私が楽天モバイルの新プランを選んだ理由。いくつか懸念はあるけれど、安さは正義です

2021年2月18日

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政府の強い働きかけにより、大手3社を始めとした携帯電話料金の大幅な引き下げが発表されています。その是非はともかくとして、一ユーザーとしてそれを利用しない手はなく、スマホ各社の動きを見定めていた方も多いことでしょう。

ドコモ、ソフトバンク、auが順に割安プランを発表し、「この3社の条件にどう対抗するのか」と注目されていた楽天モバイルは、「1GBまでの利用なら無料」などとんでもないプランを出してきました。そして私は、楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」への移行(スタートは4月から)を決断しました。

楽天モバイルに関してはさまざまな懸念をもっている方も多いと思いますので、私が楽天モバイルの新プランへの移行を決断した理由をお話します。移行する、しないの判断材料の1つにしていただければと思います。

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利用量で価格が変動する「みんなお得な」料金プラン

携帯料金の引き下げをめぐる一連の議論の中で最大のポイントとなったのが「データ通信量」です。

政府が国際比較に利用されがちな20GBの値下げを強く求めてきたことから、大手3社はその水準の値下げに踏み切りました。しかしここには大きな罠があります。

総務省のデータ(2020年6月時点)によると、月に20GB以上利用している人はわずか11%。さらに言えば、50%弱の人は2GB未満しか使用していないのです。

【関連リンク】
携帯電話料金の低廉化に向けた総務省の取組について(総務省)

つまり、私も含めてほとんどの人にとって「20GB未満だけの値下げ」では効果が薄く、これまでのところ大手3社とも、低容量帯での値下げには踏み切らずにいます。

そんな中で楽天モバイルは、1GBまでなら無料というプランをぶち上げました。その部分ばかりが注目されがちではあるものの、

  • 1~3GB:980円
  • 3~20GB:1980円
  • 20GB以上:2980円

など、20GB未満の容量で比較しても、大手3社より低い料金設定としてきました。

先ほどの総務省のデータによると、20GB以上のプランを契約している方の割合が40%を超えています。自分がどれだけ使うかを十分に理解していないことに加え、ショップなどで言われるがままに契約している方が多いということなのでしょう。

楽天モバイルのプランであれば、1GB、3GB、20GBと段階によって料金が変動する形となっており、低容量帯ユーザーの不公平感は軽減されます。そして仮に20GBを超えてしまったとしても、大手3社より安い価格で抑えられます。

自宅はWi-fi、外に出るのなんて平均しても1日1時間程度の私の場合、この1年で1GBを上回った月は一度もありませんでした。つまり、楽天モバイルの新プランであれば基本無料、奇跡的に外出が多い月があったとしても980円で済むというわけです。これはあまりにも大きい。

自分にとってお得であることに加えて、大手では初めて低容量帯にメスを入れた心意気を買い、楽天モバイル新プランへの移行を決断しました。

独自アプリの利用で通話料を国内無料に

大手3社のプランのうちauは、「通話無料分を除くと20GBまで2,480円」というプランを提示しました。それに対して、テレビや新聞といったメディアの中には、「通話無料分入れたら20GBで2,980円だから、実質3社横並び!」という論調をとったところがありました。(その後softbankも、auと同水準に値下げ)

しかしネット上では、「いまどき普通の電話なんて使わない人もたくさんいる」との反論が上がり、ユーザーのニーズを十分に理解できていないこまま報道しているメディアの実態があらわになりました。(さらに言えば、softbankがLINEトークや通話を通信量ノーカウントにしている点も考慮されていない)

確かにビジネスシーンであったり、何かの書類に書く連絡先だったりは携帯電話の番号が必要になります。しかしプライベートではもはや、LINEなどの通話アプリでの通話が大半を占めるという方も多いのではないでしょうか。

通信品質では通常の電話に及ばないものの、通話アプリであれば負担はデータ通信量分のみですから、コストパフォーマンスの良さは比べるまでもありません。少なくとも、「通話アプリなんで電話じゃない」という態度は適切ではないでしょう。

格安SIM各社では電話番号なしのSIMを販売していたりもするのですが、それだとSMS認証だったり、連絡先の記入だとかに使えなかったりするので、メインスマホとしては心もとないものがあります。

電話機能に関しては、無料分をなしにして料金を引き下げるプランを選択可能なau、auと同条件に加えてLINE通話分を通信量にカウントしないsoftbankも十分魅力的ですが、実は楽天もすごい。

