。
ゲームストリーミング(クラウドゲーム)
引用:Googleブログ
3月にGoogleが発表した「stadia」は、ゲームストリーミングの存在を世間に知らしめました。
ハイクオリティなゲームをプレイするために、高機能なゲーム機も高価なゲーミングPCも必要ないという夢のような技術。
新しい通信規格である5Gが本格的に普及すれば、スマートフォンでも問題なくプレイできるといいます。
そのstadiaは11月に欧米でサービスを開始しましたが、評判は決していいものとは言えません。
そもそもゲームは動画と異なり、常時双方向の通信が必要ですので、それに耐えうるだけのサーバーや通信環境が必要となります。
stadiaが現時点でそれを満たしているとは言い難く、さらにラインナップは数年前にPS4などで発売されたものばかり、しかも個別購入が必要というのは大きな失望を誘いました。
おそらくゲーム会社自体が、stadiaに関しては様子見なのでしょう。慎重にサービス拡大を図るマイクロソフトの「xCloud」とは対象的に、急ぎすぎたのが裏目に出たのかもしれません。
将来的にゲームストリーミングが来ることはあっても、少なくとも5年のうちにそれが一般的になることはないでしょう。
サービスをバッサリ切ることで定評のあるGoogleですから、低調なスタートを切ったstadiaの先行きを懸念する声は少なくありません。
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PS5など次世代ハード発表
引用:PS4公式サイト(SIE)
サイクル的にそろそろ来ると思われていた、プレイステーションやXboxの次世代機が揃って発表されました。
それぞれの名称は、「プレイステーション5」「Xbox SERIES X」となることが明らかにされています。
しかもいずれも、発売は2020年のホリデーシーズン(年末)を予定しているとのこと。
現時点で公表されている両者のスペックを眺めてみると、ロード時間の短縮であったり、下位互換に対応していたりと、実はそれほど大きな違いはないんですよね。
もっとも仕様が完全に公開されているわけではありませんから、これから違いが見えてくるのかもしれませんけど。
日本に限って言えば、間違いなくPS5のほうが売れるでしょう。どんなソフトが出てくるのか期待したいところです。
また両社が展開するゲームストリーミングサービスとの連携も気になります。
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スマホアプリ「ディスガイアRPG」のメンテナンスが半年超え
引用:魔界戦記ディスガイアRPG 公式サイト
3月にリリースされたスマホアプリ「魔界戦記ディスガイアRPG」。
日本一ソフトウェアの人気シリーズと、SIE傘下のスマホゲーム開発会社フォワードワークスの協業ということで、高い注目を集めました。
しかしリセマラシステムが仇となったのか、リリース直後からトラブルを連発。その後長期メンテナンスに入り、ようやくサービスを再開できたのは11月のことでした。
リリースから1ヶ月に満たない現時点で、売上ランキングの月間平均が50位ほどというのはかなり厳しい気もしますが、長期メンテナンスが報われることを願ってやみません。
強引に年度末に合わせたのではないかとも囁かれたお粗末な作り、メンテナンス入り後もギリギリまで年度末再開をアピールする姿勢など、会社の都合に現場が振り回される様が強く垣間見えた一件でした。
プレイステーションの人気IPをアプリ化するも成果につながらないフォワードワークスに、ディスガイアRPGの失態が響いたのかその他作品の発売延期が相次ぐ日本一ソフトウェア。
スマホアプリ市場における海外勢の躍進と合わせ、いろいろ曲がり角に来ている感じがあります。
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ドラクエウォークが大ヒット
2017年にリリースされた位置情報ゲーム「ポケモンGO」の大フィーバーは、いまだに記憶に新しいところ。
それ以降も中高年プレイヤーを中心とした熱い支持に支えられたポケモンGOは、一時期陰りを見せていたポケモンという存在を見事に蘇らせました。
当時から「ポケGOのドラクエ版が欲しい」なんて声もありましたが、スクエニさんがそれを実現させたのが「ドラゴンクエストウォーク」です。
