象印加湿器「EE-RS35」レビュー。1か月使って分かった人気の理由
加湿器はさまざまなメーカーからさまざまなタイプのものが発売されており、どれを買ったらいいのか分からない家電の一つと言えます。
そんな中、頭一つ抜けた人気を誇るのが、象印のスチーム式加湿器です。電気ポットで培われた使いやすさと安全性、そして確かな加湿力が高い評価を受けています。
今回私は、小型タイプの「EE-RS35」を購入し1か月ほど使ってみましたので、一般的なスチーム式加湿器との比較を交えながらレビューします。
加湿器のタイプをざっくり解説
まず、加湿器のタイプについて簡単に解説しましょう。
加湿器は大きく分けて、超音波式、スチーム式、気化式の3種類があります。複数の機能を備えたハイブリッド型もあり、昨年末に紹介したこちらの加湿器は超音波式とスチーム式のハイブリッドタイプでした。
今回購入したスチーム式の特徴をざっくりまとめるならば、「電気代はかかるけど一番衛生的で部屋暖め効果もある」とといったところ。
そんなスチーム式加湿器の中でも、ひときわ評価が高いのが象印の商品です。
象印加湿器のエントリーモデル
スペック
今回購入した加湿器は、象印の加湿器の中ではエントリーモデルとでも言うべき機種です。水の容量は約2.2リットル、強さの設定は強弱の2種類です。オンオフそれぞれタイマーあり。
水の容量に関しては、1日10時間など長時間使う人には物足りないレベルですが、私の場合はせいぜい4~5時間ですので問題ありません。
強弱に関しても、自動調整機能は3段階あり、こちらを使えば適切な湿度をキープしてくれるのでそこまで気にはなりません。
象印の加湿器は、容量や調整機能、デザインの異なる4種類が発売されていますので、その中から合いそうなものを探してください。
大きな投入口
まず注目すべきは、この大きな投入口です。水の出し入れや掃除も簡単。
本体には取っ手が付いているので、ロックを解除してふたを外せば、水道から直接水を入れることができます。
もちろん、別のポットなどから注ぐのもOK。これだけ大きければ、こぼす心配もほとんどありません。
安全性の配慮がすさまじい
そして電源コード。こちらマグネット式になっており着脱が簡単。万が一コードに足を引っ掛けても、加湿器ごと倒れる心配はほとんどありません。
さらに、チャイルドロック機能にふたの二重ロック、転倒時の湯漏れを抑える構造で、安全性にとことん配慮されています。
このこだわりは、安価な加湿器にはほとんどない部分です。さすが電気ポットを長年手掛けてきただけのことはあるなと感心しました。
加湿性能は抜群
肝心の加湿性能について。電源を入れると、一旦水を沸騰させて約65度まで下がってから蒸気の噴射を始めます。
スチーム式の加湿器の中には、水が温まる前から蒸気を出してしまうものも少なくないのですが、それだとスチーム式を利用するメリットが損なわれますし、蒸気が落ちて床がベトベトになることもあります。
こちらはしっかり沸騰させた蒸気だけを出すため衛生的で、蒸気が温かいためしっかり上昇し、空気中に消えていくように加湿をしてくれます。
加湿器を使う上でもっとも重要な部分のひとつなのですが、具体的な数字で性能を示しづらいこともあり、意外と使ってみないと分からないんですよね。
汚れ・掃除
どんなタイプの加湿器でも、多かれ少なかれ掃除は必要となりますし、タイプによってケアすべき部分は異なります。
スチーム式では、水のミネラル分が固まってこびりつきます。いわゆるカルキ汚れで、健康面では問題ありませんが、あまりに放置しすぎると吹き出し口が詰まったりして、正常な稼働に影響する可能性もあります。
この加湿器では、底に少し水が残った状態で運転を停止します。空焚き防止の意味合いとともに、ミネラル濃度の高い水を残すことで、カルキ汚れがつきにくくなっています。
残り水をしっかり捨て、軽くゆすいだ後に新しい水を投入すれば、通常のスチーム式加湿器と比べてカルキ汚れは残りにくく、掃除の手間も少なく済みまず。
もちろん、カルキ汚れを完全に防げるわけではないので、メーカーでは1か月程度の間隔でのクエン酸掃除を推奨しています。
本機には掃除専用モードがあり、いっぱいの水に溶かしたクエン酸が、汚れをきれいに落としてくれます。
電気代と性能のトレードオフ
この加湿器を購入する上でほぼ唯一の懸念材料と言えるのが電気代でしょう。仕様として記載されている消費電力は以下のとおりです。
湯沸かし立ち上げ時 | 985W |
加湿時 | 305W |
立ち上げ時の高出力は、素早く沸騰させることとのトレードオフと言えます。また、加湿時の消費電力も一般的なスチーム加湿器の200W台と比べると高めではあります。
電気代が高騰しているこのご時世、気になる人も多いことでしょう。ただ個人的には、かかるものはしょうがないと割り切り、他の部分で節約すればよいと考えます。
例えば、エアコンの設定温度を下げる代わりにサーキュレーターで空気を回したり、スポット暖房で足元を暖めたりといった工夫もありますよね。
【終わりに】価値のある加湿器
以上、象印の加湿器「EE-RS35」の使用レビューでした。使いやすさも性能も言うことなし。電気代がかかるのを許容できるかどうかだけでしょう。
何もかも我慢することで健康を害し生活上のコストが増えてしまうというのはよくある話ですので、我慢する部分とそうでない部分はメリハリをつけて生活すべきでしょう。
その観点で言うと、象印の加湿器「EE-RS35」は、私にとって我慢せずに使いたい家電として位置づけることができる加湿器です。