「Rakuten Link」という契約者専用アプリを介した通話やメールは、相手が他社と契約している回線であっても国内無料なんです。相手がこのアプリを利用していなくても使えるのは、一般的な通話アプリとの大きな違いです。

「LINEは教えたくないけど電話番号は交換する必要がある。でも電話代もったいないなあ。」という相手にはちょうどいいサービスでしょう。


引用:料金プラン詳細(楽天モバイル)

カバーエリアの拡大はこれから

楽天モバイルは新規参入ということもあり、2021年夏の人口カバー率96%を目標に急ピッチで基地局の整備を進めているものの、それでも大手3社に劣るのはみなさんがイメージする通り。

現時点では、「パートナー回線」ということでau回線を利用しているエリアが広がっていますが、楽天モバイルが自社回線の整備が完了したと判断した地域から、パートナー回線のエリアを縮小しています。

自社回線はパートナー回線より高速で通信できると評判ではあるものの、マップ上では整備が終わっているエリアであっても、必ずしも大手3社ほどスムーズに通信できるとは限らないことに注意する必要があります。

これには「プラチナバンド」と呼ばれる電波の割当が関係しているのですが、話が長くなりますので興味がある方はこちらの記事をご覧ください。

【関連リンク】
携帯3社のプラチナバンド再配分は22年秋に開始を──楽天モバイルが主張(engadget)

都市部でも地下や室内の奥まった場所などでは、今の楽天モバイルではつながりにくい箇所もあるでしょう。一昔前の、場所によって通信状況が悪くなるあの感覚に似たようなものでしょうか。

私の居住エリアは、現時点でパートナー回線のエリア、2021年4月末で楽天回線拡大エリアとなっています。

私の場合は、仮に多少のつながりにくさを感じたとしても、外でYoutubeやSNSを見たくなることもありませんし、電話が繋がらないと仕事にならないといったこともありませんし、特に問題はないだろうと判断しました。

「常時完璧につながっていないと困る!」という方には、メイン端末としての運用はまだお薦めできないかなと思います。

【関連リンク】
通信・エリア|楽天モバイル

ちょっと古いiPhoneは使えない

私の最初のスマートフォンはAndroidだったのですが、その後「iPhone 4S」に乗り換えてからは、一貫してiPhoneを使い続けてきました。製品として気に入っていたのはもちろんのこと、スマホ各社のキャッシュバック施策により、高価であることをそれほど実感せずに購入できたのは大きかったと思います。

現在愛用しているのは「iPhone 8Plus」なのですが、この端末は楽天モバイルで使用することができないのです。どうしてもiPhoneを使うのであれば、より新しい機種に買い換える必要がありました。しかしそうなると、ナンバリングモデルであれば最低でも10万円程度の負担が発生します。それが楽天モバイルの新プランに切り替えるうえで最大の障害となっていました。

そこで考えたのが、「iPhoneのようなハイスペックなスマホは、今の自分に必要か」ということ。

  • 写真にこだわるわけでもない
  • スマホで動画は見ない
  • iPhoneでしか動かないアプリも特に気にならない(いざとなれば8Plusさんでなんとかなる)
  • スマホでハイスペックなゲームはやらない
  • ポケモンGOとドラクエウォークがプレイできればそれでいい

これらを考慮すると、ミドルスペックで十分です。楽天モバイルではいくつかの端末を用意していますが、購入すると実質4999円得する(端末価格20000円、24999ポイント付与。簡単な条件あり。)という意味の分からないキャンペーンを実施していた「rakuten Hand」に決めました。(最後まで迷ったのは、SHARPの「AQUOS sense4 lite」でした。)

本記事執筆中に「rakuten Hand」が届いて数日間使っていますが、ゲームで若干のもっさり感あるものの気になるほどではなく、使い心地には大変満足しています。小さいスマホもいいものですね。ついこの前まで使っていた8Plusが重たく感じます。

2年に1回購入していたiPhoneを我慢したことで、考え方によっては10万円が浮き、さらに今後は携帯料金が無料になるわけですから、なにか有効に使いたいですね。といっても、10万超える買い物なんてPCしか思いつかないんですけど。

【終わりに】つながりやすさより安さ

私が楽天モバイルの新プランに切り替えた理由をお話してきました。

新規参入である楽天モバイルへの切り替えは多少勇気がいるかもしれません。外出が少ない生活を送っている私だからこそ決断できた側面があることは否定しません。

とはいえ、料金プランの面で圧倒的に有利なのは間違いありませんので、カバーエリアの拡張さえ順調に進めば、より存在感を増していくことになりそうです。