ミッションをこなしながら街を歩き、モンスターを倒してレベルアップ。装備や強化などの要素はRPG感満載で、ポケモンGOに物足りなさを感じていたプレイヤーの心をつかみました。
ガチャで手軽に儲けることができた時期は終わり、ソシャゲ各社にも一工夫が求められる中で、うまく仕上げてきた作品と言えるでしょう。
日本における「ドラクエ」という存在の大きさと、ソシャゲ慣れした運営手法が、国産ゲームアプリの苦境が伝えられる中で本作をヒットへと導きました。
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リングフィットアドベンチャーが品薄
引用:リングフィットアドベンチャー公式サイト(任天堂)
2019年も好調だったNintendo Switch。
11月に発売された「ポケットモンスター ソード・シールド」がヒットしたのはある程度予想通りとして、想定外のヒットを記録したのが10月に発売された「リングフィットアドベンチャー」です。
ゲームソフトと圧力を感知するリング、足に巻くバンドがセットになった商品で、コントローラーを握って遊ぶタイプのゲームではありません。
体を動かして遊ぶという「Wii Fit」を彷彿とさせるゲーム性が話題となり、口コミやYouTube動画などで評判が広がりました。
任天堂が品薄に関するお詫びを出すほどの事態となり、フィットネス分野への関心の高さを示すものとなりました。
なによりジョイコンの機能がしっかり活かされた作品がヒットしたことに、任天堂自身も安堵しているのではないでしょうか。
デジタルなゲームは非健康的なイメージがつきまといますが、「ポケモンGO」「ドラクエウォーク」などを見ても分かるように、健康やフィットネスとゲームの相性は決して悪いものではありません。
食生活も含め、健康的であることへの欲求が高まる現代社会において、ゲームが貢献できることは案外多いのかもしれません。
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『リングフィット アドベンチャー』品薄のお詫びとお知らせ(任天堂)
オートチェスはバトロワに続けず
引用:GooglePlay
2018年のゲーム界を席巻したバトルロイヤルゲーム。
大勢のプレイヤーが何も持たない状態で戦場に放り込まれ、武器やアイテムを集めながら最後の一人(チーム)を目指して戦うジャンルを指します。
ブームの火付け役である「PUBG」、続いた「フォートナイト」、スマホの「荒野行動」に続き、今年は「Apex Legends」などの新顔も加わりました。
「配信映え」するバトルロイヤルゲームの人気が続く中で、次のバトルロイヤルを探す各社の動きも活発になりました。
そんな中で目をつけられたのが「オートチェス」でした。適度なランダム性と戦略性があり麻雀のようだと話題になり、「次のバトロワ」とメディアで紹介されるように。
すると、「荒野行動」や「第5人格」などスピード感に定評のあるNeteaseや、「League of Legends」のRiot Gamesなども同ジャンルに参戦し、さらなる盛り上がりを見せるかのように思われました。
しかしピークはそのあたりで終了。メディア報道も夏以降は一気に少なくなりました。Googleトレンドでも一目瞭然です。
原因は色々あるでしょうが、模倣作品の登場するスピードがあまりに速かったことで、一気に陳腐化してしまった感はあります。
バトルロイヤルと比べたときの若干の複雑さが配信映えしなかったのも、爆発的なヒットにはつながらなかった原因かもしれません。
自社の利益につなげたいという各社の貪欲さには見習うべきものがありますが、もっとやりようがあったのではないかと思わずにはいられません。
その点、「Dead by Daylight」に代表される非対称マルチアクションは、比較的手堅くやってる印象です。任天堂あたりがマイルドなのをつくってブームを起こしそうな予感がします。
【終わりに】次の時代への期待感をもたせた2019年
2019年のゲームニュースをまとめると、「次の時代へのステップ」が話題になった1年といえます。
2020年にはどんなゲームが私たちを楽しませてくれるのでしょうか。そしてVRはどうなるのでしょうか。
個人的にプレイしたゲームの感想は、また別記事でまとめたいと思います。