今週話しておきたいゲームなどのこと(2020年11月21日号)~ファンには正直であれ~

一週間で気になったゲームの話題と、それ以外で日々私が感じていることを書き連ねていく連載コーナーです。

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アサシンクリードヴァルハラで流血規制問題が勃発。Ubisoftの不可解な対応は疑問

次世代機にも対応する作品として、欧米では好調なセールスを記録したとも報じられている「アサシンクリード ヴァルハラ」。そんな中、好セールスを喜んでばかりはいられない状況も発生しているようです。

ひとつがセーブ周りのトラブル。条件によってデータが破損したり、巻き戻ったり、上手くセーブできなかったりといった不具合が報告されています。

そしてもう一つが今回の本題である、日本版(アジア版)における表現規制問題です。国によって許容される表現の範囲があり、日本版では欧米版と比べてグロテスク表現に厳しい対応が取られることは、よく知られていることかと思います。

Ubisoftは事前に、日本版の規制内容に関して告知していました。多くのファンはそれを受け入れて購入したわけなのですが、いざプレイしてみると、事前の告知のなかった流血表現までが削除されていたのがことの始まりでした。

これに対して多くのファンから疑問の声が挙がり、発売から約一週間がたってようやく、Ubisoftが公式ブログで理由を説明するに至りました。

『アサシン クリード ヴァルハラ』のゲーム内表現に関して(ユービーアイソフト)

これによると、予定していた流血表現をそのままにした場合審査を通過することが難しく、「全世界同時発売を維持するために」流血表現を削除したとのこと。

ここで疑問に思った方も多いかと思いますが、日本のゲーム作品において流血表現が全部アウトとされているわけではありません。

例えば私もプレイした「龍が如く7 光と闇の行方」では、CERO D(17歳以上対象)でもばりばりに流血表現がありました。ちなみに本作は「CERO Z」(18歳以上対象)であり、より激しい表現があったと推測されます。

そのような疑問がある中で、Ubisoftから名指しされた形のCEROが「なんの協議もしていない」と声明を出します。それを受ける形でUbisoftはブログ記事を更新し、社内の事情で修正したことを認めました。なんだこのずさんさは…

ユービーアイソフト社11月18日付け発表文について(CERO)

オプションとして流血表現のON/OFFが残っているのはおそらく、公式ブログにもあった「全世界同時発売を維持するために」修正が間に合わなかったということなのでしょう。

そしてそれ以上に問題なのは、事前に流血表現の規制に関して一切の告知がなかったこと。プレイヤーの立場からすれば、事前に発表された規制内容がすべてだと信じた上で購入をしているわけですから、落胆するのも無理はありません。

流血表現を規制する時間があれば、それを告知する時間も当然あったわけです。説明が遅れた理由に関して、公式ブログでも一切触れていないのは謎ですね。(そして、ゲームメディアの追及が緩いのもいつもどおり。)

彼らにすれば日本は主要市場ではないのでしょうけど、だからこそ、そこにいるファンは大切にすべきだと思いました。流血表現の規制の是非はおいといて、虚偽の説明をもって商品を購入させる形となったことは、大きな問題と言わざるを得ません。

PS5の初週売上が少なすぎて入手困難なのは当然過ぎた件

11月12日に発売されたPS5の初週売上(正確には、発売4日間の売上)が、11.8万台であるとファミ通が発表しました。(数字は推計)

4日分の集計とは言え、予約完売かつ当日販売なしという状況を考えれば、仮に1週間で集計しても同じ数字になるでしょう。

なおファミ通の記事では、PS4の初週売上記事へのリンクも掲載しています。そちらによると、PS4の初週売上は32.2万台だったとのことです。

記事中で言及されているとおり、PS4は欧米に遅れて発売されたため、日本向けの在庫を十分に用意できたという事情もあるでしょう。

とはいえ、PS4の3分の1程度という初週売上はあまりに少なく、これでは転売屋がのさばるのも無理はないなと感じます。いわゆる「品薄商法」ではないと信じたいですけどね。

SIEが北米市場を重視しているのはもはや周知の事実ですが、今後各国の数字が明らかになってくれば、またさまざまな反応が寄せられるのではないでしょうか。

ちなみにゲームエイジ総研の調査によると、ゲームを日常的にプレイする人の中で、PS5をすでに予約(発売日前調査のため)できた人は0.6%、購入する予定とした人は5.7%という結果が出ています。サンプル数は3000弱ありますので、それなりに信憑性のあるデータです。

ついに発売された次世代ゲーム機、その購買意向は?(ゲームエイジ総研)

理由として挙げられているのは、「ソフト不足」「PCで遊ぶから」など。確かに現状では、日本人好みのタイトルは少ないですしね。任天堂が強いお国柄も影響していることでしょう。

この数字で考えると、欲しい人が手に入れるまでにそれほどの時間はかからないのではないかと推測されます。各ショップで予約倍率が膨らんでいるのは、重複申込みや転売屋の影響ではないでしょうか。

各ショップの予約競争に参加したり、Amazonなどをチェックしたりする中で、欲しい皆さまが定価で手に入れられることを願っております。

桃鉄新作は動画収益化OK。KONAMI作品では異例の対応に

11月19日に発売されたNintendo Switch用ソフト「桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~」。

前回は製作者サイドとKONAMI(元々の発売元であるハドソンを吸収)のトラブルにより任天堂から発売された同シリーズですが、本作はKONAMIから発売されました。

そのような経緯も影響しているのか、はたまた別の判断があるのか、本作はKONAMI作品では異例の対応で、個人による動画の収益化を許可しています。

先週のコラムでも紹介しましたが、KONAMIは基本的に、個人による動画の収益化を許可していません。KONAMIゲームの動画で収益化しているのは、許諾を得た企業の所属か、あるいは無許可かのどちらかです。

これはKONAMIに限ったことではなく、日本の大手メーカーは海外と比べて厳しい対応をとっています。個人の動画の収益化に寛容な任天堂は、むしろ異例なんですよね。

今回KONAMIが桃鉄最新作において個人の動画の収益化を許可した理由は分かりませんが、基本的には歓迎すべきことでしょう。

そのほうが時代に馴染んでいると思いますし、なにより多くの場合において、ゲームの売上に貢献するのではないかと思うからです。

桃鉄はストーリーがあるようなゲームではなく、動画化されることが売上に響く心配はまずありません。むしろ動画による拡散はプラスに働くでしょう。

もう少し言えば、公式による広告色が強い動画よりも、それぞれのクリエイターが思い思いに作成した動画のほうが面白かったりしますしね。

さらに言えば、許諾を出した企業のクリエイターしか動画投稿が許可されない世界は、絶対につまらなくなるしゲーム業界にマイナスです。これは断言してもいい。

とはいえ、私も無条件に個人の動画の収益化を解禁するべきだとは思いません。中には作品を過度に貶めたり、素材だけを切り出したりする動画もありますので、それらはガイドラインをもって規制されるべきでしょう。

桃鉄は私の地理好きの原点になった作品ですので、動画を通じて多くの方、特に子どもたちに興味をもってほしいと思っています。動画投稿に興味がある方は、ガイドラインを遵守して投稿してください。
【関連記事】
プレー動画投稿応援キャンペーン(桃太郎電鉄 ~昭和 平成 令和も定番!~公式サイト)

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【今週のコラム】

本編が長くなったのでお休みします。

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